[筋トレ]広背筋の鍛え方やおすすめメニュー[完全版]
広背筋は広い背中を作るためには優先的に鍛えるべき部位で、また全身の中でもかなり大きい筋肉です。この筋肉が発達するといわゆる逆三角形のイケイケBODYになります。
引用:芦原カラテバカ一代
細マッチョとして有名なブルース・リーも大きな広背筋を持っていました。ブルース・リーは全体的に細いのでマッチョと言うには物足りない体だったかもしれませんが、広い広背筋を持っていることで体にインパクトがありました。ブルース・リーは正面から見てもムササビのように広背筋が両脇から見えていたので、優先的によく鍛えていたことがうかがえます。
ブルース・リーのことは置いておいて、この記事では広背筋を鍛えるメリットや広背筋トレーニングのメニューについて紹介します。
1.広背筋とは
1-1.広背筋の構造
引用:Muscle Premium(Macアプリ)
広背筋は背中の下部から脇の下まで広がる人体でもっとも面積の大きな筋肉です。体積ではなく面積がNo.1です。筋体積になると下記のようなランキングです。
【肩関節・肩甲骨周辺の筋体積ランキング】
- 三角筋(前部・中部・後部):792㎠
- 大胸筋(上部・中部・下部):676㎠
- ローテーターカフ(肩の深層筋):672㎠
- 広背筋(単体):550㎠
- 僧帽筋(上部・中部・下部):458㎠
筋トレは大きな筋肉を鍛えた方が効率的だという考え方があるように、筋肉の筋体積は筋肉を鍛えるにあたって、とても重要な指標になります。しかし「見た目をかっこよくしたい」という目的において、体の表面に出ている「面積が大きい筋肉」は見た目向上に大きな役割を担っています。
その点、広背筋は面積No.1なので、鍛えればわかりやすく体のフォルムが変化しやすい部位だと言えます。
1-2.広背筋の役割
手で物を前方から、もしくは上方から引っ張る働きがあります。上から引っ張る動作は、例えば鉄棒や何かにぶら下がった状態から体を上に引き上げるような動作です。前方から引っ張る動作は綱引きなどをイメージするとわかりやすいと思います。
2.広背筋を鍛えるメリット
広背筋を鍛えることによって、見た目も身体の機能も向上します。主なメリットとしては、以下のようなものが挙げられるでしょう。
- 全身の筋肉バランスが良くなる。
- 姿勢が良くなる。
- 肩こりが解消される。
- 後ろ姿が格好よくなる。
- 服が似合う。
- 気分がすっきりする。
などが挙げられます。それぞれについて詳細に解説していきます。
2-1.全身の筋肉バランスが良くなる
筋トレの基本は、全身の大きい筋肉をバランスよく鍛えることです。それによって大きい筋肉がバランスよく発達し、周辺の小さい筋肉も同時に発達します。人間の体は中心部に大きい筋肉が集中しているので、大きい筋肉を鍛えると末端の小さい筋肉も一緒に鍛えられるのです。
逆に、末端の筋肉だけ鍛えていても中心部の筋肉は発達しません。また、大きい筋肉を鍛えることによって、代謝アップ、成長ホルモン分泌量アップの効果があります。それによって、より一層全身の筋肉バランスが良くなります。
そして広背筋を鍛えると筋肉バランスが良くなる理由はそれだけではありません。日本人はもともと体の背面の筋肉が弱く、広背筋も弱いです。ジムで筋トレしている人でも大胸筋など体の前面の筋肉は意識しているものの、体の背面の筋肉を意識していない人も多いです。
日本人は体質的に体の後ろ側の筋肉が弱く、さらに前面ばかり鍛える人もいるので、そうするとバランスが悪くなります。広背筋を鍛えることは日本人にとって弱点克服でもあり、体の筋肉バランスが非常に良くなります。
もちろん上半身の筋トレにおいて大胸筋は重要ですが、広背筋の方が日本人にとっては重要かもしれません。大胸筋よりも広背筋トレーニングに力を入れることで、筋肉バランスが良くなります。
2-2.姿勢が良くなる
上述の通り日本人は体の背面の筋肉が弱いので、猫背になりがちです。このような体質なのに、ジムでさらに体の前面ばかりを鍛えると、どんどん猫背になっていきます。実際大胸筋や三角筋前部ばかりが発達していて、肩や姿勢全体が前のめり気味になっている人は多いです。
腕を前に出して猫背でゴリラのような歩き方のイメージです。そうならないためには、ぜひ広背筋を積極的に鍛えると良いです。広背筋が発達すると上体が後ろに引っ張られるので背筋の伸びた姿勢になりやすいです。
広背筋を鍛えることで背筋が伸びた姿勢に自然となるので、見栄えが良くなります。
2-3.肩こりが解消される
肩こりに関係のある筋肉は僧帽筋がイメージされがちですが、広背筋も重要です。僧帽筋は基本的に肩を持ち上げる筋肉なので、僧帽筋が発達していると長時間肩が上がっていても肩こりになりにくくなります。
一方で、広背筋は肩を下に引っ張り下ろす筋肉です。人間は集中していると肩が上がってしまうことが多いですが、広背筋が発達していると無意識に肩を下に引っ張りやすくなります。また、意識的に広背筋で肩を下に引き下ろすことも可能です。
少なくとも広背筋が弱いと普段から肩が上がってしまいがちで、それは肩こりの原因になります。僧帽筋を鍛えて肩が長時間上がっていても大丈夫な筋肉を作ることは重要ですが、広背筋で肩を引き下ろすようにすることも重要でしょう。
2-4.後ろ姿が格好よくなる。
大胸筋を鍛えていると正面から見たときに見栄えが良くなりますが、大胸筋ばかり鍛えていると、後ろから見たときに貧相に見えます。後ろから見てもがっしりした体格を目指すためには広背筋が必須になります。
2-5.服が似合う
Tシャツやジャケットが様になるためには大胸筋が必要と思っている人は多いでしょう。もちろんそれは間違いではなく、大胸筋があった方がTシャツやジャケットが決まります。しかし、実は前だけではなく体の後ろ側にも服の張りがあることが重要なのです。
広背筋は広い背中を作るので、Tシャツやジャケットを後ろに張ります。三角筋後部や僧帽筋上部とともに広背筋が発達していることで、シンプルなファッションが様になります。
2-6.気分がすっきりする
筋トレをすると脳内の神経伝達物質が多く分泌されるので、体だけでなく精神的にも健康的になります。筋トレは慣れてくると気持ちがよくなります。広背筋は上半身の中でも大きい筋肉で、鍛えると脳内の神経伝達物質が多く分泌されます。
また肩甲骨が動くので気持ちいいです。これには個人差があるかもしれませんが、広背筋が発達して肩甲骨が動くようになると、広背筋で肩甲骨を下に引っ張るだけでもストレッチのようになり、気持ちよさがあります。
肩が凝っている、肩が上がってきた、という感じがするときは広背筋で肩甲骨と肩を下に引っ張るのがおすすめです。最初はなかなか広背筋で肩甲骨を下に引っ張る感覚がわからないかもしれませんが、筋肉が発達してくると徐々に感覚がわかるはずです。
3.広背筋の鍛え方
広背筋がどのような動きで使われるのか理解しましょう。
広背筋が使われる主な体の動きは、以下の4つです。
- 肩関節の伸展
- 肩関節の内転
- 肩関節の水平外転
- 肩関節の内旋
「体のどういった動きで、どの筋肉の部位が使われるか」を頭に入れておくと、初めて見るトレーニング種目でも、どの筋肉の部位が使われているか理解できますし、自分オリジナルのトレーニングメニューの考案など、体の使い方やトレーニング方法を体系的に理解することができます。
3-1.肩関節の伸展
肩関節の進展は、肩から腕を後方にふる動きです。トレーニング種目としては、肘を引く動作が入っているローイング系の種目が、この動きに当てはまります。
-
- ローイング系種目・ダンベルローイング
- ・ベントオーバーローイング
- ・マシンローイング
- ・シーテッドローイング
- ・懸垂(チンニング)ナロー
3-2.肩関節の内転
肩関節の内転は、肩から腕を内側にふる動きです。トレーニング種目としては腕を上方に上げた状態から引っ張ってくる懸垂やプルダウンなどが、この動きです。
3-3.肩関節の水平外転
肩関節の水平外転は、肩から腕を水平面で後方にふる動きです。トレーニング種目としては、シーテッドローイングを広い手幅で両肘を開いて行うやり方や、ケーブルリアローなどが、この動きです。
リアレイズなども水平外転の動きですが、こちらはメインで三角筋後部、サブで僧帽筋を鍛えるトレーニング種目になります。
3-4.肩関節の内旋
肩関節の内旋は、肩を内向きにひねる動きです。「内向きにひねる」動作が少しわからない方は、下記動画をご覧ください。
メインで使う主動筋は、ローテーターカフのひとつ肩甲下筋ですが、サブで広背筋も使います。メイントレーニング前のウォームアップとして最適なトレーニングメニューです。
4.広背筋を鍛える自重トレーニング
自重トレーニングは自分の体重で負荷をかける筋力トレーニングです。自重トレで広背筋をメインで鍛える種目は限られているというか懸垂ぐらいしかないので、、懸垂です。
4-1.懸垂(チンニング)
広背筋トレーニングと言えば懸垂が最初に挙げられるほど効果的で、自重でも比較的高い負荷を掛けることができる肩関節内転の動きです。懸垂は広背筋と同時に三角筋や僧帽筋も鍛えることができるのでお得です。
また、懸垂台や懸垂バーを購入すれば自宅でもトレーニングできます。ウエイトのように重りを追加購入する必要もないですし、懸垂台一つあればいろいろなトレーニングができます。ディップスバーが一緒についているものも多いので、上半身の前面も鍛えられます。
逆手でも順手でも良いのですが、最初は逆手の方が楽に体が持ち上がるでしょう。筋力が強い人は逆手で15回、順手で15回を3セット、といったメニューの組み方で良いのですが、筋力がまだ弱い場合は逆手から練習すれば良いです。
逆手だと上腕二頭筋の関与が大きくなるので体が持ち上がりやすいですが、広背筋も十分に鍛えることができます。逆手懸垂で広背筋を鍛えていれば、そのうち順手でも楽に懸垂できるようになります。
普段の生活では広背筋はあまり鍛えられず、日本人は特に広背筋が弱いので鍛えていない人は上腕二頭筋で持ち上げた方が楽なのです。しかし、筋力が発達してくると広背筋で持ち上げるようになるので、逆手でも順手でも楽に上がるようになります。
効果的な筋肥大の負荷は、1セット8〜12回がやっとできる重量で行うのがベストだと言われています。懸垂も楽に15回ほどできるようになれば、腰に重りを巻いて懸垂をするか、ウエイトトレーニングに切り替えるか判断する必要が出てきます。
懸垂のやり方
セット数の目安:10レップ×3セット セット間のインターバル:1〜2分
- 手幅を肩幅程度にしてバーを握る
- 背中を反らし胸を張りながら体を引き上げる
5.広背筋を鍛えるウエイトトレーニング
ウエイトトレーニングはダンベルやバーベル、ケトルベルなどの重りを使うトレーニングです。広背筋を鍛える自重トレーニングは懸垂ぐらいしかないので、広背筋を鍛えるのであればウエイトトレーニングはオススメです。
しかしウエイトトレーニングは多くの関節を複合的に動かしながら行う多関節トレーニングが主なので、筋トレ初心者には少しハードルが高いトレーニングメニューになります。初めて行う場合は、ジムのスタッフさんやトレーナーにフォームチェックをしてもらうか、自分がコントロールできる軽い重量からフォーム習得優先で行うことをオススメします。
5-1.ダンベルローイング(片手)
片手で行うダンベルローイングは、別名ワンハンドローイングとも呼ばれます。僕的にはワンハンドローイングという呼び方をよくします。動きとしては、腕を後方にふる肩関節伸展の動きで広背筋に効きます。それにプラスして肩甲骨が寄る肩甲骨内転の動きも入るので僧帽筋にも効きます。
ダンベルローイングのやり方
セット数の目安:片手ずつ10レップ×3セット セット間のインターバル:1〜2分
- ベンチ台や椅子に片手片膝をつけて、上体を台に水平に倒す
- もう片方の手でダンベルを持ち、肩甲骨を開いて広背筋を伸ばす
- 肩甲骨を寄せながら肘を引く
ダンベルローイングのポイント
- ・スタートポジションは背中をまっすぐに
- ・足幅は肩幅より広め
- ・肩を下げて、肘を腰に向かって弧を描くようにあげる
- ・ベントオーバーローイングより腰への負担が少ない
5-2.ベントオーバーローイング
ベントオーバーローイングは、ダンベルローイングと同じく腕を後方に振る肩関節伸展の動きで広背筋・僧帽筋中部・下部に効きます。ダンベルローイングより腰に負荷が乗りやすいので腰痛持ちの方は注意して行なってください。バーベルを持って両手で行うので、両側の広背筋に同時に効かせることができます。ダンベルローイングより高重量でトレーニング時間も短くて済む点はメリットです。
ベントオーバーローイングのやり方
セット数の目安:10レップ×3セット セット間のインターバル:1〜2分
- 足幅は肩幅より少し狭めで立つ
- 手幅は肩幅よりやや広めでバーベルを持つ
- 膝を軽く曲げ、背筋を伸ばして35〜60度程度に上体を倒す
- 肩甲骨を寄せながら両肘を股関節に向けて引く
ベントオーバーローイングのポイント
- ・股関節に向けて引くと広背筋に効きやすい
- ・みぞおちに向けて引くと僧帽筋に効きやすい
- ・バーベルを下げた時に腕を伸ばしきらない
- ・背筋を伸ばし、胸を張った姿勢をキープする
- ・膝を前に出さないようにし、お尻と太もも裏で姿勢維持
5-3.デッドリフト
デッドリフトはベンチプレス、スクワットと共にBIG3に入る鉄板筋トレメニューです。そして、筋トレ効率で考えてもBIG3中最強と言えます。BIG3の中でさらに一つだけ選ぶとするならデッドリフトです。その理由は、デッドリフトは下半身、上半身含め体の背面全体に強い負荷が掛かるからです。ベンチプレスは上半身の前面が中心ですし、スクワットは下半身の筋肉が中心です。つまり、デッドリフトがもっとも上半身にも下半身にもトータルで負荷が掛かる筋トレメニューなのです。
また、日本人は体の背面が弱いことは上述の通りです。そのため、デッドリフトを行うことによって体全体の日本人の弱点を克服できるということです。デッドリフトによって下半身も上半身も背面を強化することで、姿勢が良くなり見栄えが良くなります。もちろんデッドリフトだけをやれば良いというわけではありませんが、たとえばベンチプレスばかりを行う、スクワットばかりを行う、といったトレーニングメニューよりは、デッドリフトばかりを行った方がボディーバランスは良くなります。
一応デッドリフトのメインターゲットは大殿筋・ハムストリング・脊柱起立筋ですが、サブで広背筋に強い負荷が掛かります。デッドリフトの効能を知らずにあまり関心を持たない人もいますが、非常におすすめの筋トレメニューです。
デッドリフトのやり方
セット数の目安:10レップ×3セット セット間のインターバル:1〜2分
- 足幅は肩幅程度で、バーが足の真ん中の位置に立つ
- 手幅は肩幅よりやや広めでバーベルを持つ
- 膝を軽く曲げ、背筋を伸ばして45度程度に上体を倒す
- 背筋を伸ばしたまま上体を起こし胸を張る
デッドリフトのポイント
- ・スタートポジションでは、バーの真上に肩甲骨がある
- ・足を押し込むイメージでバーベルを持ち上げる
- ・腰を痛めないように正しいフォームで行う
- ・高重量で握力が足りない場合はパワーグリップなどを活用する
6.広背筋を鍛えるマシントレーニング
マシントレーニングは文字通りマシンを用いるトレーニングです。ウエイトトレーニングと比べて一つの関節のみを動かす単関節種目が多く、難易度が低いので筋トレ初心者でも体を痛める心配が少なく、安全に行えます。
6-1.ラットプルダウン(ワイド)
ラットプルダウンは、可動域が最も伸びた状態で負荷がかかるストレッチ種目で、肩関節内転の動きです。懸垂とほぼ同じ筋肉を使いますが、体が固定されているのでメインターゲットにより特化して鍛えられます。懸垂は逆に体が固定されていないので、体幹などにも効きます。
ラットプルダウンはマシンで簡単に重量を変更できるので、懸垂だと負荷が強すぎる人も、逆に懸垂だと負荷が足りないという人も自分の筋力に合った重量に設定できます。ちなみに、ビハインドネックで頭の後ろに引っ張ってくる方法もあります。ビハインドネックでは広背筋よりも僧帽筋に負荷が掛かります。懸垂でもこれは同じなので、広背筋に効かせるなら胸に向かってバーを持ってくることが基本です。
手幅を短く握るナローグリップでのラットプルダウンでは僧帽筋に効かせることができますが、動画のようにワイドグリップで行えば広背筋に効かせやすくなります。
ラットプルダウン(ワイド)のやり方セット数の目安:10レップ×3セット セット間のインターバル:1分
- シートに座りパッドで下半身を固定する
- 肩幅の1.5倍程度の手幅でバーを握る
- 背中を反らしながら胸を張り肩甲骨を寄せながらバーを胸に向かって引く
ラットプルダウン(ワイド)のポイント・バーを引く際は、上体をやや後傾にする。
・肩甲骨内転+下制のイメージ(寄せて下ろす)
6-2.マシンローイング
マシンローイングは座った状態で真後ろに肘を引っ張るトレーニングです。ラットプルダウンとは引っ張る方向が違います。ラットプルダウンでは肩関節内転の動きでしたが、ローイングでは肩関節伸展の動きです。様々な角度から筋肉に刺激を与えることはトレーニングにおいて重要です。またマシンではウエイトトレーニングより高重量を安全に扱えるので、初心者にもオススメのトレーニング法です。
マシンローイングのやり方セット数の目安:10レップ×3セット セット間のインターバル:1分
- バーと肩が平行になる位置に座席を設定する
- バーがギリギリ握れる位置に上体を合わせバーを握る
- 背筋を伸ばし、胸を張って肩甲骨を寄せながら両肘を引く
マシンローイングのポイント・バーを引く際に上体を後傾させない
6-3.シーテッドローイング(ナロー)
バーではなくプーリーという器具を使って行うシーテッドローイング、別名ロープーリーやロープーリーローと呼ばれる種目です。可動域が最も伸びた状態で負荷がかかるストレッチ種目になります。動きとしてはマシンローイングと同じく引く動作で肩関節伸展の動きです。プーリーを使うので狭い手幅で行うことになるんですが、これをプーリーではなくバーで広い手幅で行うと、肩関節水平外転の動きになり広背筋上部や僧帽筋全体に効かせることができます。
シーテッドローイング(ナロー)のやり方セット数の目安:10レップ×3セット セット間のインターバル:1分
- マシンに座り、足を伸ばして固定する
- 足幅は肩幅程度で膝を軽く曲げる
- 両手でプーリーを握り背筋を伸ばして上体を前傾させ胸を張る
- 背筋を伸ばしたまま、胸を張って肩甲骨を寄せながら両肘を引く
シーテッドローイング(ナロー)のポイント・上体の後傾は最小限に抑える
7.広背筋トレーニングメニューの組み方
いろいろな広背筋トレーニングメニューを紹介してきましたが、他の部位に比べたら、あまり種目数は多くないので、色々とやってみて自分にあったトレーニングを選択してください。
7-1.広背筋トレーニングサンプルメニュー
筋トレ初心者の方向けにサンプルメニューを紹介します。
可動域確保や体を温めるためのストレッチやランニングを10分ほど行いましょう。トレーニング効果が向上したりケガの予防にもつながります。広背筋や僧帽筋などの背中のトレーニングをする場合は、肩甲骨・肩関節がうまく動かないと狙った部位に効かせにくいです。また肩・肩甲骨・腰などの体の背面に関係が深い関節は痛めやすいので、ウォームアップは念入りに行いましょう。
このストレッチポールは全身、特に肩甲骨周辺がうまくほぐれますので、トレーニング前や後に入れてみてください。
体の広い範囲を使うトレーニングから順番に行うことがベターです。
1.懸垂(チンニング):10レップ×3セット セット間のインターバル1分
2.ベントオーバーローイング:10レップ×3セット セット間のインターバル1分
3.シーテッドローイング(ナロー):10レップ×3セット セット間のインターバル1分
4.ダンベルローイング(片手):片方ずつ10レップ×3セット セット間のインターバル1分
懸垂は姿勢維持のため体幹に力が入っていないと、なかなか厳しい部分があるので先にやります。またベントオーバーローイングは腹圧をきちんと入れて体幹に力が残ってないと腰を痛めやすい種目なので先に持ってきます。マシントレーニングのシーテッドローイング(ロープーリー)はフリーウェイト種目に比べて力が残ってなくても、ある程度のフォームで行えば効かせられるので3番目です。ダンベルローイングは片手ずつ膝付きで行えるので、最後の力をココで振り絞り終了です。
僕は今こんな感じの広背筋セットメニューです。シーテッドローイングはラットプルダウンでもOKです。その日の気分や、トレーニング器具やマシンの空き具合で柔軟に変えていって良いと思います。
9.筋トレ全般に言えること
間違ったフォームで筋トレをやり続けると、意図しない部位に効いてしまい、筋肥大のバランスが悪くなります。
たとえば広背筋を鍛えようと懸垂をトレーニングメニューに取り入れたまでは良かったが、手幅を極端に狭めると腕や僧帽筋の負荷が中心になるので広背筋をうまく使うことができなくなります。狙ってそうするのであれば良いのですが、意図せずそうなっていると筋肉バランスが悪くなります。
そのため、筋トレ全般では以下のようなことが重要になります。
-
メインターゲットを明確に意識する。サブで負荷の掛かる筋肉も把握し、意識する。正しいフォームで狙った部位に負荷を掛ける。全身をバランスよく鍛えるために、トータルで全身に負荷が掛かる筋トレメニューを組む。なるべく大きい筋肉をメインターゲットに、広範囲に負荷の掛かる筋トレメニューを取り入れる。小さい部位に特化した筋トレは、こだわりができてから、または筋肉がある程度発達してから弱点克服のために取り入れる。
これらの注意点を守って筋トレを行えば、より効率的にバランスよく筋肉を大きくしていけます。
10.食事にも気を付ける
当たり前ですが、いくら広背筋を鍛えても摂取カロリーが足りていないと筋肥大しません。タンパク質を多く摂取すれば筋肉が付くと考えている人もいますが、糖質や脂質もないと筋肉は大きくなりません。
基本的に炭水化物は摂取カロリーの大半を占めますし、タンパク質だけで同じカロリー摂取量にすることはできません。仮にタンパク質ばかり大量に摂取できたとしても、消化吸収が追い付きません。炭水化物はインスリンの生成に必須で、インスリンはタンパク質の消化吸収を助けます。
そのため、タンパク質と炭水化物が組み合わさることで筋肥大に高い効果を発揮するのです。また、脂質は筋肉を作るために重要なホルモンであるテストステロンを作ります。脂質が不足するとホルモンがうまく生成されずに筋肥大の効果が落ちるので、せっかくの筋トレが無駄になります。
食事は、タンパク質・糖質・脂質・ビタミン・ミネラルをバランスよく摂るように心がけましょう。
10-1.関連記事
11.まとめ
広背筋の筋トレメリット、筋トレメニュー、筋トレの際に気を付けるべきことなどを紹介してきました。筋トレはやれば良いというわけではなく、ぜひ効率的なメニューを組んで、筋肥大させていってください。また、筋トレと併せて摂取カロリーを増やすことも重要です。
イラスト/ハヤシナオユキ