希少種!停滞期に試すべきプレス系大胸筋トレーニング5種目
今回の記事の最後に紹介するコアベンチプレスに関しては目からウロコレベルの論文が登場するので、ぜひ確認してください。
youtubeのトレーニング動画でもほぼほぼ見かけない希少胸トレ種目を5種類紹介していきます。今までとは違った刺激で、停滞期を打破できるかもしれまん。日頃のトレーニングにマンネリを感じてる方はぜひお読みください。

1.胸トレ5種目
今回紹介する胸トレは下記5種目です。
あまり聞いたことがないトレーニング種目じゃないですか?僕はほぼほぼ聞いたことがない内容だったので新鮮でしたし、その日のうちに実践してみました。その感想も踏まえてトレーニング内容を解説していきます。また、実際のトレーニング動画も合わせて紹介していきます。
1-1.トレーニングの目的
5種目のトレーニングを合わせて行うことで、多角度から胸筋全体に刺激を与えることができます。これにより、大胸筋を均等にサイズアップさせ、きれいな胸板を作り上げます。
レップ・セット・インターバルを種目によってバリエーションを持たせることで、筋力UPと筋肥大の両方を伸ばしていきます。
重量が挙がらなくなったなどの停滞期では、基本的に筋力向上トレーニングや違った角度からの刺激を筋肉に与えること、もしくは十分な休息や使用ボリュームを落とすこと(オーバーワークが原因の場合)で克服できます。
10レップ×3セットの筋肥大トレーニングだけでは、かならず挙上重量は頭打ちしますし、挙上重量が上がらなくなるとプログレッシブオーバーロード(漸進性過負荷)を維持できなくなります。
筋肥大させるには、筋肥大プログラムだけでなく、筋力UPプログラムも組み合わせていく必要があります。その点で、今回紹介するトレーニングメニューは停滞期打破に有効な方法だと言えます。
2.ボトムスタート・インクライン・バーベルベンチプレス
画像出典:ironmanmagazine.com
2-1.トレーニング内容
文字通り、通常のインクライン・バーベルベンチプレスをボトムポジションからスタートさせるトレーニングです。
ラックのセイフティバーにバーベルをセットして、そこからレップスタート。
トップポジションまでウエイトを押し上げて、ゆっくりボトムまで下ろします。これで1レッップです。
自分が挙上できる最大重量に近いウエイト(90%1RM程度)で行うため、レップのたびに一度フォームをリセットします。こまめにフォームチェックを行い、最大出力が常に出るように心がけてください。
2-2.トレーニングのメリット
ボトムポジションからのスタートなので、バーを胸の上で弾ませたり、反動を使って押し上げることができません。そのため胸筋にダイレクトに刺激を与えることが可能です。
また、低レップで最大出力を発揮するので、筋力向上が狙えます。
2-3.レップ・セット・インターバル
2-4.トレーニング動画
2-5.実践した感想
面白いけど、難しい。
僕が日頃行うのは通常のフラット・バーベルベンチなので、手幅をどのラインに持ってくるか調整する必要が出てきました。
はじめは、フラットベンチと同じ手幅で握りましたが、ひじ・肩に若干の違和感を感じたので、そこから指1本分内側に寄せました。結果バッチリ。満足いくトレーニングを行うことができました。
また、「正確なフォームで1RMに近いウエイトを爆発的に押し上げる」というトレーニングは筋力向上に大きく貢献してくれそうで、これからもトレーニングメニューに取り入れていきたいと思いました。
3.ダンベルプレスとフライのインセット・スーパーセット
画像出典:ironmanmagazine.com
3-1.トレーニング内容
「インセット・スーパーセット」という言葉をはじめて聞いたので、最初は理解できませんでした。
通常のスーパーセットは拮抗する2つの筋肉の種目をインターバルなしで連続で行うトレーニング法ですが、今回は大胸筋という1つの筋肉をターゲットとして、2つの種目を1レップずつ交互に行います。なので「インセット・スーパーセット」です。
組み合わせる種目は、ダンベルプレスとダンベルフライで、使用重量はダンベルフライで13-15レップ行えるウエイトで行います。
通常のスーパーセットの例
ケーブルカール(上腕二頭筋) 10レップ
ケーブルプッシュダウン(上腕三頭筋) 10レップ
を連続で行う。これで1セット。
3-2.トレーニングのメリット
通常のスーパーセットとは違い、対象筋の緊張を長時間維持することになるので、大量の血液が筋肉中に閉じ込められ強烈なパンプアップ感を得ることができます。
パンプアップが筋肥大につながる理由
FST-7トレーニングでもあるように、筋膜を極限まで引き延ばすことで筋線維が肥大するスペースができ、筋肥大を起こすと言われています。対象筋へ大量の血液を送り込むことで筋膜をストレッチさせることができます。
3-3.レップ・セット・インターバル
1種目8-10レップなので2種目合計で16-20レップ行います。
3-4.実践した感想
確かに、パンプアップ感を強く感じました。最初は1レップずつ交互に行うので混乱しましたが、すぐに慣れました。
僕は、より強いパンプアップ感を得るために、このスーパーセットの直後にチューブフライを追加で行いました。バキピチでした。最高です。
4.ロープーリー・プッシュアップ
画像出典:ironmanmagazine.com
4-1.トレーニング内容
ケーブルマシンを使って、ロープーリーで両脇から負荷をかけながら、拳を立ててプッシュアップを行います。ケーブルクロスオーバーで8-10レップ行える重量を設定します。
胸筋に常に力を入れ続け、腕が外側に引っ張られないように注意します。
これ以上続けたら、両腕が開いてしまうというところまで追い込んだら終了です。
4-2.トレーニングのメリット
胸筋に常に力を入れ続ける必要があるので、インセット・スーパーセットと同じく強烈なパンプアップ感を得ることができます。
4-3.レップ・セット・インターバル
4-4.実践した感想
僕はホームジムなのでケーブルマシンがありませんが、トレーニングチューブを代用して行いました。
常に力が入っている状態なので予想以上にキツい!少しの工夫で、単純なプッシュアップ動作が高強度トレーニングに生まれ変わりました。
限界レップまで追い込むので、間違いなく刺激は入ります。胸トレ最後の追い込み種目として需要がありそうなトレーニングです。
5.シフティンググリップ・ベンチプレス
画像出典:ironmanmagazine.com
5-1.トレーニング内容
「シフティング」は移すとか移動するという意味で、「シフティンググリップ・ベンチプレス」は、要するに1レップごとに手幅を徐々に変えながら行うベンチプレスの事です。
トレーニングの流れ
1.ベンチプレスを行う際に、ノーマルグリップから1レップごとにボトムポジションで手幅を指1本分内側へ移動させ押し上げます。徐々に刺激が胸筋の外側から内側へ移行していきます。
2.その後、完全にクローズドグリップの位置まで手幅が変わったら、今度はノーマルグリップの位置まで手幅を徐々に広げていきます。ノーマルグリップのポジションまで広がったら終了です。
使用重量は、60%1RM程度、通常のベンチプレスが20レップほどできる重量が目安です。
5-2.トレーニングのメリット
大胸筋内側の盛り上がりは、胸板の形作りには欠かせないポイントですよね。その部分に強い刺激を与えることができたら最高です。このトレーニングの目的はソコです。
画像出典:Muscle Premium(Macアプリ)
大胸筋は上記画像のように胸の中心から上腕骨にかけて横に筋繊維がつながっています。横に筋繊維がつながっていますので、内側だけに刺激を入れようとしても、それは不可能なのです。
そういった点からも難しいとされている「胸筋内側への刺激」ですが、「通常の胸トレ種目に比べて胸筋内側への刺激を高める」ということはできます。それがこの種目です。
5-3.レップ・セット・インターバル
5-4.トレーニング動画
5-5.実践した感想
痛い…笑。
ボトムポジションの位置がみぞおちあたりなので、バーベルを置くと痛い。
最初なのでまずは40キロで実践したんですが、それでも痛い。バーをガッツリ胸に置かずに、軽く支える程度に置いて、やろうとすると、それだと手幅を変えるのが難しくなるという手詰まり感。
それで、僕が考えた策が、スクワットパッドを付ける!という方法でした。これだと痛くない☆ということで、この方法でやってみたところ、できることはできました。
しかし、1レップごとに手幅を変えるので、ボトムポジションももちろん変わりますしウエイトをコントロールする微調整が必要でした。そんなこんなで、慣れていないことも相まって、肩に負荷が入っちゃいました。胸筋の内側とか感じてる余裕なく終了です。
その直後にチューブフライをやってみたんですが、こっちの方が断然内側に効いてる感じしましたね笑。
ということで、シフティンググリップ・ベンチプレスは僕的には不採用です。
6.コアベンチプレス
画像出典:ironmanmagazine.com
6-1.トレーニング内容
このトレーニング自体は見たことや、やった事がある人は多いのではないでしょうか。両足を床につけずにベンチ台にのせて行うベンチプレスです。上記写真はダンベルプレスですが、バーベルプレスでもどちらでもOKです。
通常のベンチプレスと比べてバランスをとる必要があるので、最初は軽い重量から、慣れてくれば通常のベンチプレスで扱っている重量と同程度のウエイトで行います。
6-2.トレーニングのメリット
姿勢を安定させるため体幹部分に力を入れ、緊張させておく(アイソメトリック収縮)必要があります。その効果で腹筋への刺激ももちろんですが、それが胸筋を含めた胴部全体に波及することで、通常のベンチプレスに比べて、大胸筋へのより強い刺激を得ることができる。というのがこのトレーニングのメリットです。
まとめると、
通常のベンチプレス
大胸筋のコンセントリック収縮(短縮)とエキセントリック収縮(伸長)
コアベンチプレス
大胸筋のコンセントリック収縮(短縮)とエキセントリック収縮(伸長)
+胴部全体のアイソメトリック収縮
太文字部分の負荷が追加されるので、コアベンチの方が刺激的には強いよね。って話です。
6-3.レップ・セット・インターバル
6-4.トレーニング動画
上記の動画は、2019年6月に発表された論文を元にコアベンチについて解説しています。
論文の内容
4年間のベンチプレス経験がある平均23歳前後の健康的な若者を20人集めて、通常のベンチプレスとコアベンチプレスを60%1RMの重量で実施してもらう。
その時の大胸筋、前三角筋、上腕三頭筋、前腕、腹直筋、外腹斜筋、大腿直筋の筋電図活動化のレベルを評価して比較する。
画像出典:www.ncbi.nlm.nih.gov
上記画像は、測定結果をグラフ化したものです。黒が通常のベンチプレス。グレーがコアベンチプレスです。
左から、大胸筋上部(PMUF)、大胸筋中部(PMMF)、大胸筋下部(PMLF)、三角筋前部(AD)、上腕三頭筋(TB)、前腕(FA)、腹直筋(RA)、外腹斜筋(EO)、大腿直筋(RF)、です。
全ての部位で、コアベンチプレスの方が大幅に数値が上回っていることがわかります。コアベンチプレスの方が筋肉が活性化したという事です。
コアベンチを調べていく中で、この論文を発見したんですが、正直この結果には驚きました。コアベンチの可能性を感じますね。
6-5.実践した感想
実際にコアベンチを実践しましたが、確かに体幹部への刺激は強かったです。
僕は日頃アブローラーをやるんですが、コアベンチの日はやらなくても良いんじゃないかと思えるほどの効きでした。
大胸筋に関しては、感覚として実感するレベルではありませんでした。
今後も継続して調査していこうと思います。
7.まとめ
1.ボトムスタート
2.インセット・スーパーセット
3.コアベンチプレス
この3点に関しては、僕の中で大きな収穫でした。
特にコアベンチプレスに関しては、思わぬ収穫でビックリしたと共に、大きな可能性を感じました。
コチラからは以上です。