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腹筋の割り方を徹底解剖①【大原則と基礎知識と疑問解決編】

abdominal-diet-abs-workout

男女問わず、誰しも手に入れたい引き締まったお腹周り!今回は、腹筋を割るにあたって必ず抑えておきたい重要ポイントをエビデンスと共にわかりやすく解説していきます。

腹筋を割りたい初心者の方は必見の内容です。腹筋についての疑問に答えながら、わかりやすく端的に説明していきます。

記事の信頼性

NSCA認定パーソナルトレーナーです。(管理人プロフィール)

参考文献1(natsume.co.jp)

参考文献2(ncbi.nlm.nih.gov)

参考文献3(ncbi.nlm.nih.gov)
参考文献4(topics.smt.docomo.ne.jp)

腹筋について基礎的な内容をより詳しく知りたい方は下記記事で紹介していますので、合わせてご覧ください。

1.腹筋を割るための基礎知識

1-1.大原則

腹筋を鍛えて大きくする!
お腹周りの脂肪をなくす!

腹筋を割るために必要な要素はこの2点に尽きます!難しく考える必要はありません。

 

 

2.腹筋を鍛えて大きくするには

Abs training

腹筋を鍛えて大きくする!」には、トレーニング強度と栄養と休養が大切です。

 

2-1.トレーニング強度

トレーニング強度の目安は

1種目につき、6〜12回×3セットがギリギリできる強度で行う
合計で週10-20セット行う
です。

筋トレ全般に言えますが、一般的には、これが最も筋肥大するボリュームです。筋肉はトレーニングボリュームが少なすぎても多すぎてもうまく筋肥大してくれません。

ボリュームがありすぎると回復が追いつかないので、適度に休養を取りながら上記範囲でトレーニングを行っていきましょう。

正しい腹筋トレーニング例

月曜:A種目(3セット)、B種目(3セット)
火曜:休み

水曜:B種目(3セット)、C種目(3セット)

木曜:休み

金曜:A種目(3セット)

土曜:休み

日曜:休み

週合計15セット

10回×3セットが余裕でできるなら、そのトレーニングは強度不足ということになります。強度を上げましょう。

 

2-2.栄養

筋肉は鍛えるだけでは大きくなりません。筋肉の栄養を補給する必要があります。それがタンパク質です。

1日のタンパク質摂取量の目安としては「体重(キロ)×1.5〜2.0g」です。

例:体重80キロのタンパク質摂取量/日

120〜160g

僕がまだ食事(タンパク質)の重要性を理解していない頃に、1ヶ月必死にトレーニングして1gも筋肉が増えなかったという経験をしたことがあります。本当に1gも増えませんでした。

これは本当に衝撃で、それ以降、タンパク質を意識的に摂るようになりました。そこから爆発的に筋肉が増え始めました。

肉・魚・大豆類・卵・乳製品がタンパク質食材です。食事で足りない場合は、プロテインで補給しましょう。プロテインの摂取タイミングは「朝起きてすぐ・トレーニング後・寝る前」などおすすめです。

1日の摂取カロリーやタンパク質量を把握するにはアプリが便利です。一昔前はネットで食材の栄養成分を検索してExcelやメモ帳に記録するやり方が一般的でしたが、アプリでやると100倍簡単に栄養管理ができます。

僕も使っているオススメアプリは「カロリDiet」です。有名なカロリー管理アプリに「あすけんダイエット」もありますが、会員登録する必要がありますし、食材や料理メニューごとのPFCバランス(タンパク質・脂質・炭水化物)がわからないので却下です。

「カロリDiet」は食べたものを簡単に記録でき、1日のカロリー収支やPFCバランスを把握するのにかなり役立ちます。このアプリでカロリー収支をマイナスにし続けさえすれば確実に痩せます。

 

2-3.休養

トレーニングで筋肉を追い込み、食事で栄養をとったら、最後は休養です。筋肉の事を休ませましょう。

次のトレーニングまで必ず間隔をあけてください。この期間は個人差がありますが、初心者の方は、はじめは3日ほど間を空けても問題ありません。

そして、7〜9時間きっちり睡眠をとります。運動習慣がないデスクワーカーの人は、脳と体の疲労バランスが崩れている方が多いので、カラダを動かすようになれば、以前より格段に寝付きが良くなりますし、睡眠の質も向上します。

これで腹筋を割る大原則の1つ目「腹筋を鍛えて大きくする」の解説は終了です。続いて、大原則の2つ目「お腹周りの脂肪をなくす」を解説していきます。

 

 

3.お腹周りの脂肪をなくす

Abs-basic-knowledge

3-1.目安となる体脂肪率(男性)

腹筋を割るためには、お腹周りの脂肪を落とすことが非常に重要です。いくら腹筋が筋肥大していても分厚い脂肪がのっかっていると筋肉が見えてきません。部分痩せは基本的にはできないと考えて、全身の体脂肪をとにかく落としましょう。

男性の場合、目指すは体脂肪率15%以下!

15%以下で腹筋が割れてない人は、腹筋の筋肥大が足りていません。

 

3-2.目安となる体脂肪率(女性)

女性の場合、目指すは体脂肪率20-23%!

女性の場合、「体脂肪率が18%以下になると半数が排卵が止まる」「17%以下だと低体重児が生まれやすい」「15%以下だと妊娠確率が大幅ダウン」「10%以下だと自然妊娠はほぼ不可能といった報告が専門機関から出ています。女性の体脂肪率はホルモンバランスや月経周期などに大きく影響するので注意が必要です。

 

3-3.脂肪を落とす方法

脂肪を落とす方法2種類

1.有酸素運動(ランニングなど)

2.食事制限

脂肪を落とす方法は2種類あります。有酸素運動と食事制限です。僕のおすすめは食事制限です。

ランニングなどの有酸素運動はカロリー消費量が大きくダイエットには効果的なトレーニング方法です。しかし「腹筋を割る」などのボディメイクの観点から考えるとデメリットも多い方法だと言えます。

 

3-4.有酸素運動のデメリット

2012年に発表された最も信用性の高いメタアナリシスの論文では、 「筋トレのみを行ったグループ」と比較して「筋トレ+持久力トレを行ったグループ」では筋肥大効果が30%ほど低下したという研究結果が発表されました。(参考文献2)

なぜここまで筋肥大が阻害されてしまうのかというと、2014年に発表された論文で、有酸素運動によりAMPKという酵素が活性化することが原因だと報告されました。この酵素は筋タンパク質の合成をストップさせる働きがあるということです。(参考文献3)

ということは、

筋トレと有酸素の関係

筋トレ「筋タンパク質の合成をオン!さぁ栄養ちょうだい!筋肉を増やすぞ!」

有酸素運動「エネルギーを作らなくちゃいけないから、筋タンパク質の合成は一旦オフにさせてね!」

みたいな感じで、筋トレの努力が無駄になってしまうのです。僕も、有酸素運動をやめてから明らかに筋肥大スピードが向上しました。

管理人の経験談

ボクがまだトレーニング歴が浅い初心者の頃、ジムのトレーナーさんに筋トレ後の有酸素運動を推奨されました。ボクは、真面目に取り組み、筋トレ後には必ず有酸素をして帰っていました。

しかし、ある時期からベンチプレスの重量が75キロで頭打ちになり伸びなくなりました。結局、1年間のパーソナルトレーニング期間でその限界を超えることなく、ジムを退会しました。

その後、ある程度知識を得て、有酸素運動を一切やめて1ヶ月ほど筋トレを頑張ると、あんなに苦労していたのが嘘のように一気にMAX重量が10キロほど伸びました。

 

3-5.女性の場合の例外

上の話は、ボクも含めて男性にはかなり当てはまる内容なんですが、女性の場合は少し話が違ってきます。

女性の場合はそもそも男性と比べて筋肉が付きにくいので、筋肥大に重点を置くよりも、脂肪燃焼に重点を置くほうが効率が良いとボクは考えます。

そこで、筋トレ後は脂肪の分解が活性化されるので、その作用を利用して有酸素運動を行い、脂肪をより多く燃焼するという方法が女性には有効です。

筋肉がそもそも付きにくいので筋肥大を多少犠牲にして、脂肪燃焼を優先させるという方法です。

 

3-6.減量スピードの目安

目安としては、1日のカロリーギャップ(消費カロリー>摂取カロリー)を500kcal程度に抑えて1ヶ月で1-2キロの減量がおすすめです。カロリーギャップが大きすぎると、筋肉の栄養が足りなくなってしまいます。また、メンタル面の息抜きも兼ねてオーバーカロリーの日が1週間に1、2度あっても問題ありません。その日は筋肉に栄養を補充する日だと割り切って過ごしてみましょう。

1日500kcalという数字は、1ヶ月で15000kcalです。脂肪組織1kgに蓄積されているエネルギーは約7000kcalなので、15000kcalは体脂肪2キロ分です。かなり肥満体質の方でも1年続ければ24kg分にもなる数字なので、十分ではないでしょうか。

 

3-7.一気に落としたい!

例えば、「1日のカロリーギャップを1500kcalにして、1ヶ月で45000kcal消費するぞ!そうすれば一気に脂肪6.5キロ分の減量成功だ!」と考える方もいるかもしれませんが、それはやめてください。

1kgあたりの蓄積エネルギー

脂肪組織(体脂肪):7000kcal

除脂肪組織(筋肉や内臓など):1000kcal

減量スピードが急激であればあるほど、除脂肪組織(筋肉7割)の減少割合が大きくなります。

レスリング選手の急速減量では、1,507kcalのエネルギー不足で体重が1kg減少したことが報告されています。

引用:NSCAジャパン機関紙2020 4月号 大阪体育大学 岡村浩嗣教授著 「ジムで運動する人の栄養と食事」

上の例で考えると、600kcal分の脂肪組織が消費され、900kcal分の除脂肪組織が消費され、合計1500kcalを消費したことになります。これをgに直すと、脂肪組織が85g、除脂肪組織が900g。合計985g(約1kg)になります。

これは体重1キロ減のうち脂肪は85gしか含まれておらず、筋肉が630g落ちたことになります。

このように短期間の急激な減量はデメリットでしかありません。

ゆるく脂肪を落としていきましょう。

 

 

4.腹筋についての疑問

question

4-1.腹筋する意味ない?

意味はかなりある

「スクワットなどの全身トレーニングでも腹筋は使うので、腹筋トレーニングを個別でやる必要はない」という意見を良く耳にしますが、やる意味は大いにあると思います。

腹筋も他の筋肉と同じで鍛えれば筋肥大します。補助的な刺激だけでは腹筋に十分な厚みは生まれません。十分な厚みがないと綺麗なシックスパックは作れません。

 

4-2.腹筋は毎日すべき?

毎日する必要はない。むしろ毎日できる方がおかしい。

2-1.トレーニング強度の章で解説しましたが、トレーニングには適切な強度というものがあります。「毎日腹筋100回!」みたいなトレーニングはかなり非効率です。

詳しくは2-1.トレーニング強度の章をご覧ください。

 

4-3.腹筋しても筋肉痛がないけど大丈夫?

筋肉痛は必ずしも起こる必要はない。

一般的に筋肉が伸びた状態で負荷がかかると筋肉痛が起こりやすいと言われています。またトレーニング経験が浅い初心者の方が経験者より筋肉痛が起こりやすいです。

正しいトレーニング強度やボリュームで行えていれば、筋肉痛がなくても心配する必要はありません。むしろ筋肉痛を追い求めてトレーニングボリュームを増やしすぎるとオーバートレーニングで筋肥大しません。

トレーニーが陥りやすいポイントなので注意してください。

 

4-4.腹筋の速筋と遅筋の割合は?

54%:46%

腹直筋の場合、速筋と遅筋の割合は、54:46で速筋優位です。(参考文献1)

なので「腹筋は遅筋割合が高いから高回数トレーニングでもOK」というのは間違いで、筋肥大させるためには、2-1.トレーニング強度の章でも解説しましたが、高負荷低回数で行う必要があります。

 

4-5.腹筋トレーニングの消費カロリーは?

だいたい7〜8キロカロリー

そもそも、筋トレ中にカロリーを消費しようとするのはナンセンスです。筋トレによるカロリー消費の恩恵は、筋トレ後に起こるアフターバーン効果や筋肉量の増加における基礎代謝量の増加などが挙げられます。

アフターバーン効果とは、筋トレ後〜最大72時間の間カロリーが消費され続ける現象のことで、筋トレ中の消費カロリーの19倍にもなると言われています。(参考文献4)

 

4-6.腹筋トレはクランチだけでOK?

負荷が足りていればOK

2-1.トレーニング強度の章で解説したトレーニング強度の範囲内であれば問題ありません。

 

4-7.EMSマシンはどう?

自宅で補助的に使うのならOK

EMSマシンは、ホントに該当部位のみしか刺激が入らないので、それでも良ければ使って鍛えていいと思います。

ただ、「EMSマシン+食事制限」で痩せても、他の筋肉の部位は鍛えてないので、いわゆる「かっこいいカラダ」にはならないでしょう。

自宅で補助的に使うのならOKかなと思います。

 

4-8.普通のクランチで体が上がらない時は?

カラダの状態でやるべきことが変わる

最も優しいクランチ、いわゆる上体起こしが一度もできないという人は、筋力レベルが著しく低いか、もしくはお腹の肉が邪魔しているかでしょう。

前者の場合、一番上まで上がらなくてもいいので、上がる範囲で徐々に行っていきましょう。それに伴って、スクワットや階段昇降、なわとびやジョギングなどの全身運動を行いカラダ全体の筋肉を活性化させましょう。そういった人は少食の可能性が高いのでプロテインでタンパク質を手軽に補給しましょう。これを1ヶ月続ければ劇的にカラダが変わってくると思います。

後者の場合は、まずは邪魔な脂肪を落とすところからスタートします。過体重の方は、通常のレベルの運動でも膝や関節を痛めるリスクがあるので、できればゆっくりとしたウォーキングや水中ウォーキングと食事制限から始めてみましょう。1年-3年ほどの長いスパンで考えて行動しましょう。

 

 

5.まとめ

今回は、「腹筋の割り方を徹底解剖!①」ということで、初心者向けに見落としがちなポイントも踏まえて解説しました。

重要なポイントに絞って端的に説明したつもりでしたが、少し長くなってしまったので、具体的な腹筋トレーニングの中身に関しては、「腹筋の割り方を徹底解剖!②【とにかく効くおすすめトレーニング編】」として、記事にしました。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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