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関節痛の原因と対処や予防法!意外と知らない関節の仕組みをご紹介

関節の仕組みや基礎的な内容から、スポーツやタイプ別に起こりやすい関節痛を例にとって、その原因や対処法を紹介します。また、肩周辺の痛みの予防と強化のための筋トレ法も合わせて紹介します。

1.関節の種類

ここはマニアックな部分ですし、日常生活を送る上で知らなくても支障がない部分なので、簡単に紹介していきます。関節はおおまかに6種類あります。

出典: kango-roo.com

1-1.平面関節

関節は普通、凹と凸に分かれていて、それが組み合わさることでつながっているイメージですよね。

しかし平面関節は、関節の連結部分がともに平面の関節で、可動性もほとんどありません。そのかわり連結している面積が広いので、連結強度がとても強いという性質を持っています。人体の中だと、手の甲や背骨の椎間関節などがそうです。

 

1-2.楕円関節

連結している面積が小さく連結強度は高くないが、球関節の次に可動域が広い関節です。人体の中だと手首の部分にある橈骨手根関節がそうです。手首を上下左右に動かせるのは、この関節のおかげです。

 

1-3.蝶番関節

1つの方向にしか可動しないが、その分連結強度は強い関節です。人体の中だと肘を曲げ伸ばしする肘関節がそれです。腕尺関節とも呼びます。

 

1-4.球関節

関節可動域が人体の中で最も広い関節で3次元に動かせます。そのかわり連結強度が弱いので強靭な靭帯や筋肉で安定性を保っています。人体の中だと肩関節や股関節がそれです。

 

1-5.鞍関節

連結面が、どちらも馬の鞍に似た形をした関節です。可動域は前後左右に動作し、連結強度も安定しています。人体の中だと親指の付け根にある母指手根中手関節がそれです。

 

1-6.車軸関節

円柱の車軸のような形をしており、動きとしては回旋のみです。テーブルに手を置き、手のひらを上にしたり下にしたりといった動き(前腕の回外・回内)で使われます。鍵の開け閉めの動作を思い浮かべるとわかりやすいです

 

 

2.関節の仕組み

上で紹介したように、関節は骨と骨が連結して構成されています。また連結する骨と骨は基本的に密着せず隙間を作って連結しています。もし隙間がなかったら、関節を動かした際に、骨と骨がこすれあって削れてしまうからです。

出典:qlife.jp

2-1.関節の隙間にあるもの

関節を形成している骨と骨の間の隙間には、関節腔(かんせつくう)と呼ばれる空間があり、滑液という液体で満たされています。また骨同士が接触するときの緩衝材としてゲル状の軟骨が骨を覆っています

 

2-2.変形性膝関節症

歳を重ね、この軟骨がすり減ってくると、骨同士がこすれあい関節痛の原因になります。これが起こりやすいのが膝で、変形性膝関節症と呼ばれています。

 

2-3.関節に水がたまる

関節の隙間にある滑液は滑膜と呼ばれる部分から分泌されています。本来なら分泌された滑液が余ると滑膜に再吸収されますが、関節に無理は負荷がかかることで、そのバランスが崩れ、関節内に溜まってしまう現象です。これも膝関節で起こりやすい症状です。

 

2-4.関節の補助装置

関節の適合性や安定性を高める役目がある靭帯と関節半月(半月板)が関節にはあります。靭帯は関節の骨と骨をつなぎ関節の安定性を補強します。関節半月は半月板とも呼ばれ、関節の動きに合わせて変形し、関節面の適合性を高め関節への衝撃を和らげるクッションの役目を担っています。

 

2-5.半月板損傷

ジャンプの着地や膝をひねる動作でバランスを崩したときに、起こりやすい傷害です。膝関節のクッションの役割を持つ半月板は切除すると再生することがないので、手術も難しい場合が多く、一生膝の痛みを抱えて生きていく可能性も出てくる深刻な傷害です。

そういった意味でも、トレーニング時における膝関節のケアは十分に行う必要があります。

 

2-6.うさぎ跳びは最悪のトレーニング

昭和の時代は、学校の体育の授業でも「ウサギ跳び」という運動が取り組まれていましたが、これは膝関節にかなりの負荷がかかる最悪のトレーニング法です。

ジャンプをして、その後、膝を最大限に屈曲した状態で全体重がかかるので、体重の何倍もの負荷が膝にかかります。

また、膝の靭帯も最大限に伸ばされつつ、太ももの骨(大腿骨)がスネの骨(脛骨)にあたるので、軟骨や半月板にも大きな負荷がかかります。

「うさぎ跳び」イコール「膝関節クラッシャー」と覚えておきましょう。

 

 

3.ランニング後に膝の皿の下の痛み

3-1.原因

膝蓋腱炎(膝蓋靱帯炎)の可能性あり
膝蓋腱炎(しつがいけんえん)は別名「ジャンパー膝」と呼ばれていて、バスケやバレーなどのジャンプ動作が多いスポーツ競技に多発する疾患です。

ジャンプ動作を繰り返すことで、膝の皿の下にある膝蓋腱(膝蓋靭帯)に負担がかかり炎症が起きることで痛みが生じます。

ランニングも両足が地面から離れるので、小さなジャンプ動作を繰り返していることになります。

 

3-2.対処

炎症が起きている膝蓋腱は太ももの表にある大腿四頭筋とつながっています。ジャンプの着地動作で大腿四頭筋を酷使したことにより、膝蓋腱が傷んだ可能性が高いので、この大腿四頭筋をストレッチすることが対処法になります。

対処法は動画で紹介しますのでチェックしてみてください。

 

 

4.ランニング中、膝の外側の痛み

4-1.原因

出典:zamst.jp

腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)の可能性あり
腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)は別名「ランナー膝」と呼ばれていて、骨と靭帯が擦れ合うことで起きるスポーツ障害です。

腸脛靭帯は靭帯という名前が付いてますが、正確には筋肉と骨をつなぐ腱です。この腸脛靭帯は太ももの外側を膜状に覆っていて、ランニングのような膝の曲げ伸ばしを繰り返す動作で擦れ炎症を起こします。

腸脛靭帯は、膝の曲げ伸ばしで太ももの大腿骨の一番とがっている部分を行き来するので、どうしてもその動作を繰り返していると擦れて炎症が起きやすいのです。

 

4-2.対処

腸脛靭帯は太ももの外側にある大腿筋膜張筋につながっているので、太ももの外側をストレッチすることが対処法になります。

対処法は動画で紹介しますのでチェックしてみてください。

 

 

5.なんか腰が重い。筋トレ中に腰が痛くなる

5-1.原因

腰痛症の原因は様々とりあえず医師か整骨院に相談しよう

腰痛症は単純な筋肉が原因で起こるモノと、骨や関節に原因がある椎間板性の腰痛があります。腰痛症は椎間板ヘルニアの可能性もあるので、まずは医師にチェックしてもらいましょう。骨や関節に問題なければ、筋トレやデスクワークでお尻、太ももの筋肉が疲労したことで起こっている可能性が高いので、次の対処法を試してみてください。

 

5-2.対処

腰痛の原因は、お尻と太もも前に原因があるようです。まずは太もも前の腰痛ストレッチを紹介します。すごく丁寧な解説でわかりやすいです。

次は、お尻の腰痛ストレッチ動画です。

この2つの動画で実践されている2つのストレッチをやるだけで慢性腰痛が軽くなるなら最高ですね。

 

 

6.ボールを投げるときに肩に痛みが

6-1.原因

出典:medicalnote.jp

腱板損傷の可能性あり
肩の内部(深層)には、インナーマッスルといって、肩の安定性や機能性を高める筋肉が存在します。上の画像を見てもらうとわかりやすいですが、肩の前面に付いている「肩甲下筋(けんこうかきん)」と、肩の背面に付いている「棘上筋(きょくじょうきん)・棘下筋(きょっかきん)・小円筋(しょうえんきん)」です。この4つの筋肉はローテーターカフとも呼ばれています。

これらの筋肉と骨を結びつける「腱」が板状になっている部分のことを「腱板」と呼び、その箇所が損傷することを「腱板損傷」といいます。

上の画像を見ると、棘上筋の上に骨があることがわかります。ボールを投げる際にこの棘上筋が収縮し、上の骨にあたります。この動作を繰り返すことによって、棘上筋が損傷します。

またボールを投げ終わったあとに、肩の動きを止める働きを棘下筋が行っています。この筋肉が伸ばされながら力を発揮する必要があるブレーキ動作で筋肉は壊れやすいので、これも繰り返すと棘下筋が損傷します。

これの繰り返しで傷害へとつながっていきます。軽い腱板損傷なら下記対処法で回復するはずです。肩を上げるのもつらい場合は、腱板が断裂している可能性があるので、医師に診察してもらいましょう。

 

6-2.対処

まずは、炎症や疲労が溜まった肩のインナーマッスルを休ませることが大切です。筋トレやスポーツで肩に違和感や痛みがある場合は、トレーニングを中止し数日は休みましょう。

それと同時に肩痛の予防法として肩甲骨のストレッチを行います。肩甲骨が硬いと肩のインナーマッスルへの負担が大きくなります。

下記動画を参考に行ってみてください。

また肩のインナーマッスルの強化も合わせて行っていきましょう。インナーマッスルは重い重量を使って行う必要はありません。自重やチューブで鍛える方法が主流です。動画を参考に実践してみましょう。

軽い腱板炎症なら、「休息・肩甲骨のストレッチ・インナーマッスルの強化」で回復するはずです。

 

 

7.テニスで肘が痛む

テニス肘の可能性あり

7-1.原因

手のひらを上に向けたときに肘の内側(小指側)が痛むことをフォアハンドテニス肘と呼び、肘の外側(親指側)が痛むことをバックハンドテニス肘と呼びます。

パソコンに向かって1日中キーボードを打ち込む動作や、フライパンを振る動作、テニスはもちろんゴルフなどでも起きる傷害です。

手首の曲げ伸ばしを繰り返したり、何かを握ってその状態をキープするなどの動作で、前腕の筋肉を酷使することが原因です。

 

7-2.対策

前腕のストレッチを行うことが対処法です。前腕の表と裏を交互に伸ばしましょう。テニスやゴルフなど、競技後に習慣化すると効果的です。

 

 

8.肩痛の予防と強化のための筋トレ法

「筋トレしていて、肩を痛めてしまった。」「肩に負担がかからない筋トレ法を知りたい。」といった肩痛難民のために、肩痛予防&強化の筋トレ法を紹介したいと思います。

 

8-1.肩痛の要因

「Strength&Conditioning Journal 2018 12」によれば、ボディビルダーを対象とした傷害調査で調査対象の36%が過去に肩の障害を経験していることが報告されました。

肩関節は1.の章で紹介したように可動域が最も広い球関節であることから安定性が低いことがわかります。またウェイトトレーニングではベンチプレスを筆頭に上半身のトレーニングで、ほぼ肩関節を使用しているので傷害が起こりやすい部位だと言えます。

さらに、大胸筋や背筋の大筋郡の強化と筋肥大に重点を置くあまり、肩の安定性をはかるローテーターカフの強化を軽視した結果、筋肉のアンバランスを招きます。これにより、肩関節を痛めやすくなってしまいます。

 

8-2.肩痛を起こさない肩強化法

ローテーターカフの安定性を強化する必要があるので、メイントレーニングの前にチューブや軽いダンベルを使ったローテーターカフの強化トレーニングを組み込みましょう。

6-2.肩の腱板損傷の部分で紹介した動画を参考にするか、下記動画を参考に「棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋」を鍛えましょう。

棘上筋

棘下筋・小円筋

肩甲下筋

 

8-3.肩痛予防法

肩を強化するために、8-2.では肩のローテーターカフを鍛えるトレーニング方法を紹介しました。これによって大筋郡とのバランスが取れてくると思います。

そして次のステップでは、メイントレーニングにおける肩に負荷がかかりにくい方法を紹介します。

1.バーベルベンチプレス

バーベルベンチプレスを行うときは、グリップ幅を肩幅(肩峰幅)の1.5倍より狭くすることでローテーターカフへの負担が小さくなります。

また他の種目で言えばリバースグリップベンチプレスやディクラインベンチプレス、ダンベルベンチプレスにすることで肩への負担を軽くすることが可能です。

2.ダンベルフライ

肩の高さより肘の高さを常に下に保持するようにトレーニングを行います。またボトムポジションを上げ、過度な水平外転を避けましょう。これはケーブルフライやマシーンチェストフライでも同様です。

肩への負担を減らす場合は、可動域を制限することが有効です。

3.バーベルショルダープレス

両手と両肘を常に肩の前に保持します。ボトムポジションを上げ可動域を制限することも有効です。

4.ラットプルダウン
ラットプルダウンでは、首の後に下ろす方法は肩に負荷がかかるため、やめましょう。上胸部にバーを下ろすように心がけましょう。またアンダーハンドで行う方法もあります。
5.サイドレイズ
肩関節の外転を90度以下に制限します。腕を肩の高さを超えて上げると、ローテーターカフの腱が肩峰に挟み込まれる危険性があります。
6.アップライトロウ

これもサイドレイズと同じく、肩関節の外転を90度以下に制限します。バーの引き上げ位置は乳頭線を上限として動作させましょう。

 

 

9.まとめ

関節の仕組みや基礎的な内容から、具体的な関節痛の原因とその対処法、筋トレにおける肩痛予防強化法を紹介してきました。

関節の酷使や関節トレ・ケアの軽視は、将来自力で歩けなくなるなどの深刻な傷害につながります。

日々のちょっとしたストレッチやトレーニングで十分に予防できるので、関節を正しく理解し、トレーニング・関節ケアを行ってください。

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