2017.08.02 2017.08.02 運動強度を表す「メッツ」ってなに?
「運動」と一言で言っても、軽い運動から激しい運動まで「強度」が異なるので、必要とされるエネルギーは差があります。運動の強度を相対化した単位が「メッツ」です。
目次
1.「メッツ」とは?
ダイエットのために運動に取り組んでいる人なら「メッツ」という言葉を知っているでしょう。「メッツ」とは「Metabolic equivalents」を短縮したもので、運動強度を表す単位です。メッツは活動量の単位として国際的に同じものが用いられています。
人間は横になってじっとしていてもエネルギーを消費します。じっと横たわっている時の運動強度を1メッツとして、身体を動かした時にその何倍のエネルギーを消費しているかを表します。例を挙げると、散歩やウォーキングは3メッツですが、これは静かに横たわっている時の2.5倍の代謝(カロリー消費)が生じているという意味です。
1-1.運動強度と内臓脂肪
内臓脂肪を燃焼させたいなら、3メッツ以上の運動が必要です。マイペースで行うウォーキングから、軽いランニングまでの中~高強度のエクササイズをイメージするとよいでしょう。3メッツ以上の運動は“活発な身体運動”とされていますが、こうしたエクササイズによって、代謝機能が活性化されてメタボ腹が引っ込みます。
ダイエットをして痩せようとする男性は往々にして「激しい運動をしなければ痩せない」と思い込んでいますが、3メッツ以上の運動は誰にでもできる“ゆるい運動”です。そのゆるい運動を数十分間継続して行うことで、内臓脂肪はゆったりとしたペースで燃焼していきます。
2.メッツを使って消費カロリーを計算しよう
2-1.体重とメッツと消費カロリーの関係とは
運動強度メッツを知っていれば、その運動によって消費したカロリーが分かります。どういう運動を行ったら効率的にカロリーが燃焼するのか計算できます。痩せたいと思っているなら、現在の体重と運動強度を知っていれば、内臓脂肪を減らして目標体重に近づくための参考になるでしょう。
1.05×メッツ×時間×体重(kg)=消費カロリー
2-2.メッツを使った計算の例
あなたの体重が70㎏で、毎日2時間のウォーキングをします。ウォーキングの運動強度は速度にもよりますがここでは、3.5メッツとします。
1.05×3.5メッツ×2(時間)×70(㎏)=514.5キロカロリー
体重が70㎏ある男性と、体重が50㎏しかない男性を比較すると、同じ強度の運動を同じ時間行っても、70㎏ある男性のほうがかなり多めにカロリーを消費します。運動強度メッツに関しては国立健康・栄養研究所の公式ウェブサイトに一覧表が載っています。
1メッツ | 横になって安静にしている状態 |
3メッツ | ゆっくりとした散歩・歩く・軽い筋トレをする・掃除機をかける |
4メッツ | 速歩・ゴルフ(ラウンド)・自転車に乗る・子供と屋外で遊ぶ・洗車するなど |
6メッツ | 軽いジョギング・エアロビクス・階段昇降など山歩きなど、ちょっと負荷の高めな運動、中程度の運動 |
8メッツ | 長距離走を走る・クロールで泳ぐ・重い荷物を運搬するなど |
2-3.「EX(エクササイズ)」という新しい単位も
最近では「運動量」を表すのに「メッツ×時間」=「EX(エクササイズ)」という単位も使用されるようになりました。2006年から厚生労働省が作成した運動目標にはこの「EX(エクササイズ)」という単位が記載されています。ウォーキング(3メッツ)を1時間した場合は3メッツ×1時間=3EX(エクササイズ)という風に表記します。
3.メッツを用いればオーダーメイドの運動レジュメが作れる!
ダイエットしたい男性向けには、メッツの高い運動とメッツの低い運動のどちらが良いのでしょうか。時間が有り余っている高齢男性ならともかく、メッツの低い運動を長時間続けても「あまり痩せなかった」という男性の方が多いのではないでしょうか。
有酸素系運動の強度は「心拍数」で測定します。最大心拍数はスポーツジムにあるエアロバイクなどで簡単に測定できます。心拍数が上がる運動はそれだけメッツが高い運動です。激しい運動は、緩やかな運動に比較して、心臓の動きが早くなります。心拍数が上がればそれだけ燃焼カロリーも多くなります。
3-1.体脂肪をもっとも多く燃焼させる心拍数とは
体脂肪をもっとも多く燃焼させる心拍数は最大心拍数の60%くらいの「低い負荷」であるという説が有力です。最大心拍数の60%程度の負荷とは、あまり重くないエアロバイクをこぐとか、早歩きとか、ゆったりとしたランニングのような運動です。確かに最大心拍数に近づけば近づくほど、ハードな運動になりますので、そんな運動を20分以上も続けてはいられない…という声もあるでしょう。しかし上記のメッツと体重と時間と消費カロリーの計算式を見れば、ハードな運動の方が単位時間に燃焼させることができるカロリーの値は明らかに大きくなります。
3-2.忙しい自分にとって最適な運動強度を知ろう
低すぎる負荷で長時間運動しても、あまりダイエット効果が無いこともよく承知しておくべきでしょう。しかしハードすぎて10分も同じペースで続けられない運動はダイエット向きとは言えません。少なくとも短くても20分間は続けられる運動で、自分にとって最もハードな強度が、ダイエットに最適かもしれません。
最大心拍数の60~75%くらいの運動強度で、20~45分間以上続けられる運動とは何か?各自が調べてみるとよいでしょう。そうすれば時間が無い忙しい日でも、お昼休みに30分間、その運動強度で身体を動かせば、きちんとダイエットの結果が出るのです。
4.まとめ
忙しいビジネスマンにとっては30分間のスキマ時間に出来る運動をいくつか自分で見つけておくと、毎日の生活に「ダイエットに打ち込む時間」を取り入れることが出来て、体重のコントロールや自尊心を高めることに貢献してくれます。低い負荷で行う運動を長時間続けるのは、活動的な男性には逆に退屈に感じられることもあります。かといってパワートレーニングではないのですから、同じペースで20分間以上、一つの運動を継続し続けないと体脂肪が燃焼モードに入りません。そういう事情を勘案しながら、自分のためのエクササイズレジュメを作成しましょう。