筋肥大するための適正負荷は?速筋と遅筋を正しく理解し筋トレしよう
筋肉には遅筋と速筋がありますが、筋肥大に重要なのは速筋です。そして、速筋を肥大化させるのは、高負荷低回数が基本となります。10回が限界くらいの負荷がベストで、その負荷を筋肉に掛けることで速筋をフルに稼働させられます。逆に低負荷高回数の筋トレは遅筋がメインの有酸素運動になります。
1.筋肥大には高負荷低回数
1-1.速筋と遅筋の違い
速筋と遅筋の違いは、ボディビルダーとマラソンランナーの違いで考えるとわかりやすいです。ボディビルダーは極端に高負荷低回数の筋トレを行い、マラソンランナーは長距離を走るので、低負荷高回数のトレーニングと同じです。一流のボディビルダーや一流のマラソンランナーはかなりのカロリーを摂取していますが、これほど体型に差が出るのはトレーニングの違いからです。他の種目のアスリートはだいたい有酸素運動も無酸素運動も行うので、遅筋も速筋もそれなりに発達しています。
1-2.筋肥大は高負荷低回数
筋トレを行っている人の多くは、ボディビルダーのトレーニングを真似ると良いでしょう。もちろんそこまで筋肥大することは難しいのですが、ボディビルダーの真似をすることでそれなりに筋肥大させることができます。高回数低負荷で狙った筋肉に負荷を掛けることによって、筋肉を大きく成長させられます。
ちなみに、高負荷低回数の筋トレで速筋に負荷を掛けられますが、栄養が足りていないと筋肉は成長しません。タンパク質ばかりに注目されがちですが、炭水化物が不足するとタンパク質の吸収効率が落ちますし、摂取カロリー不足になります。タンパク質だけでオーバーカロリーにしても吸収できませんし、胃腸に大きな負担が掛かります。
そのため、筋肥大するためには高負荷低回数で速筋繊維を破壊し、その後炭水化物を中心にしっかりと食べることです。
筋肥大における典型的な間違い
筋トレが低負荷高回数(1セット40回以上)になっており、また食事がタンパク質ばかりになっている。
2.低負荷高回数だと筋肥大できないのか
基本的には高負荷低回数の筋トレが効率的でベストですが、低負荷高回数でもある程度は筋肥大できます。あまりにも負荷が小さく回数が多い筋トレはマラソンランナーのランニングと同じで有酸素運動になってしまいますが、ある程度負荷が大きければ無酸素運動になります。たとえば、30回が限界の運動は、十分に無酸素運動なので、筋肥大が可能です。10回が限界の運動よりは有酸素運動の要素が入るので、持久力アップの効果が高まります。
3.高負荷低回数と低負荷高回数の効果は実験されている
3-1.最大筋力、筋持久力の点で差が出た
低負荷高回数の筋トレ効果に関しては、いろいろと実験されています。つまり、完全に科学的に解明されているわけではない、ということですね。同じくらいの体型の被験者を集め、高負荷低回数の筋トレを行うグループと、低負荷高回数の筋トレを行うグループにわけて筋トレする実験がアメリカの大学で過去に行われています。他にも各所で実験は行われていますが、どこでも結果は同じです。結果としては、筋繊維の太さは変わらないが、最大筋力、筋持久力の点で差が出た、となりました。
3-2.10回限界 = 30回限界
最大筋力は高負荷低回数の筋トレを行ったグループの方が高まり、筋持久力は低負荷高回数のグループの方が高まりました。最大筋力アップの観点では高負荷低回数が良いのですが、低負荷高回数もメリットがあるということですね。しかし、最大の謎は筋繊維の太さが変わらなかったという点です。予測される理由としては、多少の高負荷低回数と、低負荷高回数ではそれほど筋繊維の太さに影響を与えない、ということでしょう。
たとえば、10回が限界の筋トレと、30回が限界の筋トレではそれほど筋繊維の太さに影響を与えない、ということです。もちろん100回が限界の運動を行えば、10回が限界の筋トレを行うよりも筋繊維の太さは細くなるでしょう。短距離ランナーは普段100回が限界程度の運動を行っていますが、それでもそれなりに筋肥大しています。もちろん個別に筋トレは行っていますが、そこそこ厚みがあって、速筋メインで遅筋も多少発達した体型をしています。
4.まとめ
筋肥大を目指すなら高負荷低回数の筋トレを行い、摂取カロリーを増やす、ということでした。しかし、多少の低負荷高回数なら筋肥大の効果はあり、自重でも最大限負荷を掛ければある程度筋肥大できます。まだまだ解明されていないこともあるので、理論を押さえつつも、気にし過ぎずにトレーニングに励むバランス感覚が必要ですね。
筋トレ理論をまったく無視するのは論外ですが、神経質にこだわりすぎる必要もないということです。食事も筋トレも神経質になるのではなくて、ある程度理論に従っていくことで十分です。