筋トレすれば薄毛(AGA)を防げる!かもしれない。
「毛深い人は男性ホルモンが多いから薄毛になりやすい」「筋トレすると男性ホルモンが活発になるから薄毛になる」巷にはこういった噂が流れています。しかし、これは本当に科学的根拠があるのでしょうか?もしあるのならどういったメカニズムでしょうか?
この記事では、薄毛のメカニズムをテストステロン、ジビドロテストステロン、5αリダクターゼといったAGAに関わる分泌物質と絡めて解説していきます。
1.まずはAGAを科学的に説明しているサイトから引用
まず初めに、AGAについて詳細に解説しているサイトからAGAのメカニズムについての解説を引用します。
AGA(男性型脱毛症)は、男性ホルモン(テストステロン)が薄毛の原因となるジヒドロテストステロン(DHT)に変化してしまうことで発症します。
5αリダクターゼという成分に、男性ホルモンをジヒドロテストステロン(DHT)に変換してしまう作用があるのです
引用:AGAとは
AGAについて解説しているサイトは数多くありますが、AGAの原因の根幹はこれだけです。ただしこれだけだとよく意味がわかりませんよね。もう少し詳しく見ていきます。
2.AGAの仕組みを詳細に解説!本当の敵は5αリダクターゼだった
上で引用した文章についてですが、まずは簡単に用語説明。
2-1.テストステロン
善玉の男性ホルモンで、以下のような働きがあります。
-
筋肉を発達させる
-
前向き思考にする(脳内の神経伝達物質が整うため)
-
代謝の活性化
-
成長ホルモン分泌
- つまり、テストステロンは全身の機能向上に役立ちます。
- 「筋トレなどの運動・普段から前向きな精神でいる・健康な生活を送る」といったことでテストステロンの分泌量は増えます。
2-2.ジビドロテストステロン
悪玉の男性ホルモンで、以下のような働きがあります。
といった作用があります。
体毛が濃いと薄毛が進行する、といったことがよく言われますが、それはどちらもジビドロテストステロンが原因だからですね。
2-3.5αリダクターゼ
テストステロンをジビドロテストステロンに変換する酵素。薄毛の進行を食い止めるには、この5αリダクターゼを抑制する必要があります。
2-4.テストステロンは抑えた方が良い?
見ての通り、テストステロンは良いことばかりですよね。心身ともに健康を増進させます。しかし、もしかしたらテストステロンも抑えた方が良いのでは?と思われた方もいるかもしれません。
そもそもテストステロンがなければ5αリダクターゼがテストステロンをジビドロテストステロンに変えることもないですもんね。しかし、これは大きな間違い!なぜ間違いなのか解説していきます。
3.テストステロンの量は関係ない!少量でも薄毛になる
3-1.図式
ここまでの話を簡単に図式化すると、
ということです。そして、ジビドロテストステロンが直接的な薄毛の原因になります。しかし、ここでテストステロン値を下げようとするのは大きな間違いなわけです。
3-2.テストステロン量≠5αリダクターゼ量
理由としては、テストステロンがごく少量でも、5αリダクターゼの作用によってジビドロテストステロンは存分に発生するからです。男性であれば誰でもテストステロンはあり、また女性にもあります。テストステロンはごく少量でも5αリダクターゼと結びつけば薄毛の進行に十分なジビドロテストステロンが生成され、逆に言えばテストステロンが多少増えても5αリダクターゼと結びつく量は変わらない、ということになります。
3-3.テストステロンは増やすべき!
むしろ、テストステロンが増えると5αリダクターゼの量は減少し、結果的にジビドロテストステロンの量は減るというデータもあります。5αリダクターゼはテストステロン値が下がると減ってきたテストステロンをジビドロテストステロンに変える傾向にあるので、テストステロンはむしろ増やした方が薄毛の進行を食い止められます。
ちなみに、
5αリダクターゼを増加させる原因
父親からの遺伝
先祖からの隔世遺伝
タバコなどの生活習慣
ストレス
3-4.テストステロン減少→ジビドロテストステロン増加
ここでもう一つわかりやすい根拠を出しますと、テストステロン値は若い人の方が高く、ジビドロテストステロンは年齢が上がるほど増えていきます。つまり、加齢や運動不足でテストステロン値が下がっていくと、5αリダクターゼがテストステロンの減少を補うために少量のテストステロンから大量のジビドロテストステロンを生成しているのです。
3-5.ジビドロテストステロンの作用は人によって異なる
あともう一つ、体毛の濃さと薄毛はどちらもジビドロテストステロンの影響なので、相関関係があるのでは?という疑問があるかもしれません。これに関しては、ジビドロテストステロンの作用が人によって異なります。ジビドロテストステロンが増えて体毛が濃くなる人もいれば、薄毛になる人もいる、そのどちらにも当てはまる人もいる、ということです。
4.まとめ
男性ホルモンには二種類あって、薄毛治療のためにはテストステロンはむしろ増やした方が良いということでした。その方が5αリダクターゼの働きを抑制できるので、ジビドロテストステロンも生成されません。
そして、仮にジビドロテストステロンが活性化してもその作用は人によって異なります。ジビドロテストステロンが増えても薄毛にならない人もいるので、体毛が濃いからといって薄毛になるとは限らないですね。またジビドロテストステロンが体毛には作用せず、薄毛にのみ作用する人もいます。
はっきりしていることは、すでに薄毛が進行しているのであればジビドロテストステロンが増えており、それが薄毛につながる体質である。薄毛を食い止めるためには5αリダクターゼを抑制する必要がある。薄毛が進行している人もそうでない人も、テストステロンは増やした方が薄毛になりにくい、ということです。