野菜サラダ→ごはんの食べ順ダイエットの効果とは?
ダイエットしている時に食事をする場合、順番があることをご存じでしょうか。食べ順は血糖値の上昇に関係があります。どの順番だといいのか、またその効果はどの程度かを考察してみました。
1.食事をすると血糖値が上昇する
食事をすると、血糖値は健康な人でも上がります。血糖値とは血液中のブドウ糖の量のことです。ブドウ糖は人が活動するために必要なエレルギーとなります。糖質は消化吸収し、ブドウ糖に分解され、血液中で血糖となり全身の細胞に送られます。すると、すい臓からインスリンが分泌され、エネルギー源を除いた血糖はグリコーゲンに変わります。
そのグリコーゲンは筋肉や肝臓に蓄えられます。しかし、筋肉や肝臓のグリコーゲンが足りていると、グリコーゲンが脂肪に代わり脂肪細胞に蓄えられます。また血糖値の急上昇は急降下にもつながり、この落差が大きければ大きいほど、空腹感もつよくなります。このことからも、血糖値の急上昇は脂肪が増加しやすく、食事量も増えやすいので、肥満につながります。
ですから、血糖値の上昇を緩やかにすれば肥満になりにくくなります。そこで、食べる順番について研究をした長崎女子短期大学の古賀克彦教授の研究やその他の治験をもとに調べてみました。
2.食事の順番はご飯→サラダ?それともサラダ→ご飯?
2-1.長崎女子短期大学 古賀克彦教授の研究結果
食事はご飯150g、サラダ(茹で大豆30g、ごぼう30g、ニンジン10g、キュウリ20g、糸寒天2gをマヨネーズであえたもの)、主菜(焼き魚)の3品です。朝9時以降は絶食で0時に血糖値を測定し、その後食事を摂取、食後30分、1時間、2時間の血糖値を測定しています。
食事の順番は次の4パターンです。
①ごはん→野菜サラダ→主菜
②野菜サラダ→主菜→ごはん
③主菜→ごはん→野菜サラダ
④サラダ→ごはん→主菜
その結果は次のグラフのようになっています。
上のグラフにあるように、①ごはん→野菜サラダ→主菜の食べ方は一番血糖値が急上昇していて、②野菜サラダ→主菜→ごはんの食べ方は一番緩やかに血糖値が上がっています。
つまり、野菜サラダの食物繊維が胃の中の滞留時間を長くして小腸内の消化、吸収をゆるやかにし、急激な血糖値の上昇を抑える働きがあるため、急激な血糖値の上昇を抑えられ、すい臓からのインスリンの分泌が少なく急激な血糖値の低下も抑えられているとされています。
インスリンの分泌が少ないと肝臓や筋肉に蓄えられたグリコーゲンが分解し脂肪が燃焼するのでダイエット効果があると言えます。ですから、サラダ→主菜→白飯の順番が血糖値の急上昇を抑えるためダイエットになると言えるでしょう。
2-2.その他の食事の順番に関する科学的治験より
「低Glycemic Index食(低GI食)の摂取順序の違いが食後血糖プロファイルに及ぼす影響」の論文より、研究結果を見ると、次のグラフのようになっています。
食事はごはん200g、野菜サラダ(生キャベツ60g、オリーブ油10gと酢10gをドレッシング)で、20代から40代の健康な人を被験者として調べています。
黒丸:ごはん→サラダ
白丸:サラダ→ごはん
このグラフを見ると、○のサラダ→白米の人は、食後60分までの血糖の上昇は緩やかで、●の白米→サラダの人は食後30分で急激な上昇をしています。
このことから、食事は野菜サラダ→ごはんの方が最大血糖値は20%も低く、血糖値が緩やかに上昇し、インスリンの分泌を抑えられるということがわかります。
3.食べ順ダイエットについて
二つの研究結果を見ると、両方とも野菜サラダ→ごはんの食べ順にすると、血糖値の急激な上昇を抑えられ、インスリンの分泌量を減らし、ダイエットにつながるということがわかりました。
3-1.血糖値を抑える食べ順ダイエット
野菜サラダ→主菜→ごはんの食べ順が一番血糖値をコントロールし、血糖値の急上昇を抑えます。野菜サラダだけでなく、きのこ、野菜、海藻など食物繊維が多いものを最初に食べると糖の消化、吸収を抑えます。色々な野菜を食べることでビタミンを豊富に摂ることができます。
食事のメインとなるタンパク質を2番目に食べます。
炭水化物は最後に食べます。そのことによって、急な血糖値の上昇を防ぎ、インスリンの分泌を少なくすることによって、糖が吸収されることを遅らせます。おやつやフルーツも食事の後に食べることは、血糖値の上昇を防ぐのでお腹がすいている時に食べるより血糖値を上昇させず太りにくいです。
外食すると、最初に前菜や汁物が出て次に主菜、そして、最後にご飯がでて締めはフルーツやケーキです。出す順番は、血糖値を急にあげないという観点から正しい順番になっているようです。
3-2.食べ順ダイエットで注意すること
食べ順ダイエットで注意することは、量に気を付けることです。食べ順ダイエットをしていても量を摂りすぎていたらダイエットにはなりません。野菜サラダにたっぷりのオイル入りドレッシングをかけたら脂質が多くなりすぎてしまいます。また、ごはんの量をダイエット中は控えめにすると、よりダイエット効果が高くなります。
外食の場合、丼ものとかはご飯の量が多く、繊維質が少ないので避けた方がいいですが、食べる時は味噌汁やサラダも一緒に注文するなどの工夫がいるかもしれません。具を先に食べてご飯を後に食べる方がいいですが、それでは丼ものが味気なくなるので、具をすこし食べてから、ご飯と残りの具を食べるといいでしょう。
味付けは濃い味付けだと炭水化物を食べたくなります。薄味にして野菜やタンパク質そのものの味を味わいましょう。よく噛むと味がでて満腹感が早く出るので炭水化物が少なくて済みます。
4.まとめ
食べる順番を野菜サラダ→主菜→ごはんとすることによって、血糖値の上昇が抑えられ血糖をコントロールし、ダイエット効果があるだけでなく健康にもいいのです。何故なら最初に野菜サラダを食べると食物繊維によって消化吸収を緩やかにし、血糖値をコントロールするからです。食べ順を守るだけでもダイエット効果があるので、早速取り入れてみませんか。