[筋トレ]腹筋の鍛え方やおすすめメニュー[完全版]
最近運動不足だけど腹筋を割りたい、腹筋のブロック一つ一つをより大きくしたい、といった方におすすめの筋トレメニューを紹介します!腹筋を考える際にはまず脂肪を落としたいのかブロックを大きくしたいのかを明確にする必要がありますが、その辺のことも含めて解説していきます。
1.腹筋とは
1-1.腹筋の構造
引用:Muscle Premium(Macアプリ)
腹筋トレーニングを紹介する前に、まずは腹筋について説明します。腹筋は4つの部位に分けられます。それぞれ外腹斜筋・内腹斜筋・腹直筋・腹横筋です。この4つの筋肉は腹部で重なり合って形成されています。
上の図は表層にある筋肉から順に剥がしている図になります。
表層から順に
- 外腹斜筋
- 内腹斜筋・腹直筋
- 腹横筋
という順番で重なってます。
1-2.腹斜筋は鍛えるとウエストが太くなる。
外腹斜筋と内腹斜筋はまとめて腹斜筋と呼ばれます。腹斜筋はお腹の横側の筋肉です。ねじりながら行う腹筋運動がありますが、あれは腹斜筋のトレーニングになります。女性がくびれなどを作るときに鍛える筋肉です。ただし、筋肉は鍛えれば鍛えるほど筋繊維は太くなるので、腹斜筋トレーニングをやりすぎると逆にウエストは太くなります。
女性の場合は筋肥大しにくいので、腹斜筋トレーニングでお腹の締まりが良くなり、くびれが出来やすくなりますが、男性の場合は筋肥大しやすいので腹斜筋トレをやりすぎると、体のラインが寸胴になります。
男性でも全くトレーニング習慣がないポッコリお腹のサラリーマンの方であれば、腹斜筋トレーニングを行うことによって、内臓を内に収める力が強くなり、ウエストを細くする効果がありますが、ある程度までいくと逆にウエストが太くなるので気をつけましょう。
1-3.腹直筋と腹横筋
腹直筋は、一般的に腹筋を鍛えると言うと、この部位をイメージされる方が多いでしょう。腹直筋が発達していると、板チョコのようにブロックが大きくなります。
次に腹横筋ですが、これはインナーマッスルです。腹部の最も深層に位置していて、ベルトのような形状をしています。この腹横筋を鍛えると、腰痛予防や姿勢維持に役立ちます。
1-4.腹筋は筋肉としては小さい
腹筋は上半身の筋肉の中でも、かなり小さい筋肉になります。
【筋体積ランキング】
- 三角筋(前部・中部・後部):792㎠
- 大胸筋(上部・中部・下部):676㎠
- ローテーターカフ(肩の深層筋):672㎠
- 上腕三頭筋(長頭・内側頭・外側頭):620㎠
- 広背筋(単体):550㎠
- 僧帽筋(上部・中部・下部):458㎠
- 上腕二頭筋(長頭・短頭):366㎠
- 腹筋(腹直・腹斜筋):313㎠
- 上腕筋(深層筋):266㎠
腹筋(313㎠) = 腹直筋(170㎠) + 外腹斜筋(70㎠) + 内腹斜筋(73㎠)
腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋を合わせても、上腕二頭筋の筋体積に届きません。。それほど小さい筋肉になります。
このことから、とにかく体の筋肉を増やして代謝を上げたい方や、ダイエット目的の筋トレをしている方には、「腹筋トレーニング」は効率が悪いということになります。
1-5.腹筋の役割
日常生活では、仰向けの状態から起き上がる際に使われる筋肉です。一般的に腹筋と言えば、この部位になります。体を前方に丸める(体幹の屈曲)働きをもつ筋肉で、内臓を保護する役割も持ちます。
体幹まわりの筋肉なので、もちろん姿勢維持に大きく貢献しています。なので、ほとんどのスポーツ動作で使われる筋肉になります。
体幹のブレを抑え、固定する動きにも貢献します。
腹斜筋は、外腹斜筋と内腹斜筋がありますが、どちらもほぼ同じ働きを持ちます。
1つは、体を横に曲げる「体幹の側屈」
2つ目は、体をねじる動きの「体幹の回旋」
最後の3つ目は、体を丸める「体幹の屈曲」です。
腹直筋と同じく、体幹の屈曲動作でも働きますが、それに加えて体をねじったり横に倒す際にも使われる筋肉になります。
この部位も体幹まわりの筋肉なので、日常生活やスポーツのほとんどの動作で使われます。
体幹のブレを抑え、固定する動きにも貢献します。
腹横筋は、お腹の筋肉の中では最も深層にある筋肉(インナーマッスル)で、ベルトのようにお腹に巻きついている筋肉です。腹巻のようなお腹のベルト型の筋肉なので、この筋肉が弱いと体幹がグラグラと安定しません。なので姿勢維持や体の安定性に影響が出ます。
また主な働きとしては、内臓を内側に収めておく、お腹を凹ませる働きがあります。なのでポッコリお腹のサラリーマンはプランクなので腹横筋のトレーニングをすると、お腹まわりの引き締めやポッコリ腹改善効果が期待できます。
さらに、複式呼吸などで息を吐く際に使われ、腹圧を高める役割もあります。スクワットやデッドリフトなどで腹圧が抜けてしまうと腰を痛める原因になります。腹横筋強化はBIG3の筋トレ種目にも影響するということです。
僕も慢性的な腰痛持ちでしたが、腹横筋トレーニングを始めて腰痛が気にならなくなりました。腹横筋トレは腹直筋トレなどの屈曲動作とは違い、同じ姿勢をキープすることで鍛えることができるので、激しい動作はなく腰痛でお悩みの方にもオススメのトレーニング部位になります。
2.腹筋を「割る」のと「大きくする」のは違う?
見出しを見て、そんなの当たり前だと思った方は、この見出しの内容は読み飛ばしていただいて問題ありません。しかし、腹筋を割るのと大きくするのがどう違うのかよく分からないという方はぜひ目を通してください。
2-1.腹筋を割る=カットを出す
腹筋に限った話ではないのですが、筋肉を大きくすることと筋が見えるようにするのは話が別です。なぜか腹筋のときだけややこしく解釈されることが多いのですが、腹筋を割る=カットを出す、と考えるとわかりやすいかもしれません。
他の部位でも同じですが、いくら筋肉が大きくてもその上に皮下脂肪が乗ってるとカットは見えません。筋肉がかなり大きく発達している場合は多少脂肪が乗っていても筋が見えますが、カットを出す(腹筋を割る)ためには脂肪を落とすことが重要になります。
たとえば、軽量級ボクサーは腹筋が割れていますが、腹筋が大きいわけではありません。腹筋の筋肉量は少ないが、脂肪がさらに少ないので筋繊維が見えています。逆に力士は腹筋の大きさは圧倒的に軽量級ボクサーより大きいですし、腹筋も強いです。しかし、腹筋は割れていません。これは大きい腹筋の上に脂肪が多く乗っているので、筋繊維が見えないからです。
2-2.腹筋は割れてナンボ
腕や胸の筋肉は太さや厚みが注目されることが多いですが、腹筋に関しては大きさではなく割れているかどうかが注目されることが多いです。
つまり、腕や胸は筋肉量が優先され、腹は脂肪の少なさが優先されているのです。筋肥大と脂肪燃焼が必ずしも相反するわけではありませんが、別問題ではあります。腹筋を大きくしても必ずしも割れるわけではありません。
3.腹筋のよくある間違い
ここでは腹筋の筋肥大と脂肪燃焼に関して解説します。有酸素運動と無酸素運動についての話が中心ですが、当然のごとく知っている方は上の見出しと同様読み飛ばしていただいて問題ありません。具体的な筋トレメニューの見出しに進んでください。
3-1.腹筋を割るのに重要なのは「脂肪燃焼」
上述の通り、腹筋を割るのに重要なのは脂肪燃焼です。そのため、腹筋を鍛えたからといって腹筋が割れるわけではありません。有酸素運動で脂肪燃焼するのも良いですし、無酸素運動で脂肪燃焼するのも良いのですが、腹筋に負荷を掛ける必要はありません。
3-2.腹筋トレーニングのみはコスパ最悪
たとえば、腹筋を毎日1000回やって腹筋を割ろうとする人がいますが、非常に効率が悪いです。有酸素運動なら腹筋よりも大きい下半身の筋肉に負荷を掛けて全身を脂肪燃焼した方が良いですし、無酸素運動で腹筋を鍛えるならもっと負荷を大きくした方が良いでしょう。
3-3.脂肪燃焼には有酸素運動が王道
有酸素運動はどこの部位に負荷を掛けても全身の脂肪燃焼が促進されるので、なるべく大きい部位に負荷を掛けることが鉄則です。ランニングは有酸素運動の王道ですが、それは下半身の筋肉に負荷が掛かるからです。
3-4.筋トレは体のデカい部位を鍛えて全身の代謝UPを狙え
とにかく、腹筋を割るためには、腹筋の上に乗っかっている脂肪をなくす以外道はありません。筋トレを行う場合、優先順位はとにかく体の中で大きな筋肉の部位を刺激して、全身の基礎代謝を上げ脂肪が燃焼しやすいカラダを作ってあげることが先決です!
まずは、その点を優先して、次に、腹筋の盛り上がりをより際立たせるための腹筋トレーニングを行うという流れがベストです。
3-5.お腹は皮一枚なのに、腹筋が割れていない人
「体脂肪率は低くてスリム、毎日トレーニングしているのに腹筋が割れない!」という人は、トレーニングの負荷と食事の部分に問題がありそうです。
痩せている、いわゆるガリの人が腹筋を割る、腹筋にカットを出すためには、まずは腹筋の筋肥大を狙うことが1つ。そして、当たり前ですが最も重要な点が日々の食事からとる摂取カロリーをオーバーカロリーに持っていくことです。
摂取カロリーが消費カロリーを上回らないと、いくらトレーニングしても筋肥大しません。特に体脂肪が少ない痩せ型の人は、筋肉に回すエネルギーが脂肪がない分枯渇しやすいので、食事から補う必要があります。
そして腹筋の筋肥大ですが、筋肥大に最も効果のある負荷の目安は、やっと8〜12回できる重量です。なので100回できるほどの負荷で腹筋をやり続けても、腹筋の筋肥大にはあまりつながりません。それは有酸素運動になっています。8〜12回が限界の腹筋トレーニングを行いましょう!
4.腹筋を鍛えるメリット
腹筋は筋体積としては他の部位に負けますが、体幹の筋肉なので日常生活での姿勢維持やスポーツでの基礎能力の底上げ、腹圧強化での他トレーニングでの成果向上など、体の基礎・土台となる部位なので鍛えるメリットは数多くあります。
服を脱いだら、腹筋がバッキバキに割れてたら単純にカッコイイですよね。またTシャツや服がめくれた瞬間に割れた腹筋がチラッと見えると女子ウケも抜群でしょう。
また体幹がしっかりしていると腹圧がうまくかかるので、ご飯を食べた後でもお腹がポッコリなんていう事も起こりませんし、体のラインも綺麗になるのでスーツや服も良く似合います。
5.腹筋運動(体幹屈曲動作)のポイント
腹筋運動、とくに体を前面に丸める体幹の屈曲動作の時に気をつけるポイントを紹介したいと思います。
ピークをつくるというのは、「筋肉が最大限に収縮するポイントをつくる」という意味です。筋肉は収縮させることによって負荷を与えることができるので、筋肉を最大限収縮させることは筋トレにとって大切なポイントです。
特に腹筋は背中を丸めずに股関節から曲げてしまうと、腹直筋に効かずに腸腰筋に効いてしまいます。この点を意識して、体幹の屈曲動作を行う際は、「おへそを覗き込む」をキーワードに背中をできるだけ丸めて、腹直筋の最大収縮ポイントをつくってあげましょう。
-
ポイント!
- ・股関節から曲げず、背骨を曲げる
- ・骨盤を後傾させる
- ・骨盤から曲げると腸腰筋のトレーニングになる
- ・おへそを覗き込むイメージ
6.腹直筋をメインで鍛えるトレーニング
腹筋を割ることと筋肥大することの違いを長々と説明してきましたが、非常に重要なポイントで、また多くの人が陥るポイントでもあります。間違った方向性で努力しても時間と労力が無駄になってしまうので、上で説明したようなことは押さえた上で具体的な筋トレメニューを考えてください。
まず腹直筋をメインで鍛えるトレーニングから紹介します。腹筋トレーニングは自重のトレーニングメニューが豊富にあるので、今回紹介するトレーニングメニューはほとんど自重です。自重トレとは文字通り「自分の体重」を使ってトレーニングする筋トレ方法です。
筋肥大に最適な負荷は1セット8〜12レップなので、自重での腹筋トレーニング、特に単純なクランチなどでは慣れるとすぐに20レップほどできるようになります。これだと負荷が足りないので、そういった時は重りで加重して行うか、アブローラーやジム環境がある場合はケーブルクランチ、アブドミナルクランチなどがオススメです。
6-1.クランチ(腹筋運動)
クランチは分かりやすい体幹屈曲の動きで、もっとも基本的な腹筋トレーニングです。主動筋は腹直筋で、特に上部に効きます。腹斜筋も補助として働きます。特に運動不足でこれから運動を始める方におすすめのトレーニングです。ある程度普段から運動している人や、腹筋運動に慣れてきた人は次のステップに進んだ方が良いでしょう。
クランチを何百回もやっている人もいますが、効率は良くありません。もちろん無駄ではないのですが、無酸素運動としての効果はなく、効率の悪い有酸素運動のような状態になります。
腹筋運動をしたからと言って、お腹の脂肪から落ちるわけではないので、注意が必要です。
クランチのやり方セット数の目安:15レップ×3セット セット間のインターバル:40秒
- 仰向けになり、膝を90度に曲げ、足を持ち上げる
- 両手を耳にあて、脇をひろげる
- おへそを覗き込むイメージで背中を丸める
クランチのポイント
- ・手の位置によって負荷を変えられる
- 胸の前で組む < 頭の後ろに組み、脇を締める < 耳の横に当て、脇を開く
6-2.ケーブルクランチ
通常のクランチより高い負荷をかけられるので、ジムでマシンを使うのであればオススメです。正直なところ、ケーブルクランチをしている様子は周囲から見てあまり格好良いものではありません。
土下座しているように見えるので、なかなかに滑稽と言えるでしょう。しかし、腹直筋にピンポイントで負荷が掛かり、腹筋のブロックを大きくすることができます。格好悪い部分はありますが、おすすめです。
ケーブルクランチのやり方セット数の目安:10レップ×3セット セット間のインターバル:1分
- ケーブルマシンにプーリーを取り付ける
- ケーブルの起点を高くセットする
- 両膝をつけて、プーリーを握り両脇を締める
- 背中を丸めながら、肘を太ももに引き寄せる
ケーブルクランチのポイント
- ・おへそを覗き込むイメージで腹筋の最大収縮をつくる
6-3.シットアップ
シットアップのやり方セット数の目安:15レップ×3セット セット間のインターバル:40秒
- 仰向けになり、膝を90度に曲げる
- 両手を耳にあて、脇をひろげる
- おへそを覗き込むイメージで背中を丸める
シットアップのポイント
- ・手の位置によって負荷を変えられる
- 胸の前で組む < 頭の後ろに組み、脇を締める < 耳の横に当て、脇を開く
6-4.デクラインシットアップ
シットアップを腹筋台で角度をつけて行う種目になります。ジムに行けば腹筋台は必ずあるので、ジムで腹筋するならコレと言った感じです。足を固定して行うので通常のシットアップより腸腰筋にも負荷がかかります。腹筋台は角度調節が可能なので負荷調整もやりやすく、また重りなどを持った状態で行うと、より高負荷トレーニングが可能です。
デクラインシットアップのやり方セット数の目安:15レップ×3セット セット間のインターバル:40秒
- 仰向けになり、腹筋台に足を固定する
- 両手を耳にあて、脇をひろげる
- おへそを覗き込むイメージで背中を丸める
デクラインシットアップのポイント
- ・手の位置によって負荷を変えられる
- 胸の前で組む < 頭の後ろに組み、脇を締める < 耳の横に当て、脇を開く
6-5.アブローラー(腹筋ローラー)
「アブローラー」という腹筋強化器具を使って行う腹直筋トレーニングです。腹直筋が強くストレッチされた状態で負荷がかかるストレッチ種目になります。ストレッチ種目は筋損傷による刺激を筋肉に与えることができ、筋肥大にも効果的です。
アブローラーのやり方セット数の目安:10レップ×3セット セット間のインターバル:1分
- 両膝をついて四つん這いになる
- アブローラーのハンドルを握る
- 前に転がす
- 自分が戻れる位置まで体を伸ばし、戻す
アブローラーのポイント
- ・戻す時に股関節と肋骨を近づける(おへそを覗き込む)イメージを意識する
6-6.ドラゴンフラッグ
ドラゴンフラッグは腹筋の自重トレのなかでも最高難度のトレーニングメニューです。ドラゴンフラッグはベンチ台などが必要ですが、自宅でもモノを工夫して利用すればドラゴンフラッグが可能です。ちゃぶ台を使用したり、ドアの下に指を引っ掛けて行う人もいます。
腹直筋がストレッチされた状態で強烈な刺激が入るので、かなりな筋損傷が期待できます!
ドラゴンフラッグのやり方セット数の目安:8レップ×3セット セット間のインターバル:1〜2分
- ベンチに仰向けになり、両手でベンチをつかむ
- 肩甲骨から下を持ち上げる
- 肩甲骨から下がベンチにつかないように足を下ろす
- 下ろす時に背中を反らし、腹直筋にストレッチをかける
ドラゴンフラッグのポイント
- ・上半身を固定するために腕の力も必要
- ・下ろす時は背中を反らす
- ・トップポジションは腹筋の負荷が抜けない位置でとめる
6-7.レッグレイズ
レッグレイズは上体を固定し、脚のみを上げ下げする腹直筋下部がメインのトレーニングメニュです。腹圧をしっかりかけて腰が反らないように行うのがポイントです。腰が反ると脊柱起立筋に負荷が逃げてしまいます。
レッグレイズのやり方セット数の目安:15レップ×3セット セット間のインターバル:40秒
- 仰向けの状態で、手を体の横におく
- 脚を地面に対して垂直になるまで上げる
- 脚を地面スレスレまで下ろす
- そこからまた持ち上げる
レッグレイズのポイント
- ・きつい場合はお尻の下に手を置く
- ・きつい場合は膝を軽く曲げる
- ・脚を持ち上げる時、腰まで持ち上げると強度が増す
6-8.ハンギングレッグレイズ
ハンギングレッグレイズは、バーにぶら下がった状態で両脚を持ち上げる体幹屈曲の動作で腹直筋下部に効きます。体がゆれない様におこなう必要があるので、少しコツが必要な種目になります。
いろいろと応用が可能で、L字でキープしても良いですし、つま先がバーの上に来るくらいまで足を上げても良いです。そして、L字でキープしたまま懸垂するようなトレーニングもあり、腹筋と同時に上半身の主要部位を鍛えることができます。
ハンギングレッグレイズのやり方セット数の目安:10レップ×3セット セット間のインターバル:1分
- 手幅は肩幅程度でバーにぶら下がる
- 背中を丸めて両脚を持ち上げる
ハンギングレッグレイズのポイント
- ・体がゆれない様に意識する
- ・ぶら下がった状態(腹直筋がストレッチされた状態)で腹筋に力を入れる
6-9.ニートゥーチェスト
レッグレイズ同様、腹直筋下部に効く体幹屈曲のトレーニングメニューです。下っ腹が気になる方にオススメの種目になります。反動を使ってしまいがちなメニューなので、動画のようにスロトレ向きの種目になります。
ニートゥーチェストのやり方セット数の目安:15レップ×3セット セット間のインターバル:40秒
- 座った姿勢から、手を斜め後ろにつく
- 脚を浮かせた状態から胸と太ももを引きつける
- 地面スレスレまで脚を伸ばし、また引きつける
ニートゥーチェストのポイント
- ・スロトレの場合、5秒ずつ曲げ伸ばしが目安
7.腹斜筋をメインで鍛えるトレーニング
腹直筋を鍛えるトレーニングを9つ紹介してきましたが、次に紹介するのが脇腹の筋肉の腹斜筋です。腹斜筋を鍛えることによって、脇腹が締まるので「くびれ」ができたりウエストが引き締まります。やりすぎると逆にウエストが太くなるので気をつけましょう。腹直筋トレーニングでは「体幹の屈曲」動作が主でしたが、腹斜筋のトレーニングでは「体幹の側屈・回旋」の動きがメインになってきます。これも負荷が足りない場合は重りで加重するなどの工夫が必要です。
7-1.サイドクランチ
サイドクランチは、体を横に曲げる体幹の側屈の動きになります。床に横向きに寝た状態で行い、腹斜筋の上部をメインに鍛えることができます。
サイドクランチのやり方セット数の目安:左右15レップずつ×3セット セット間のインターバル:40秒
- 両膝を曲げ、横向きの状態で寝る
- 曲げる方向の手を頭に添える
- ろっ骨を腰に近づけるイメージで上体を起こす
サイドクランチのポイント
- ・上げた位置で1〜3秒キープすると負荷が高まる
- ・もう一方の手を脇腹に添えると腹斜筋の収縮を感じやすい
- ・反動を使わず、ゆっくり行う
7-2.サイドシットアップ
下ろす方の手に重りを持って行うと負荷を高めることができます。
サイドシットアップのやり方セット数の目安:左右15レップずつ×3セット セット間のインターバル:40秒
- 横を向いてバックエクステンションに乗る
- 下ろす方向と逆方向の手を頭に添える
- ろっ骨を腰に近づけるイメージで上体を起こす
サイドシットアップのポイント
- ・右の腹斜筋を鍛える場合は右足前がやりやすい
- ・左の腹斜筋を鍛える場合は左足前がやりやすい
- ・脇腹を縮める意識で収縮させる
- ・もう一方の手を脇腹に添えると腹斜筋の収縮を感じやすい
7-3.サイドベント
サイドベントは片手にダンベルを持ち、立った姿勢で体幹側屈の動きを行う腹斜筋のトレーニングです。サイドシットアップでも重りを使ったトレーニングができるんですが、バックエクステンションが置いてあるエリアに重りを持っていけない場合や、そもそもバックエクステンションがない環境の場合は、サイドベントで代用しましょう。
僕的には、サイドシットアップの方が好きです。単純な個人的嗜好です。
サイドベントやサイドシットアップを高重量で行う場合、ダンベルや重りを片手で持ち続ける必要があるので、パワーグリップやリストストラップがあれば便利です。
サイドベントのやり方セット数の目安:左右10レップずつ×3セット セット間のインターバル:1分
- 片手にダンベルを持つ
- もう片方の手は頭に添える
- ダンベルを下ろしながら体幹を側屈させる
- 下半身は固定し脊柱だけを動かす
サイドベントのポイント
- ・脇腹の収縮を意識する
7-4.サイクルクランチ
サイクルクランチは、上体を捻りながら、両足を自転車を漕ぐように回転させながら行うトレーニングです。体幹の屈曲+回旋の動きなので、腹直筋と腹斜筋に効きます。また足を空中に浮かせた状態で足を回転させるので腸腰筋にも負荷がかかります。
普通のクランチよりもやや負荷の強い筋トレメニューになります。少しクランチに慣れてきて、他の腹筋運動も取り入れたいな、といったタイミングでおすすめです。
サイクルクランチのやり方セット数の目安:左右15レップずつ×3セット セット間のインターバル:1分
- 仰向けに寝た状態で足を90度に持ち上げる
- 両手を耳にあて、脇をひろげる
- 両足を回転させながら、上体を交互にねじる
サイクルクランチのポイント
- ・体をねじる際に、対角の肘と膝を極力くっつける
- ・上体を持ち上げすぎると負荷が逃げる
- ・メインの動きは体幹の屈曲ではなく「回旋」
7-5.ロシアンツイスト
ロシアンツイストは体幹の回旋運動なので、腹斜筋に負荷が掛かります。腹斜筋がターゲットではありますが、基本スタンスが上半身が起きた状態なので、その姿勢をキープするのに腹直筋にも若干負荷が掛かります。
ジムにメディシンボールが置いてあるならロシアンツイストはおすすめです。ただし、これも負荷に限界があるので、腹筋が強化されてきたら他の筋トレメニューに切り替えることをおすすめします。
ロシアンツイストのやり方セット数の目安:左右10レップずつ×3セット セット間のインターバル:1分
- 座った姿勢から、上体を後方に傾ける
- 両足を地面から少し離す
- 両手でメディシンボールを胸の前に持つ
- ボールの位置は胸の位置で固定しウエストを左右にひねる
ロシアンツイストのポイント
- ・手だけ動かさず、ウエストをきちんとひねる
- ・ボールは胸の位置で固定
8.腹横筋をメインで鍛えるトレーニング
腹横筋は、お腹の筋肉の中では最も深層にある筋肉(インナーマッスル)で、ベルトのようにお腹に巻きついている筋肉です。いわゆるコルセット的な役割を果たし、内臓を内側に収めておくなど、お腹を凹ませる働きがあるのでポッコリお腹でお悩みのサラリーマンにはぜひ鍛えてもらいたい筋肉になります。
またトレーニング方法も代表的なもので2つ程度しかなく、どこでもできる様なトレーニング内容なので、テレビを見ながら家でできちゃいます!トレーニング的には地味な割に若干キツイ内容になるんですが、継続すれば必ず効果が実感できると思います。
僕も慢性的な腰痛持ちでしたが、腹横筋トレーニングを始めて腰痛が気にならなくなりましたし、トレーニング中に腰を痛めても一晩寝れば腰痛がなくなるような体になれました。
この記事では、代表的な腹横筋トレーニングを2つほど紹介しますが、下記記事では体幹やインナーマッスルに絞って、詳しい内容を書いてるので、こちらも参考にしてください。
8-1.ドローイン
また通常の筋トレ時でも意識的にドローインの状態でトレーニングすることで、常に腹横筋のトレーニングも兼ねて筋トレしていることになり、オススメです。
ドローインのやり方セット数の目安:5〜10回×1〜2セット セット間のインターバル:1分
- 仰向けの状態で膝を90度に曲げる
- 胸を張って腹部に手を当てる
- 胸を張った状態で、息を吐きながら、できる限りお腹を凹ませる
- お腹を凹ませた状態で20〜30秒キープする
ドローインのポイント
- ・四つん這いや立位・座位など、どんな姿勢でも可能
8-2.プランク(フロントブリッジ)
プランクは、ドローインをキープした状態で行い、主に体の前面に刺激が入るトレーニングメニューです。体幹トレーニングの代表的な種目で、少し前に「30日プランクチャレンジ」なるものも流行りました。体幹は、鍛えることで姿勢が良くなったり、ポッコリお腹が解消したり、肩こりや腰痛の予防・改善効果もあるコスパ最強のトレーニング部位になります。
また体全体の安定性が向上するので、スポーツ全般や日常生活、その他筋トレ効果の底上げも期待できる、まさに体の土台となる部位なのでぜひ日々のトレーニングメニューに組み込みたい内容です。
プランクのやり方セット数の目安:20〜60秒キープ×3セット セット間のインターバル:1分
- 床に対してうつ伏せの状態で、肘と足先だけで体を支える
- 頭からかかとまでが一直線になるように姿勢をキープ
プランクのポイント
- ・休むときはチャイルドポーズや猫のポーズでリラックス
- ・プランク中はお腹を凹ませ、ドローインの状態をつくる
9.腹筋も同時に鍛えられるトレーニングメニュー
腹筋トレーニングで腹筋のブロック一つ一つが大きくなれば脂肪があっても腹筋が見えますが、脂肪を燃焼させた方が腹筋が割れます。脂肪を燃焼させるには有酸素運動も無酸素運動も重要ですが、どちらにしても大きい筋肉を動かすのがオススメです。腹筋よりもより大きい筋肉に負荷を掛けることによって、脂肪が燃焼し腹筋が割れます。
また、大きい部位に負荷の掛かる筋トレでは腹筋にも力が入ります。その結果、腹筋運動でなくても腹筋が筋肥大します。たとえば、ベンチプレスやスクワットは腹筋にも力が入るので、十分に腹筋が筋肥大します。
9-1.スクワット
スクワットは加重すれば無酸素運動としての効果が高く、腹筋も筋肥大します。スクワットは姿勢を維持するのに体幹部分に強い負荷が掛かるので、特に腹筋を意識しなくても腹筋が筋肥大し、脂肪が燃焼して腹筋が割れてきます。
脂肪燃焼は部位ごとに行われるものではなく、全身の脂肪が燃焼します。スクワットで足の大きな筋肉に負荷を掛けることによって、お腹の脂肪も落ちていきます。
9-2.ベンチプレス
なんで腹筋でベンチプレス?と思われるかもしれませんが、ベンチプレスは体幹全体に力が入ります。スクワットもベンチプレスもBIG3ですが、よくBIG3は腹筋が入っていないと言われることがあります。しかし、スクワットもベンチプレスも腹筋に負荷が掛かるので、BIG3でも十分に腹筋が鍛えられるということですね。
9-3.懸垂(チンニング)
懸垂は広背筋がメインターゲットですが、姿勢を維持するのに腹筋が使われます。懸垂も広範囲に負荷が掛かる筋トレメニューで一緒に腹筋を鍛えることができるので、効率的な筋トレメニューと言えます。
10.腹筋を割るには食事も重要
10-1.脂肪を減らすにはカロリーギャップをつくる
無酸素運動、有酸素運動だけでなく、腹筋を割るためには食事も重要です。現状の筋肉・脂肪の量や目標とする状態によって摂るべき食事内容は変わってきます。ただし、脂肪を減らすためには摂取カロリー<消費カロリーの状態にしなければなりません。
栄養バランスに関わらず、消費した以上に摂取していると体脂肪が減らないので、腹筋は見えてきません。筋トレ後はアウトバーン効果と言われる脂肪燃焼効果などがありますが、それでも摂取カロリーが多すぎると追い付きません。
ただし、摂取カロリーと消費カロリーの差は1日500kcal~1000kcalくらいにするのが基本です。極端にカロリーギャップをつくると、体が飢餓状態になり代謝効率が落ち、痩せにくい体になってしまいます。これはリバウンドの原因にもなります。
また食事制限で栄養が不足すると、せっかく鍛えた筋肉が分解される危険性もあります。それまでの筋トレに費やした時間や労力が全て無駄になってしまうので、過度な食事制限はやめましょう!
「タンパク質だけとってれば良いんだろ?」という考え方も危険です!タンパク質だけでは筋肥大しません。糖質も一緒に摂取してインスリンを分泌させないとタンパク質の吸収効率が落ちます。また脂質も脂溶性ビタミンの吸収に関係していますし、ビタミン・ミネラルもタンパク質の消化吸収の調整の役割があります。どの栄養素も欠けてはいけません。バランスのとれた食生活を心がけましょう。
10-2.まずは筋肥大
脂肪を削って腹筋を割るだけだと、少し脂肪が付くとすぐに見えなくなります。逆に全身の筋肉を大きくしていけば、少し脂肪が付いていてもしっかりと割れた大きな腹筋が見えてきます。筋肥大していればまた脂肪燃焼もすぐなので、筋肥大優先の肉体改造がおすすめです。
11.まとめ
腹筋の筋肥大や脂肪燃焼、具体的なトレーニング方法を紹介してきました。今回は腹筋のトレーニングメニュー以外の基本的な筋肥大、脂肪燃焼のメカニズムに関する話が多かったですが、腹筋の場合それらが特に重要だからです。
たとえば腕の筋肉を大きくするか脂肪燃焼するか迷う人は少ないですが、腹筋の場合カットを意識する人が多い分、筋肥大と脂肪燃焼を理解したうえで鍛えないとかなり効率が悪くなります。
二の腕を痩せさせるために軽い負荷のダンベルカールを何百回も行うのが効率悪いということは直感的にわかるかもしれませんが、なぜか腹筋の場合お腹を痩せさせるために腹筋運動を繰り返す人が多いのです。非常に効率が悪いので、今回紹介したトレーニングメニューや筋肥大、脂肪燃焼の話を参考にして、効率的に腹筋を割っていってください。
また、腹筋が割れているかどうかだけでなく、全身の筋肉をトータルで大きくしていけると良いですね。繰り返しになりますが、内側の筋肉が大きくなっていれば、表面の脂肪を落とすのは楽です。逆に筋肉が十分な大きさになっていない状態で脂肪を落とすのは大変ですし、脂肪と一緒にもともと少ない筋肉まで落ちてしまいます。
さらに筋肉量が少ないとせっかく落とした脂肪をすぐに蓄積しやすく、また脂肪が少し増えただけでも体脂肪率が高くなるので腹筋が見えなくなります。筋肥大を優先させるか脂肪燃焼を優先させるかは自由ですが、筋肥大を優先させた方が体のメリットは大きいでしょう。
イラスト/ハヤシナオユキ