筋トレ用語解説!「FST-7」ってなんですか?
「FST-7」を知っていますか?FST-7はボディビルダーの世界チャンピオンであるフィル・ヒースやフィジーク王者ジェレミー・ブエンディアが行っているトレーニング方法です。この聞き慣れない筋トレ用語であるFST-7について、分かりやすい動画と共に詳しく紹介いたします。
1.フィル・ヒースも行っているFST-7
冒頭で紹介したフィル・ヒースとはどのような人物なのでしょうか。ここではFST-7を理解する上で欠かせない存在であるフィル・ヒースについてまとめましたのでご覧ください。
1-1.フィル・ヒースのプロフィール
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- 生年月日1979年12月18日生まれ
- 出生地:アメリカワシントン州シアトル
- 身長:175cm
1-2.ミスター・オリンピア優勝者
ミスター・オリンピア(Mr. Olympia)は、IFBBによって毎年開催されている国際的なボディビル大会。プロ・ボディビル界の最高峰とされる。
引用:Wikipedia
フィル・ヒースはこのミスター・オリンピアにおいて2011年から6年連続で優勝者となっているボディビルダーです。ミスターオリンピアの最多優勝回数記録(8回)を持つのはリー・ヘイニーとロニーコールマンであり、2位(7回)の記録を持つのはあのアーノルド・シュワルツェネッガー、3位(6回)に並ぶのはドリアン・イエーツとフィル・ヒースとなります。
今のところ負けなしであるフィル・ヒースが優勝回数を更新するのも時間の問題と言えるでしょう。この世界最強のボディビルダー、フィル・ヒースも行っているトレーニングがFST-7となります。
1-3.ジェレミー・ブエンディアのプロフィール
- 生年月日1990年生まれ
- 出生地:アメリカカリフォルニア州
- 身長:174cm
フィジーク世界大会を連覇中の現フィジークチャンピオンの「ジェレミー・ブエンディア」もこのFST-7を用いたトレーニングを行っています。
2.FST-7とは
FST-7はFascia Stretch Training 7(筋膜ストレッチトレーニング7)を略した筋トレ用語です。この「7」はトレーニングの最後の種目を単関節(アイソレーション)種目で7セット行うことを意味しています。
つまり、最後の種目以外は、通常のコンパウンド種目3-4セットでインターバルもいつも通りの間隔でOKだということです。
2-1.FST-7トレーニングの目的
究極のトレーニングと言われるFST-7を行う目的は、筋肥大効果を最大限発揮させることにあります。
筋肉を作っている筋線維は筋膜という膜で覆われています。この筋膜を極限まで引き延ばすことで筋線維が肥大するスペースができ、筋肥大を起こすと言われています。さらに最終種目のセット間のインターバルを30~45秒と短くすることで、対象筋へ大量の血液を送り込み、筋膜をストレッチさせます。
2-2.FST-7トレーニングの特徴
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1セットのレップ数は8~12レップ。
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最後の種目を単関節(アイソレーション)種目で7セット行う。
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セット間のインターバルが最後の種目だけ30~45秒と短い。
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上級者はインターバル時にアイソメトリックス(※1)を行う。
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高重量でハードなトレーニング。
※1.アイソメトリックス=筋肉を収縮させる形(ポージング)をとること。
インターバルが短く負荷の高いFST-7は非常にハードなトレーニング方法です。ミスター・オリンピアが行っているトレーニングであるだけに、究極の追い込みトレーニングとも言われています。
2-3.FST-7トレーニングの効果やメリット
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筋肥大効果が高い。
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パンプアップ効果が高い。
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部位ごとのトレーニングメニューがあり、あらゆる部位に対応できる。
パンプアップとは、筋トレ時に鍛えている筋肉が膨張してパンパンになる状態のことを言います。なぜパンプアップが起こるかというと、筋トレにより鍛えている筋肉に乳酸などの物質が溜まり、それを薄めるために水分が送り込まれるからです。また筋トレにより毛細血管が開くことでその部分に血液が送り込まれることも原因とされています。
パンプアップで筋肉が膨らむのは一時的なものであり、筋肥大に直接結びつくわけではありません。ですがトレーニングの度にパンプアップさせることで筋肉がそれに適応し、実際の筋肥大につながっていくとも考えられています。
2-4.FST-7トレーニングの注意点
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FST-7初心者はマシンを使った種目を選択する。
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インターバルにはこまめに水分補給をする。
通常のウエイトトレーニングに慣れている人でもFST-7トレーニングの初心者である場合はマシンを使った種目から入るようにしてください。またセット間の水分補給はパンプアップ効果を得るために必要となります。
2-5.FST-7トレーニングが向いている人
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ウエイトトレーニング中級者以上の人。
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通常のトレーニングでは物足りない人。
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筋肥大させたい人。
筋肥大が最大の目的であるFST-7トレーニングはウエイトトレーニング中級者以上の方が行うようにしてください。高重量で非常にハードなトレーニングであるFST-7はウエイトトレーニングを行ったことがない人や始めたばかりの人にはおすすめできません。
3.FST-7の肩トレサンプルセット
FST-7のメニューの組み方は様々ですが、ここでは一例として肩のトレーニングメニューを見ていきましょう。前の項でも紹介したように、1セットは8~12レップ、最終種目のセット間のインターバルは30~45秒とします。
- マシンショルダープレス(いつも通り)
- ダンベルショルダープレス(いつも通り)
- フロントレイズ(いつも通り)
- リアレイズ(いつも通り)
- サイドレイズ(最終種目:インターバル30秒 7セット)
3-1.マシンショルダープレス
マシンショルダープレスのやり方セット数の目安:8〜12レップ×3セット セット間のインターバル1分
- シートに座って背筋を伸ばす
- 肩を上げずに、バーを持ち上げる
マシンショルダープレスのポイントや注意点・シートを高めにセットすると、バーを持った時に両肘が深くなりストレッチがかかりやすくなる
- ・背中の反りすぎに注意
3-2.ダンベルショルダープレス
ダンベルショルダープレスのやり方セット数の目安:8〜12レップ×3セット セット間のインターバル1分
- 座った状態もしくは立って、両手にダンベルを持つ
- 手のひらを前方に向けダンベルを肩口のところにセットする
- 肘を下げた状態から弧を描くようにダンベルを頭上まで持ち上げる
リアレイズのポイントや注意点・ダンベルは頭の真横に来るように
- ・ダンベルの真下に肘が来るように
- ・前腕の角度が垂直になるように
3-3.フロントレイズ
フロントレイズのやり方セット数の目安:セット間のインターバル1分
- 左右同時上げの場合:8〜12レップ×3セット
- 片方ずつの場合:左右8〜12レップ×3セット
- 手のひらを体に向け、両手にダンベルを持つ
- 両肘を伸ばしたまま水平以上までダンベルを上げる
フロントレイズのポイントや注意点・ダンベルを下ろした時に体につけると負荷が低くなる
- ・肘は必ず外に向けた状態で動作を継続する
- ・肩が上がらないように注意する
3-4.リアレイズ
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リアレイズのやり方セット数の目安:8〜12レップ×3セット セット間のインターバル1分
- 座った状態もしくは体を倒して、両手にダンベルを持つ
- 小指側を上にして肘を軽く曲げ、ダンベルを持ち上げる
リアレイズのポイントや注意点・肩が上がらないように注意する
- ・小指から上げるのがポイント
3-5.サイドレイズ
サイドレイズのやり方セット数の目安:8〜12レップ×7セット セット間のインターバル30秒
- 肘を軽く曲げて、両手にダンベルを持つ
- 水平以上までダンベルを持ち上げる
サイドレイズのポイントや注意点・ダンベルを下ろした時に体につけると負荷が低くなる
- ・肩が上がらないように注意する
- ・小指から上げるのがポイント
4.ジェレミー・ブエンディアFST7トレ動画
4-1.胸・上腕二頭筋
1.インクラインダンベルプレス
2.インクラインダンベルフライ
3.フラットダンベルプレス
FST7スーパーセット
4.ケーブルフライ
5.インクラインプッシュアップ
(インターバル30秒)
7.ケーブルカール
8.リバースカール
4-2.肩・上腕三頭筋
1.ダンベルショルダープレス
2.ケーブルラテラルレイズ
3.ダンベルフロントレイズ
スーパーセット
4.ベントオーバーラテラルレイズ
5.ハイプーリーロウ
FST7
6.ダンベルラテラルレイズ
7.シングルアーム・リバースグリップ・トライセプス・プレスダウン
8.オーバヘッド・ダンベルプレス
FST7
9.トライセプス・オーバーヘッド・エクステンション
4-3.背中・腹筋
https://www.youtube.com/watch?v=ow69MRKnp5c
1.リバースグリップ・プルダウン
2.Vバー・プルダウン
3.ベントオーバー・リバースグリップ・バーベルロウ
4.ロウケーブルロウ
FST7
5.ストレートアーム・プルダウン
5.日本人FST-7トレーニング動画
5-1.肩を破壊
5-2.kanekin/ビイチ合同トレ
5-3.過去最高の腕パンプ?!ビイチさんとFST7腕トレ!
6.FST-7についてのまとめ
ミスター・オリンピア連勝中のフィル・ヒースも行っている究極の追い込みトレーニング「FST-7」について紹介いたしました。FST-7は高重量でインターバルが短く非常にハードなトレーニングであり、おすすめできるのはウエイトトレーニング中級者以上となります。興味のある方は専門のトレーナーの指導の下に正しい方法で取り組んでいただければと思います。