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[筋トレ]大胸筋の鍛え方やおすすめメニュー[完全版]

大胸筋は筋肉の代名詞と言っても過言ではないほど真っ先に目に入る部位です。筋肉と言われて最初にイメージされるのは力こぶの上腕二頭筋厚い胸板を作る大胸筋ではないでしょうか。筋トレが好きな人は広背筋や僧帽筋や三角筋をイメージするかもしれませんが、一般的に筋肉と言えば上腕二頭筋か大胸筋といった感じです。ぜひ大きい大胸筋を作り、たくましい体を手に入れてください。

1.大胸筋とは

1-1.大胸筋の構造

引用:Muscle Premium(Macアプリ)

大胸筋は胸板をつくる強力な筋肉で、上部・中部・下部にわかれています。鎖骨部(上部)・中部(胸肋部)・下部(腹部)で作用する方向が異なります。鎖骨や胸骨、腹部から起始し上腕骨で停止しています。肩関節の動きに関係する筋肉で、肩関節を動かす筋肉の中で第2位の筋体積をほこります。

【肩関節・肩甲骨周辺の筋体積ランキング】

 

  1. 三角筋(前部・中部・後部):792㎠
  2. 大胸筋(上部・中部・下部):676㎠
  3. ローテーターカフ(肩の深層筋):672㎠
  4. 広背筋(単体):550㎠
  5. 僧帽筋(上部・中部・下部):458㎠

大胸筋676㎠ = 上部(235㎠)+中部(243㎠)+下部(198㎠)

大胸筋の中では、上部・中部が比較的大きな部位になります。ベンチプレスにプラスして、インクラインベンチやダンベルで鍛えるトレーニーは多く目にしますが、ディップスで大胸筋下部を意識して鍛えてるトレーニーはあまり見かけないのは、このあたりが関係しているかもしれません。

 

1-2.大胸筋の役割

大胸筋は、肩関節の水平内転・内転・内旋・屈曲の動作で働きます。特に肩関節の水平内転の動きの貢献度では大胸筋が最も高いです。日常生活では、うつ伏せの状態から手をついて起き上がるなどの腕を押し出す動作で使われます。スポーツでいうと、野球のバッティングやピッチング、テニスのスイング、ボクシングのフックパンチなどの動作で使われます。

 

 

2.大胸筋を鍛えるメリット

大胸筋を鍛えることによって、外見的にも身体の機能的にもメリットがあります。いくつかあるので、それぞれ紹介していきます。

  1. たくましい見た目
  2. 成果がわかりやすい
  3. Tシャツ1枚でも様になる
  4. 全身の代謝・成長ホルモン分泌量アップ
  5. 健全な精神

 

1-1.見た目がたくましくなる

大胸筋は筋肉の代名詞的なものですが、大胸筋が発達していることによってマッチョな感じが服を着ていてもわかります。厚い胸板はモテにもつながるので、大胸筋を鍛えるとお得です。ボクサーや長距離ランナーのように細身で筋肉質な体型も人気ですが、厚い胸板があれば服を着ていても鍛えていることがわかります。

 

1-2.成果がわかりやすい

男性の場合、大胸筋は比較的短期間で筋肥大しやすいです。人間の体は大きい筋肉ほど筋肥大の成果がわかりやすいので、大胸筋は成果がわかりやすいです。また、広背筋などと違って上半身の前面にあるので、自分の目でもぱっと見マッチョになっていることがよくわかります。

 

1-3.シンプルなファッションが似合う

大胸筋があると、夏場はTシャツ1枚でも様になりやすいです。無地のTシャツ1枚でも筋肉がアクセントのようなものなので、シンプルながらもしっかりと決まります。

私服タンクトップに関しては賛否両論ありますが、基本的には辞めておいた方が無難でしょう。たしかにタンクトップ1枚でもマッチョなら様になりますし、またタンクトップはマッチョがもっとも目立つファッションでもあります。ただし、タンクトップだと筋肉自慢している感じが出てしまうので、ピチピチになりすぎないTシャツでシンプルに決めると良いでしょう。

しっかりと大胸筋が発達していると、わざわざ目立たせようとしなくても勝手に目立ちます。「能ある鷹は爪隠す」ではありませんが、大胸筋のあるマッチョはあえて隠すくらいでさりげないオシャレになるかもしれません。

夏のファッションは筋肉がもろに見えるので、大胸筋がアクセントになります。しかし、冬のファッションやスーツも大胸筋があると様になります。大胸筋がしっかり発達していると、ジャケットなどを羽織っていてもしっかりと体に厚みが出るので、たくましさが伝わります。

大胸筋がないと重ね着してもハンガーに服を掛けているような感じになるでしょう。細身であえて張りのない感じの着こなしもありますが、大胸筋があると服がしっかり張るので、そういった意味でキマります。

 

1-4.全身の代謝アップ+成長ホルモン分泌量増加

筋トレをすることによって、体の代謝や成長ホルモン分泌量が活性化し、脳や内臓を含め体全体の細胞分裂が活発になります。その結果、健康的で若々しい体になっていきます。筋トレによって、筋肉だけでなく骨や内臓含め体全体の機能が向上するということです。

そして、筋トレによる上述のような効果は、なるべく大きい筋肉を鍛えると効果的です。逆に小さい筋肉は体全体にもたらす影響が少ないので、大きい筋肉を優先的に鍛えることが推奨されています。

全身のなかでも特に大きい筋肉は、下半身は大殿四頭筋、大殿筋、ハムストリング、上半身は広背筋、大胸筋などです。これらの筋肉を優先的に鍛えることによって、全身の機能を高めていくことが可能です。三角筋は筋体積でトップですが、広背筋や大胸筋を鍛える際に一緒に稼働するので、トレーニングでまず意識すべきは大胸筋や広背筋になります。

さらに、大きい筋肉を鍛えると成長ホルモンの影響で他の筋肉も発達しやすくなります。また、大きい筋肉は体の中心部にあるので、そこを鍛えることで末端の小さい筋肉も鍛えられます。つまり、大きい筋肉を鍛えると、成長ホルモンや代謝の影響と、一緒に連動するという二つの効果で体の末端の筋肉も発達するのです。

大胸筋を鍛えると、腕や肩の筋肉も連動して一緒に筋肥大します。実は大胸筋をしっかり鍛えていれば、腕や肩の筋トレは網羅されていることが多いのです。大胸筋という上半身前面の中心部にある大きい筋肉を鍛えることで、全身の機能をアップし、その他の筋肉も一緒に発達します。大胸筋と腕の筋肉が一緒に発達すれば、より一層たくましいルックスになります。

 

1-5.精神的にも健康になる

筋トレは体を健康にするだけでなく、精神的な健康効果もあります。体と同様大きい筋肉を鍛えることによって、精神への影響も大きくなります。大胸筋は上半身のなかではトップクラスに大きい筋肉なので、大胸筋トレーニングによるメンタル改善効果は大きいです。

筋トレをすることによって成長ホルモンの分泌量が増えることは上述の通りですが、それと同時に脳内で神経伝達物質も活性化します。具体的にはドーパミンやエンドルフィンですが、これらの伝達物質が増えることによって、快感や楽しさ、幸福を感じます。筋トレを継続していると、楽しい、気持ちいい、といった感覚を持てるのです。

最初のうちは体にとって慣れない刺激なのでむしろアドレナリンなどが増えて快感とはほど遠いかもしれませんが、体が慣れてくると筋肉の刺激に対してドーパミンやエンドルフィンを多く分泌するようになります。これによって筋トレがより楽しくなり、また日々を前向きな気持ちで過ごせるようになるでしょう。

筋トレ愛好家の中には筋トレを究極の精神安定剤と呼ぶ人もいますが、実際に科学的根拠があるわけです。また、筋トレ好きはMの人が多いとも言われますが、筋トレで快感にひたっている様子が周囲からはそう見えています。たしかにある意味Mなのかもしれませんが、それはMの人が筋トレ好きというわけではなくて、筋トレによる脳内神経伝達物質の効果で気持ちよくなっているだけです。筋トレを継続すれば、誰でも周囲から見ればMのようになってきます。

筋トレが快感になれば放っておいても継続するので、ある意味そこに至るまでが筋トレにおいてもっとも重要と言えるでしょう。最初は無理せず継続することが最重要と考えて、気持ちいいところで止めておくことがコツです。無理して強度を上げて追い込むことよりも、気持ちよく徐々に強度を上げていく方が長続きしますし、苦痛もありません。

人によって筋トレに対する考え方は異なりますが、筋トレは苦しんでやるよりも楽しんでやった方が肉体的にも精神的にも良い効果が得られ、無理なく筋肥大できます。無理した結果、嫌になって辞めてしまっては無意味ですし、イヤイヤやっていても脳内の神経伝達物質の働きも落ちます。

気持ちよく追い込めるようになるまでは、つらくなる前に辞めても良いので、コツコツ継続することをおすすめします。筋トレを継続していれば、自分から好きで追い込みたくなる体になります。

 

 

3.大胸筋の部位と鍛え方

大胸筋トレーニングの具体的なメニューを紹介する前に、知っておくと筋トレ効果がより高まる大胸筋情報を紹介します。

まず、大胸筋には上中下があります。内外の区分もありますが、筋トレメニューで内側と外側を意識することはあまりないので、上中下を意識すれば問題ありません。

 

3-1.大胸筋トレーニングは押し出す動作が基本

大胸筋の筋トレは基本的に押す動作です。バタフライやダンベルフライのように腕を後ろから持ってくる動作もありますが、それは腕を後ろから前に押すように持ってきている動作とも言えます。スタートポジションは筋トレメニューによって異なりますが、最終的には腕を前に押し出す動作になります。大胸筋トレーニングは押し出す動作が基本だということを押さえておくと、具体的な筋トレメニューについても考えやすくなるでしょう。

 

3-2.どのような動作が大胸筋上中下それぞれに効くのか

大胸筋トレーニングが押し出す動作ということを押さえたら、次にどのような動作が大胸筋上中下それぞれに効くのかを知っておくと、筋トレメニューを組みやすくなります。実はこれは非常に単純で、胸の位置に対して上に押し出せば大胸筋上部、真っすぐ押し出せば大胸筋中部、下に押し出せば大胸筋下部に効きます。また内外に関しても内側に押せば大胸筋の内側に負荷が掛かり、外側に押し出せば大胸筋の外側に負荷が掛かります。ただし、上中下を意識しておけば、内外はあまり意識しなくてもバランスよく負荷が掛かります。

そして、大胸筋中部に負荷を掛けていれば大胸筋上部と下部にもある程度負荷が掛かるので、バランスよく発達していきます。問題なのは、大胸筋上部か大胸筋下部ばかりに負荷が集中してしまうことでしょう。

 

3-3.大胸筋に負荷がかかる動作

引用:Study channel

大胸筋は、肩関節の水平内転(水平屈曲)・内転・内旋・屈曲の動作で負荷がかかりますが、主に水平内転の動きだけ頭に入れておけば問題ありません。大胸筋を鍛える上で水平内転の動きが最も重要です。

大胸筋を鍛える際には上中下を意識する、押し出す角度によって大胸筋上中下の負荷が掛かる部分が変わってくる、といった基本的なことを押さえた前提で具体的な大胸筋トレーニングメニューを紹介していきます。

 

 

4.大胸筋を鍛える自重トレーニング

自重トレーニングは自分の体重で負荷をかける筋力トレーニングです。トレーニング器具が必要ないので自宅で手軽にできる点がメリットだと言えます。またダンベルやバーベルなどの高重量な重りを扱わないのでケガのリスクも低いです。

 

4-1.プッシュアップ

鍛えられる筋肉:メイン(大胸筋) サブ(上腕三頭筋、三角筋前部)

筋トレと言えば、誰しも最初に思いつくであろうプッシュアップ!腕立て伏せです。自宅筋トレの代表格がまずは登場です。大胸筋は腕立て伏せのように「腕を押し出す動作」これに尽きます。腕を水平方向に動かす肩関節の水平内転の動きです。

プッシュアップには、手幅を狭くしておこなうナロープッシュアップと手幅を広げておこなうワイドプッシュアップ、そして通常のノーマルプッシュアップの3種類があります。今回はノーマルプッシュアップをまずは紹介したいと思います。

自重筋トレの王道プッシュアップ(腕立て伏せ)! 筋トレ初心者の方は、正しいフォームで行うことをまずは目標にスタートしてみましょう。

プッシュアップのやり方セット数の目安:15レップ×3セット セット間のインターバル:1〜2分

 

  1. 両手を肩幅より広くつき、上体を深く沈める。
  2. 姿勢をまっすぐ保ち、上体を持ち上げる

プッシュアップのポイントや注意点

  • ・手のつき方は、若干「ハの字」を意識
  • ・頭を垂れ下げない
  • ・胸を張って肩甲骨を寄せた状態で動作する

 

4-2.ワイドプッシュアップ

鍛えられる筋肉:メイン(大胸筋) サブ(上腕三頭筋、三角筋前部)

ワイドプッシュアップは手幅を広めにとったプッシュアップです。ノーマルプッシュアップに比べてワイドプッシュアップの場合大胸筋への負荷が大きくなります。

逆にナロープッシュアップでは、三角筋や上腕三頭筋への負荷が大きくなり、逆に大胸筋の関与は少なくなります。プッシュアップだけでなくベンチプレスなどでも同じですが、腕幅をやや広めにすると大胸筋への負荷が強くなります。逆に狭めると三角筋、上腕三頭筋への負荷が大きくなります。

ワイドプッシュアップのやり方セット数の目安:15レップ×3セット セット間のインターバル:1〜2分

 

  1. 両手を肩幅の1.5倍ほどの手幅で、上体を深く沈める。
  2. 姿勢をまっすぐ保ち、上体を持ち上げる

ワイドプッシュアップのポイント

  • ・頭を垂れ下げない
  • ・胸を張って肩甲骨を寄せた状態で動作する

 

4-3.ディップス

鍛えられる筋肉:メイン(大胸筋下部) サブ(上腕三頭筋、三角筋)

ディップスは大胸筋下部や三角筋、上腕三頭筋に負荷が掛かる筋トレメニューです。肩関節水平内転の動きではなく肩関節内転の動きになります。大胸筋下部を鍛えることによって、より分厚い胸板を作ることができます。

ディップスのやり方セット数の目安:10レップ×3セット セット間のインターバル:1〜2分

 

  1. ディップスバーもしくは椅子に手をつき、上体を持ち上げる
  2. 体を少し前傾に保ち肘を曲げ、上体を下ろす

ディップスのポイント

  • ・前腕が垂直の状態をキープする
  • ・上体は前傾をキープする

 

4-4.逆立ち腕立て伏せ

鍛えられる筋肉:メイン(三角筋) サブ(大胸筋上部、上腕筋、広背筋、僧帽筋)

逆立ち腕立て伏せは、三角筋、僧帽筋、上腕三頭筋、大胸筋上部などに負荷を掛けられる筋トレメニューです。壁なしで行うと、バランスを取るために腹直筋や脊柱起立筋も動員させることができます。

しかし、壁ありで上体を前に倒し、前傾の姿勢を保ちながらプッシュアップを行うことで、インクランベンチプレスのように大胸筋上部をメインで鍛えられる種目に変えられます。

逆立ち腕立て伏せのやり方

セット数の目安:10レップ×3セット セット間のインターバル:1〜2分

 

  1. 壁に寄りかかり倒立する
  2. その状態から肘を屈曲させる

逆立ち腕立て伏せのポイント

  • ・上体は前傾をキープすると大胸筋上部に効きやすい

 

4-5.自重トレはココが最終目標? プランシェ

プランシェは三角筋、僧帽筋、上腕三頭筋、大胸筋上部~中部に強い負荷の掛かる筋トレメニューです。体幹にも負荷が掛かり、脊柱起立筋やハムストリング、大殿筋のトレーニングにもなります。逆立ち腕立て伏せよりもさらに負荷が強いので、逆立ち腕立て伏せが出来てから行うのがおすすめです。

プランシェの練習方法はひとそれぞれですが、腕立て伏せから足を徐々に上げていく方法もあれば、逆立ち腕立て伏せの状態から足を徐々に下ろしていく方法もあります。どちらでも良いのですが、逆立ちの状態から足を下ろしていって練習した方が筋トレ効果は高いかもしれません。

 

 

5.大胸筋を鍛えるウエイトトレーニング

ウエイトトレーニングはダンベルやバーベル、ケトルベルなどの重りを使うトレーニングです。どうしても自重トレーニングだけだと飽きてきたり、モチベーションを保つのが大変です。

またフリーウエイトを使ったウエイトトレーニングだと、「やってやった感」が強く精神的にも満足感を得られやすいです。筋トレは継続することが最も重要で、トレーニングを習慣化する必要があります。その点モチベーションを保つ上ではウエイトトレーニングをマスターする事は、継続する上で大きな力になると思います。

 

5-1.ベンチプレス

鍛えられる筋肉:メイン(大胸筋) サブ(三角筋前部、上腕三頭筋)

ベンチプレスは大胸筋トレーニングの定番メニューで、大胸筋全体に強い負荷が掛かります。大胸筋以外にも三角筋前部、上腕三頭筋などにも負荷が掛かります。ベンチプレスの際にバーベルが多少ぶれることによって、結果的に大胸筋全体を鍛えることができます。

バーベルは上げることも重要ですが、下げる際もしっかり下ろして大胸筋をストレッチさせることも重要です。

ベンチプレスのやり方セット数の目安:10レップ×3セット  セット間のインターバル1分

 

  1. ベンチに寝て、肩幅の1.5倍程度の手幅でバーベルを持つ
  2. 胸を張って肩甲骨を寄せバーベルを下ろす
  3. 胸を張って肩甲骨を寄せたままバーベルを上げる

ベンチプレスのポイント・バーベルの持ち方はサムアラウンドグリップ

  • ・ハの字なるように握る
  • ・「肩甲骨内転+下方回旋」でブリッジをつくる
  • ・お尻を浮かせたり胸でバウンドさせると負荷が軽くなる
  • ・前腕の角度が垂直になるように

 

5-2.ダンベルベンチプレス

鍛えられる筋肉:メイン(大胸筋) サブ(三角筋前部、上腕三頭筋)

バーベルベンチプレスに比べ、あげられる重量は軽くなりますが大胸筋により強いストレッチをかけられるので、筋繊維に与えるダメージが比較的大きくなり筋肥大効果が高まります。

ダンベルベンチプレスのやり方セット数の目安:10レップ×3セット  セット間のインターバル1分

 

  1. ベンチに寝て、両脇を開いてダンベルを持つ
  2. 胸を張って肩甲骨を寄せダンベルを下ろす
  3. 胸を張って肩甲骨を寄せたままダンベルを上げる

ダンベルベンチプレスのポイント

・肘をできるだけ深く下げて大胸筋にストレッチをかける

・「肩甲骨内転+下方回旋」でブリッジをつくる

  • ・お尻を浮かせない
  • ・前腕の角度が常に垂直になるように

 

5-3.ダンベルフライ

鍛えられる筋肉:メイン(大胸筋) サブ(三角筋前部、上腕三頭筋)

ダンベルプレスもダンベルフライも動作は肩関節水平内転の動きになるんですが、最大負荷がかかるポジションで違いがあります。ダンベルプレスは可動域の中間で最大の負荷がかかるミッドレンジ種目ですが、ダンベルフライは可動域が最も伸びた時に最大の負荷がかかるストレッチ種目です。他には、可動域がもっとも収縮したときに最大の負荷が掛かるコントラクト種目があり、これらの3種類の種目を取り入れて行う筋トレ法をPOF法と言います。

ダンベルフライのやり方セット数の目安:10レップ×3セット  セット間のインターバル1分

 

  1. ベンチに寝て、ダンベルを持つ
  2. 肘を伸ばし気味で両腕を横に大きく開き、胸部をストレッチする
  3. 胸を張って肩甲骨を寄せたまま弧を描くように両腕を閉じる

ダンベルフライのポイント

・肘をできるだけ深く下げて大胸筋にストレッチをかける

・「肩甲骨内転+下方回旋」でブリッジをつくる

  • ・お尻を浮かせない
  • ・プレスの動きにならないように、自分がコントロールできる範囲の重量で行う

 

5-4.インクラインベンチプレス

鍛えられる筋肉:メイン(大胸筋上部) サブ(三角筋前部、上腕三頭筋)

インクラインベンチプレスは、ベンチ台の角度を30〜45度程度に設定して行うベンチプレスです。角度を付けることによって、大胸筋上部に効きます。ベンチに角度があることによって、腕を胸から見て上側に押し出す必要があります。大胸筋上部を鍛えることによって形の良い大胸筋を作ることができます。

このように、ベンチの角度を変えるだけで同じベンチプレスでも大胸筋の中で負荷が掛かる部位を変えることができるのです。ちなみに、バーベルでもダンベルでもインクラインベンチプレスができます。

インクラインベンチプレスのやり方セット数の目安:10レップ×3セット  セット間のインターバル1分

 

  1. ベンチを30〜45度前後にセットしバーベルを持つ
  2. 胸を張って肩甲骨を寄せバーベルを下ろす
  3. 胸を張って肩甲骨を寄せたままバーベルを上げる

・バーベルの持ち方はサムアラウンドグリップ

  • ・ハの字なるように握る
  • ・「肩甲骨内転+下方回旋」でブリッジをつくる
  • ・お尻を浮かせたり胸でバウンドさせると負荷が軽くなる
  • ・前腕の角度が垂直になるように

インクラインベンチプレスのポイント

 

5-5.インクラインダンベルプレス

鍛えられる筋肉:メイン(大胸筋上部) サブ(三角筋前部、上腕三頭筋)

インクラインダンベルプレスは、インクラインベンチプレスのダンベル版です。これもベンチ台の角度を30〜45度程度に設定して行います。バーベルより大胸筋のストレッチを強くかけることができます。バーベルプレスの7割ほどの重量で行いましょう。大胸筋上部を鍛えることによって形の良い大胸筋を作ることができます。

インクラインダンベルプレスのやり方セット数の目安:10レップ×3セット  セット間のインターバル1分

 

  1. ベンチを30〜45度前後にセットしダンベルを持つ
  2. 胸を張って肩甲骨を寄せダンベルを下ろす
  3. 胸を張って肩甲骨を寄せたままダンベルを上げる

インクラインダンベルプレスのポイント・肘をできるだけ深く下げて大胸筋にストレッチをかける

・「肩甲骨内転+下方回旋」でブリッジをつくる

  • ・お尻を浮かせない
  • ・前腕の角度が常に垂直になるように

 

5-6.デクラインベンチプレス

鍛えられる筋肉:メイン(大胸筋下部) サブ(上腕三頭筋)

斜め下方に水平内転する動きで、自重トレのディップスと同じく大胸筋下部に効くトレーニングメニューです。大胸筋下部を鍛えることによって、より分厚い胸板を作ることができます。

デクラインベンチプレスのやり方セット数の目安:10レップ×3セット  セット間のインターバル1分

 

  1. ベンチに両足を乗せ、頭と両肩をつけたままブリッジ
  2. 肩幅の1.5倍程度の手幅でバーベルを持つ
  3. 胸を張って肩甲骨を寄せ、みぞおち付近にバーベルを下ろす
  4. 胸を張って肩甲骨を寄せたままバーベルを持ち上げる

デクラインベンチプレスのポイント

  • ・前腕の角度が常に垂直になるように

 

 

6.大胸筋を鍛えるマシントレーニング

マシントレーニングは文字通りマシンを用いるトレーニングです。軌道が安定していて高重量でも安全に扱えるので、初心者にもオススメのトレーニング法です。マシントレーニングは、関節を複合的に使うウエイトトレーニングに比べて、1つの種類の関節を動かし特定の筋肉のみ鍛える単関節トレーニングが主なので、比較的簡単に筋肉を鍛えることができます。

 

6-1.チェストプレス

鍛えられる筋肉:メイン(大胸筋) サブ(三角筋前部、上腕三頭筋)

チェストプレスは、シートに座った状態で、真っすぐ腕を前に突き出す大胸筋トレーニングマシンです。ベンチプレスと同様の運動が座った状態で行え、高重量でも安全に行えるので初心者の方にもオススメです。

チェストプレスのやり方セット数の目安:10レップ×3セット  セット間のインターバル1分

 

  1. バーを握り、胸を張って肩甲骨を寄せる
  2. 胸を張って肩甲骨を寄せたままバーを押し出す

チェストプレスのポイント

  • ・「肩甲骨内転+下方回旋」でブリッジをつくる
  • ・ブリッジの姿勢を維持したまま大胸筋に意識を集中させる

 

6-2.チェストフライ(バタフライ)

鍛えられる筋肉:メイン(大胸筋) サブ(三角筋前部、上腕三頭筋)

チェストフライ、別名バタフライはダンベルフライと同じ効果が得られますが、マシンを使って行う分安全性が高く、初心者にもオススメです。ダンベルやバーベルは重りを変えたりする必要がありますし、落とすリスクもあります。マシンなら重量を変えるのが簡単で、限界に来たときも抜くのが安全です。

ダンベルフライの項でも説明しましたが、チェストフライは可動域が最も伸びた時に最大の負荷がかかるストレッチ種目になります。プレス系の動作に比べてわかりやすく肩関節水平内転の動きになります。

またダンベルフライはフォーム次第ではプレスの動きになりやすいですが、マシンをつかったチェストフライでは軌道が安定しているので、大胸筋、特に大胸筋の内側に負荷を乗せやすいです。

チェストフライのやり方セット数の目安:10レップ×3セット  セット間のインターバル1分

 

  1. バーを握り、胸を張って肩甲骨を寄せる
  2. 肘を伸ばし気味で両腕を横に大きく開き、胸部をストレッチする
  3. 胸を張って肩甲骨を寄せたまま弧を描くように両腕を閉じる

チェストフライのポイント

・「肩甲骨内転+下方回旋」でブリッジをつくる

 

6-3.ケーブルクロス(水平内転)

鍛えられる筋肉:メイン(大胸筋) サブ(三角筋前部、上腕三頭筋)

ケーブルクロスオーバーは環境が整っていないとできない筋トレメニューですが、環境があるのなら効率的なトレーニングメニューです。チェストフライやダンベルフライと同じく大胸筋の内側を中心に大胸筋全体を鍛えることができます。チェストフライ以上に最後まで負荷が抜けないのが特徴です。

チェストフライができる環境ならそれでも良いのですが、気分転換に取り入れても面白い種目です。筋トレは慣れてくるとはっきり言って単調作業です。脳内の神経伝達物質が出るので快感はありますが、単調な分飽きてくることもあるでしょう。

そういったときに、同じ部位でも違う筋トレメニューを取り入れると筋トレが面白くなります。もちろん人によって考え方は違うので、同じ種目を徹底的に行うべきだと考える人もいるでしょう。気分転換に普段やらない種目を取り入れるのは賛否両論ありますが、どちらでも良いです。筋肉に負荷を掛けることが重要なので、自分がいかに楽しむか、モチベーションを高く取り組めるかを基準に取り組んでください。

ケーブルクロス(水平内転)のやり方セット数の目安:10レップ×3セット  セット間のインターバル1分

 

  1. 左右のケーブルを高くセットしてグリップを持つ
  2. 上体を前傾に倒し、肘を90度、肩の高さにくるとこまでケーブルを引く
  3. そこから胸を張って肩甲骨を寄せたまま両手のケーブルを引く

ケーブルクロス(水平内転)のポイント

・大胸筋にストレッチを感じながらおこなう

 

6-4.ケーブルクロス(内転)

鍛えられる筋肉:メイン(大胸筋下部) サブ(上腕三頭筋、三角筋)

上のケーブルクロス(水平内転)のフォームで、上体の前傾をなくすことで、大胸筋下部に効かせることができる肩関節内転のトレーニングメニューに変えることができます。

自重トレのディップスと同じような動作になります。

ケーブルクロス(内転)のやり方セット数の目安:10レップ×3セット  セット間のインターバル1分

 

  1. 左右のケーブルを高くセットしてグリップを持つ
  2. 上体を若干前傾に倒し、肘を90度、肩の高さにくるとこまでケーブルを引く
  3. 両手で斜め下方向へケーブルを引く

 

 

7.大胸筋トレーニングメニューの組み方

以上のように、大胸筋トレーニングは数多くあります。今回挙げた他のものもあるので、全部やるのは不可能と言えるでしょう。いくつか選択していくことになります。まず環境に関しては、ジムに行くのか自宅でトレーニングするのかによって選択するメニューが変わってきます。また、ジムに行く人は筋トレする日をわけて、それによって筋トレメニューを組む方法もあります。

 

7-1.大胸筋トレーニングサンプルメニュー

筋トレ初心者の方向けにサンプルメニューを紹介します。

1.ウォームアップ

可動域確保や体を温めるためのストレッチやランニングを10分ほど行いましょう。トレーニング効果が向上したりケガの予防にもつながります。大胸筋トレーニングでは、効果的に大胸筋に効かせるために「肩甲骨の内転+下方回旋」の動きでブリッジを作る必要があります。肩甲骨の動きが硬いと、この点でうまく大胸筋に負荷が乗ってくれません。三角筋前部や上腕三頭筋にばかり効いてしまいバランスの悪い体になってしまいます。

 

このストレッチポールは全身、特に肩甲骨周辺がうまくほぐれますので、トレーニング前や後に入れてみてください。

 

2.メイントレーニング

体の広い範囲を使うトレーニングから順番に行うことがベターです。またPOF法を参考に伸長・中間・収縮それぞれのポジションで最大の負荷が掛かる3種類のトレーニングメニューを組み込むセットメニューもオススメです。

【大胸筋全体】

1.ベンチプレス(ミッドレンジ種目):10レップ×3セット セット間のインターバル1分

2.ダンベルフライ(ストレッチ種目):10レップ×3セット セット間のインターバル1分

3.ケーブルクロス(コントラクト種目):10レップ×3セット セット間のインターバル1分

【大胸筋上部】

4.インクラインベンチプレス:10レップ×3セット セット間のインターバル1分

【大胸筋下部】

5.ディップス:10レップ×3セット セット間のインターバル1分

様々な角度から大胸筋に刺激を与え、筋肥大・筋力UPを狙って行ってください!

 

 

8.大胸筋を付けすぎると服が入らなくなる?

8-1.大胸筋によって服が似合わなくなることはある

筋肉を付けすぎると服が似合わなくなる、という意見も実際存在し、特に大胸筋が発達しすぎると服が入らないと思われるかもしれません。筋トレを始める際にファッション的なことを気にする人も多いでしょう。

結論としては、大胸筋によって服が似合わなくなる、入らなくなることはあります。少なくとも、今持っている服のサイズが変わる、ファッションのジャンル的に合わなくなる、といったことはあるでしょう。ファッションには、サイズはもちろん体型によって合う合わないジャンルがあります。細身の人には細身の、マッチョにはマッチョに似合うサイズやファッションジャンルがあると言えます。

 

8-2.シンプルなファッションはマッチョに似合う

せっかく鍛えた大胸筋をルックスに活かすのであれば、ファッションについても把握しておくと良いでしょう。ただし、基本的にカジュアルでシンプルなファッションはマッチョに似合います。アメカジなども似合いますが、マッチョにはシンプルなファッションが似合いやすいので、ある意味楽です。

逆に重ね着の多いファッションは細身の人に似合いやすいでしょう。あとは、ロングカーディガンなどで抜け感を意識したようなスタイルも細身の人の方が似合います。マッチョが抜け感を演出してもあまりうまくは伝わりません。

 

8-3.合う服がないといったことはない

このように体型によってサイズ感を合わせることはもちろん、似合うファッションジャンルがあります。大胸筋の発達によって服が似合わなくなる、服が入らなくなる、というのは今まで着ていたような服が合わなくなる、入らなくなるということです。海外のボディビルダーのように過度に発達した筋肉にならない限りは、合う服がないといったことはありません

 

8-4.トータルバランスが大切

結局のところルックスは筋肉や顔や服装を含めたトータルバランスで決まるので、大胸筋を生かすも殺すも自分次第ということです。特に女性はバランス感覚を重視する人が多いので、アンバランスな感じに違和感を覚える人が多いです。たとえば、顔はごつめなのに体だけやたら細かったり、マッチョな人がやたら大胸筋をアピールするような格好をしているとマイナス要素になります。

大胸筋が発達していることは性的なアピールポイントにもなりますが、強調し過ぎるとむしろマイナスです。タンクトップを着たり、わざとピチピチのTシャツを着るようなことは避けた方が良いでしょう。マッチョなことで上がった好感度よりも、ナルシストなことによる嫌悪感の方が圧倒的に大きいということです。せっかく頑張って鍛えた筋肉を嫌われる方向に発揮しても仕方がないので、無駄にアピールし過ぎない、あくまでも自然な大胸筋を装う、といったポイントを押さえてファッションを選ぶと良いです。

 

 

9.まとめ

大胸筋が発達すると外見的にも体の機能的にもメリットがあります。そして、大胸筋トレーニングメニューは自重のものもあればウエイトトレーニングもあります。

環境や理想とする大胸筋は人それぞれかもしれませんが、継続して筋トレすることがもっとも重要なので、焦らず徐々に負荷を高めていくと良いでしょう。無理せず鍛えていけば、神経伝達物質の影響で筋トレが楽しく気持ちよくなってきますし、その結果精神にも良い影響をもたらします。

大胸筋を鍛えることで筋肉が発達して自分が満足し、見た目も変わり、肉体的にも精神的にも健康になります。基本的にメリットばかりなので、ぜひ大胸筋を鍛えてください。

 

イラスト/ハヤシナオユキ

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