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[筋トレ]僧帽筋の鍛え方やおすすめメニュー[完全版]

僧帽筋(そうぼうきん)とは、首の後ろから背中の中心部にかけての大きい筋肉です。よく首の横の肩の部分だけが僧帽筋と勘違いされますが、それは僧帽筋の上部です。首の横の僧帽筋上部、肩の部分の僧帽筋中部、背中にかけての僧帽筋下部も意識して鍛えることで、トータルで僧帽筋を大きくすることできます。

1.僧帽筋とは

1-1.僧帽筋の構造

引用:のむら整骨院

僧帽筋は上部繊維・中部繊維・下部繊維に分かれている浅層筋で、それぞれ働きは異なります。上部繊維は頭蓋骨の後ろの部分(後頭骨上項線)・頚椎から起始しています。首の付け根から肩にかけて盛り上がってる筋肉を見た事があると思いますが、あれは発達した僧帽筋の上部繊維です。中部繊維は第7頚椎〜第3胸椎、下部繊維は第4〜12胸椎に起始しています。頚椎や胸椎から起始して肩甲骨の肩峰・肩甲棘・肩甲棘下部で停止しています。ちょっとこう書くと難しい感じなので簡単に噛み砕いて言うと、「後頭部・両肩の先端・背骨の半分よりちょっと下を線で結んだひし形の形をした筋肉」です。

 

1-2.僧帽筋 起始-停止図

引用:のむら整骨院

 

1-3.僧帽筋の役割

肩甲骨の上方回旋・肩甲骨の内転(肩甲骨を寄せる)・肩甲骨の拳上(上にあげる)など、肩甲骨を動かす際に必要とされる筋肉で、腕を持ち上げる動作で三角筋を補助する役割もあります。日常生活では僧帽筋上部を使う頻度が高く、物を持ち上げる時や肩をすくめる動作の時に働きます。

スポーツでいうと、ボートのオールを引く動作や柔道やレスリングで相手を引きつける動作で必要です。またデッドリフトやをやった事がある方は理解しやすいと思いますが、重量挙げなどでバーベルを引き上げる動作でも使用します。後述しますが、ラグビーやアメフトなどでタックルする際の頭部の固定などにも役立ちます。

 

 

2.僧帽筋を鍛えることによるメリット

僧帽筋を鍛える具体的な筋トレメニューの前に、まずは僧帽筋を鍛えるメリットについて解説します。僧帽筋を鍛えることによって見た目が良くなり、体の機能が向上しますが、実は多くの人が想像している以上の効果が期待できます。

  1. 肩こり解消
  2. ケガの予防
  3. 顔のたるみ改善
  4. 全身の代謝・成長ホルモン分泌量アップ

 

2-1.肩こり解消

これはよく聞く僧帽筋を鍛えるメリットの一つなので、知っている人も多いでしょう。実際僧帽筋を鍛えると肩こりになりにくくなります。肩こりの原因は主に僧帽筋や広背筋の筋疲労です。そのため、僧帽筋や広背筋を鍛えることで肩こり解消につながります。

肩こりで疲労する筋肉は主に遅筋の方です。姿勢は遅筋で維持されており、デスクワークの人などは常に僧帽筋、広背筋がある程度緊張した状態になっています。その結果遅筋が疲労を起こし、肩こりにつながります。遅筋は姿勢の維持で普段から鍛えられている状態ですが、それ以上強化するのが難しいです。代わりに速筋を強化することによって、筋力を底上げできます。そうすることによって最大筋力が高まり、筋疲労が起こりにくくなります。長距離ランナーが速筋も体重が増えすぎない範囲で鍛えることによって、結果的に遅筋のパフォーマンスも上がる事と同じ原理です。

僧帽筋だけを鍛えるとバランスが悪くなりますが、広背筋と合わせて鍛えることによって、肩甲骨を上げる筋肉と下げる筋肉が付きます。その結果、肩こりとは無縁の体になることができるでしょう。僧帽筋トレーニングはデスクワークの人にもぜひおすすめです。

肩こりから頭痛などにつながるとデスクワーカーとしてのパフォーマンスも落ちますが、僧帽筋や広背筋を鍛えておくことによって、頭痛も起こりにくくなります。その結果デスクワークも肉体的に楽にこなせるようになるので、僧帽筋トレーニングで仕事が効率化されます。

 

2-2.ケガの予防

人間にとって、首や脳へのダメージは致命傷になります。これは格闘技やコンタクトスポーツをやっている人だけに限った話ではなく、たとえば車に乗っていて後ろから追突されたり、自転車やバイクで転倒するリスクは多くの人にありえることです。また、普段乗り物に乗らない人でも歩いていて転ぶ可能性がありますが、そういった際にも僧帽筋は役立ちます。

僧帽筋を鍛えることによって、ムチ打ちになりにくい、転倒時に頭を打たない、頭を打っても僧帽筋や首が強いと揺れないので脳震盪を起こしにくい、といったメリットがあります。人間の体はもろいので、頭や首の打ちどころが悪いと生死にかかわる事態になり、生きられたとしても障害が残るようなこともあります。僧帽筋を鍛えることによって、死亡リスクや障害が残るリスクを避けられるのです。

また、僧帽筋を鍛えると首の筋肉も強化されます。人間の筋肉は全身連動していて、大きい筋肉を鍛えると特に周辺の筋肉が代謝や成長ホルモン、一緒に力が入る、といった理由から鍛えられます。僧帽筋は首の筋肉の近くにあり、首の筋肉よりも大きいです。僧帽筋トレーニングによって首の筋肉が強化され、首も衝撃に強くなります。脊髄損傷や脳震盪のリスクを圧倒的に減らすことができるので、生きる上で役立ちます。上述の通り肩こりや頭痛も軽減されるので、僧帽筋は鍛えるメリットが非常に多い筋肉と言えるでしょう。

格闘技の選手やラグビー選手などは、真っ先に首や僧帽筋を鍛えます。首や僧帽筋が弱いと衝撃が加わった際に取り返しがつかないことになり、実際にそういった事故が起きています。スポーツをやっていない人も普通に生活していれば首や頭部に衝撃が加わる可能性があるので、ぜひ僧帽筋を鍛えて衝撃に備えてください。

このように僧帽筋は生死に関わる筋肉なので、鍛えておいて本当に損はありません。事故が起きてからでは遅いので、今のうちから僧帽筋を強化しておくと、いざ衝撃が加わった際に死亡したり、障害が残るリスクが下がります。

 

2-3.顔のたるみ改善

僧帽筋を鍛えると、体の機能向上に役立つということを紹介してきました。しかしそれだけではなく、美容にも役立ちます。顔をたるませないために顔の筋肉を鍛えている人もいるかもしれませんが、顔の筋肉は比較的小さいです。僧帽筋は顔に近い部位にある筋肉で、また顔の筋肉よりも圧倒的に大きい部位になります。

そのため、僧帽筋を鍛えると顔の筋肉にも影響がおよび、顔が引き締まるのです。まさに僧帽筋を鍛えるとアンチエイジング効果があります。僧帽筋を鍛えることによって、体の機能向上と同時に若々しさも保てるのです。筋肉を鍛えると体が若返るとよく言われますが、僧帽筋の場合顔にかなり直接的に影響をもたらすので、単に身体的な機能が高まるだけでなく、顔を若々しく引き締めます。

 

2-4.全身の代謝・成長ホルモン分泌量アップ

僧帽筋は全身のなかでも比較的大きい筋肉なので、鍛えることによって全身に影響をもたらします。体の代謝や成長ホルモン分泌量が増えるので、その点でも意識的に鍛えておくとお得な部位です。

もちろん僧帽筋だけでなく広背筋、大胸筋、下半身の筋肉、といった大きい部位を合わせて鍛えた方が代謝や成長ホルモンアップに効果的なので、全身バランスよく鍛え、そのなかに僧帽筋トレーニングも含めるイメージです。

 

 

3.僧帽筋トレーニング共通のポイント

僧帽筋には上・中・下があるので、上中下をある程度意識して鍛えるとバランスよく筋肉が付きます。特に、僧帽筋上部と下部を意識して鍛えると良いでしょう。僧帽筋中部に関しては、上部を鍛えるときも下部を鍛えるときも連動して動くので一緒に鍛えられます。

しかし、トレーニングメニューが僧帽筋上部か下部に偏ると僧帽筋全体が発達しにくくなるので、少なくとも僧帽筋上部・下部が含まれる筋トレメニューをそれぞれ行うと良いです。

 

 

4.僧帽筋を鍛える自重トレーニング

自重トレーニングは自分の体重で負荷をかける筋力トレーニングです。自重トレーニングは重りやマシンを使わないので自宅でできますし、ケガのリスクも低いです。しかし僧帽筋をメインで鍛える自重トレーニングほぼありません。ほぼないんですが、サブで鍛えられる種目は多少あるので、今回は数少ない僧帽筋自重トレ種目を紹介します。サブですけどね。

 

4-1.懸垂(チンニング)

鍛えられる筋肉:メイン(広背筋) サブ(僧帽筋下部、大円筋、三角筋後部)

懸垂台や懸垂バーを購入すれば自宅でもトレーニングできますが、近くに公園などあれば鉄棒でも行えます。懸垂バーは数千円で購入できるので、家にあると便利でしょう。広背筋をメインで鍛える種目ですが、サブで僧帽筋下部にも負荷がかかります。握り方は、逆手・順手と2種類ありますが、最初は逆手の方が楽に体が持ち上がると思います。最初は地面を蹴ってもOKです。慣れてくれば順手にチャレンジしてみてください。

懸垂は自宅でも自重で手軽に鍛えられるというメリットがあり、自重トレーニングのなかでも比較的負荷が大きいです。背中と腕に強い負荷が掛かるので、ぜひ取り入れたい筋トレメニューです。また、懸垂はぶら下がり健康法の効果も得ることができます。背中や肩や腰のストレッチ効果があるので、腰痛、肩こり改善になります。

懸垂のやり方セット数の目安:10レップ×3セット セット間のインターバル:1〜2分

 

  1. 手幅を肩幅程度にしてバーを握る
  2. 背中を反らし胸を張りながら体を引き上げる

懸垂のポイントや注意点・肩甲骨を寄せながら体を引き上げる

  • ・パワーグリップやストラップがあれば背中の筋肉に効かせやすくなる
  •  

デッドリフトで握力尽きるのでパワーグリップを買いに行きました。

 

4-2.逆立ち腕立て伏せ

鍛えられる筋肉:メイン(肩・三角筋) サブ(大胸筋上部、上腕筋、広背筋、僧帽筋)

逆立ちトレーニングは僧帽筋トレーニングの種目として名前が挙がることが少ないですが、実は僧帽筋にも高い効果があります。僧帽筋だけでなく、三角筋、大胸筋上部、上腕筋、広背筋などにも強い負荷を掛けることが可能です。

そして、僧帽筋上部のみならず、中部、下部にも負荷が掛かります。腹直筋や脊柱起立筋もバランスを取るために強い負荷が掛かるので、上半身の大きい筋肉をトータルで鍛えることのできる優れた筋トレメニューです。

さらに、逆立ち腕立ては逆立ち効果のメリットもあります。普段人間は立ったり座ったりしていますが、内臓は重力で下に降りています。逆立ちをすることによって、内臓の位置を上に上げることができるので、便秘解消や内臓の機能改善などの効果があります。

まずは壁倒立での腕立て伏せから練習してみましょう!

逆立ち腕立て伏せのやり方セット数の目安:10レップ×3セット セット間のインターバル:1〜2分

 

  1. 壁に寄りかかり倒立する
  2. その状態から肘を屈曲させる

 

 

5.僧帽筋を鍛えるウエイトトレーニング

ウエイトトレーニングはダンベルやバーベル、ケトルベルなどの重りを使うトレーニングです。正しいフォームで行わないと肩や腰、膝などの関節を痛めたり、体に支障をきたす可能性があるので、筋トレ初心者は最初は軽い重量でフォーム習得を最優先に行いましょう。

僧帽筋を鍛える種目で、自重・ウエイト・マシンの中では、ウエイトトレーニング種目が最も種類が豊富なので、この項目では色々と紹介していきます。

 

5-1.バーベルシュラッグ

鍛えられる筋肉:メイン(僧帽筋上部) サブ(僧帽筋中部)

バーベルを持って肩をすくめるような動きをする筋トレメニューです。僧帽筋上部をメインターゲットとしており、僧帽筋上部のトレーニングと言えば最初に名前が挙げられる筋トレメニューです。

ちなみに、デッドリフトと組み合わせてバーベルシュラッグを行う方法もあります。デッドリフトで上のポジションまで持ち上げた後に肩をすくめると、デッドリフト+バーベルシュラッグになります。ただし、デッドリフトで扱う重量はバーベルシュラッグで扱うものよりも重い場合が多いので、完全に肩が上がりきらないかもしれません。しかし、肩を上げきらなくても問題ありません。肩を挙げようとするだけでも僧帽筋上部に強い負荷が掛かるので、筋トレになります。

バーベルシュラッグのやり方セット数の目安:10レップ×3セット セット間のインターバル:1分

 

  1. 足を肩幅程度で立つ
  2. バーベルを肩幅程度で持つ
  3. 肩と腕の力を抜いて肩を落とす
  4. 両肩をすくめるように拳上する

バーベルシュラッグのポイントや注意点・肘が曲がり過ぎると僧帽筋上部に効かないので注意

 

5-2.ダンベルシュラッグ

鍛えられる筋肉:メイン(僧帽筋上部) サブ(僧帽筋中部)

シュラッグのダンベルバーションです。バーベルは体の前で握る必要がありますがダンベルの場合自然な姿勢で持てるので、やりやすさではコチラが上です。しかしバーベルほどの高重量を扱えないデメリットもあります。初めてシュラッグをやる方はダンベルをオススメします。

ダンベルシュラッグのやり方セット数の目安:10レップ×3セット セット間のインターバル:1分

 

  1. 足を肩幅程度で立つ
  2. 両手でダンベルを持ち太もものわきに構える
  3. 肩と腕の力を抜いて肩を落とす
  4. 両肩をすくめるように拳上する

ダンベルシュラッグのポイントや注意点・肘が曲がり過ぎると僧帽筋上部に効かないので注意

 

5-3.アップライトローイング

鍛えられる筋肉:僧帽筋、三角筋(中部・後部)

アップライトローイングはバーベルでもダンベルでも行える筋トレメニューです。動きとしてはシュラッグに近いのですが、腕ごと大きく上げることがシュラッグとの違いです。脇を開いて両ヒジを高く振り上げる動きにより、肩甲骨が上方回旋し僧帽筋に負荷がかかります。

僧帽筋に掛かる負荷としては、同じ重量ならアップローイングの方が大きいでしょう。動作が大きい分負荷が大きいです。また、僧帽筋と同時に三角筋にも高い効果が期待できます。ただし、シュラッグの方が高重量を扱えるので、僧帽筋にピンポイントで高い負荷を掛けたいならシュラッグの方がオススメです。

アップライトローイングのやり方セット数の目安:10レップ×3セット セット間のインターバル:1分

 

  1. 足を肩幅程度で立つ
  2. 手幅をこぶし2個分でバーベルを持つ
  3. 脇を開いて両肘を高く上げる

アップライトローイングのポイントや注意点・肘から持ち上げ、肘を高く上げるイメージ

  • ・体に近い位置に引き上げると、僧帽筋に効かせやすい

 

5-4.ベントオーバーローイング(ワイド)

鍛えられる筋肉:僧帽筋(中部・下部)、広背筋

ベントオーバーローイングは、広背筋、脊柱起立筋、僧帽筋中部・下部に強い負荷が掛かります。背中の中央部にもっとも負荷が掛かり、上部と下部にも負荷が掛かるといったイメージです。背中全体に強い負荷が掛かるので、大きい背中を作ることができます。

バーベルを持つ手幅を広くとり、肩甲骨をしっかり寄せる、みぞおち側に引くことで僧帽筋に強い刺激を与えることができます。手幅を狭くとると広背筋にメインに効きます。

ベントオーバーローイングのやり方セット数の目安:10レップ×3セット セット間のインターバル:1分

 

  1. 足を肩幅より少し狭めで立つ
  2. 手幅は肩幅の1.5倍程度でバーベルを持つ
  3. 背すじを伸ばして45〜60°前傾する
  4. 肩甲骨を寄せながら両肘を引く

ベントオーバーローイングのポイントや注意点・みぞおちに向けて引くと、僧帽筋に効かせやすい

・股関節に向けて引くと、広背筋に効かせやすい

 

5-5.ダンベルローイング(両腕)

鍛えられる筋肉:僧帽筋(中部・下部)、広背筋

広背筋のトレーニングでワンハンドローイングは、よく目にすると思いますが、両腕で行うダンベルローイングでは肩甲骨を強く寄せることを意識して両肘を上方へ引くことで僧帽筋中部から下部にかけて刺激を与えることが可能です。

ダンベルローイングのやり方セット数の目安:10レップ×3セット セット間のインターバル:1分

 

  1. 足を肩幅より少し狭めで立つ
  2. 両手でダンベルを持つ
  3. 背すじを伸ばして45〜60°前傾する
  4. 肩甲骨を寄せながら両肘を引く

ダンベルローイングのポイントや注意点・動画では足の付け根に向けて引いてるが、みぞおち・お腹に向けて引くと、僧帽筋に効かせやすい

 

5-6.スナッチハイプル

スナッチハイプルはアップローイングに動きとしては近いのですが、脊柱起立筋も導引させてより高く一気に引き上げることがポイントです。僧帽筋がメインターゲットではありますが、より大きい筋肉である脊柱起立筋と下半身の筋肉も連動させて反動で持ち上げるので、より大きい重量を扱うことが可能です。またカラダの連動性を高める効果もあります。

 

5-7.ベントオーバーサイドレイズ

ベントオーバーサイドレイズは、ダンベルを持った両手を横に広げて持ち上げる筋トレメニューです。三角筋後部を鍛えるトレーニング種目ですが、肩甲骨を寄せることで僧帽筋中部をメインターゲットで鍛えることができます。持ち上げたところでキープすることによって、アイソメトリックトレーニングにもできます。

 

5-8.バーベルビハインドシュラッグ

バーベルビハインドシュラッグは、バーベルを後ろ側で持つシュラッグです。後ろ手で持つことによって、背中の低い位置に負荷が掛かります。僧帽筋中部から下部に掛けて負荷が強くなるので、普通のシュラッグと合わせて行うと僧帽筋全体に負荷が掛かります。

 

5-9.デッドリフト

鍛えられる筋肉:メイン(大殿筋、ハムストリング、脊柱起立筋) サブ(広背筋、僧帽筋、大腿四頭筋)

デッドリフトは体の背面を上から下まで鍛えられる筋トレメニューです。メインターゲットは体の中心部にある脊柱起立筋ですが、下はハムストリング、上は僧帽筋上部まで満遍なく負荷が掛かります。

僧帽筋全体にも強い負荷が掛かるので、さすがBIG3といったところでしょう。筋トレはBIG3を行えばほぼ全身を網羅できると言われていますが、僧帽筋はデッドリフトがカバーしています。デッドリフトをみっちり行っている人は、他の僧帽筋トレーニングを行っていなくても、僧帽筋が発達しています。

デッドリフトのやり方

セット数の目安:10レップ×3セット セット間のインターバル:1〜2分

 

  1. 足幅は肩幅程度で、バーが足の真ん中の位置に立つ
  2. 手幅は肩幅よりやや広めでバーベルを持つ
  3. 膝を軽く曲げ、背筋を伸ばして45度程度に上体を倒す
  4. 背筋を伸ばしたまま上体を起こし胸を張る

デッドリフトのポイント

  • ・スタートポジションでは、バーの真上に肩甲骨がある
  • ・足を押し込むイメージでバーベルを持ち上げる
  • ・腰を痛めないように正しいフォームで行う
  • ・高重量で握力が足りない場合はパワーグリップなどを活用する
  •  

デッドリフトで握力尽きるのでパワーグリップを買いに行きました。

 

 

6.僧帽筋を鍛えるマシントレーニング

マシントレーニングは文字通りマシンを用いるトレーニングです。マシントレーニングは軌道が安定しているので、筋トレ初心者の方もジムのスタッフさんに使い方を教えてもらえば、すぐに使いこなせるはずです。僧帽筋のマシントレーニングは2種類ほど紹介したいと思います。

 

6-1.シーテッドローイング

鍛えられる筋肉:メイン(僧帽筋中部・下部、広背筋) サブ(三角筋後部)

シーテッドロウは後ろに引く運動なので、広背筋僧帽筋中部〜下部を鍛えることができます。背中の中央部の広い範囲に負荷が掛かるので、背中を大きくするトレーニングです。上体を前傾させず立てたまま行うことで肩甲骨の寄りを意識することができます。

シーテッドローイングのやり方

セット数の目安:10レップ×3セット セット間のインターバル:1分

 

  1. 軽く膝を曲げて足を固定する
  2. 両手でハンドルを握る。
  3. 背中をまっすぐに立て胸を張る
  4. 肩甲骨を寄せながら両肘を引き、ハンドルをおへそに近づける

シーテッドローイングのポイントや注意点・両足の間隔は肩幅程度

  • ・上体が後傾すると肩甲骨の動きが小さくなるので注意

 

6-2.ラットプルダウン(ナロー)

鍛えられる筋肉:メイン(僧帽筋中部・下部、広背筋) サブ(三角筋後部)

ラットプルダウンは僧帽筋、広背筋がストレッチされた状態で負荷をかけられます。動画では、広い手幅で行うラットプルダウン(ワイド)でトレーニングしていますが、手幅を狭くもつラットプルダウン(ナロー)ではより肩甲骨の寄りが意識しやすく僧帽筋に効かせやすくなります。

ラットプルダウン(ナロー)のやり方セット数の目安:10レップ×3セット セット間のインターバル:1分

 

  1. シートに座りパッドで下半身を固定する
  2. 30cm程度の手幅でバーを握る
  3. 背中を反らしながら胸を張り肩甲骨を寄せながらバーを胸に向かって引く

ラットプルダウン(ナロー)のポイントや注意点・バーを引く際は、上体をやや後傾にする。

 

 

7.結局どの筋トレメニューを行えば良いのか

いろいろな僧帽筋トレーニングメニューを紹介していきましたが、全部を行うのはほぼ不可能です。別の日に行う形でローテーションを組めば僧帽筋トレーニングを網羅できるかもしれませんが、そのようなことをするメリットはあまりないでしょう。

たしかに色々な筋トレメニューを行った方がバランスよく筋肥大しやすいのですが、僧帽筋のトレーニングをそれほど多く取り入れるのははっきり言って面倒でしょう。なるべくなら効率的に鍛えたいものです。

また、筋トレは大きい部位に負荷を掛ける、なるべく多くの部位に負荷を掛けると効率が良い、といった鉄則があります。筋トレに時間を掛けられる人で、全身を分割してくまなく鍛えたい人は僧帽筋単体で考えても問題ありません。

しかし、僧帽筋だけを鍛えてもバランスが悪く、全身を鍛えていく必要があります。そのように考えると、なるべく僧帽筋だけでなく、他の部位も一緒に鍛えた方が効率的なのです。大きい筋肉を一気に鍛える、という意識で筋トレメニューを考えると良いでしょう。

 

7-1.僧帽筋トレーニングサンプルメニュー

トレーニングの流れとしては、まずはケガの予防や可動域の確保のためストレッチなどでウォームアップを行いましょう。また僧帽筋単体を鍛える主要トレーニングと僧帽筋を含めた広い範囲を鍛えることができる補助トレーニングを組み合わせたトレーニングメニューを組むことをオススメします。

 

1.ウォームアップ

体をほぐし温めるためのストレッチやランニングを10分程度行いましょう。しっかりとウォームアップしておくことでケガを予防できます。

 
2.主要トレーニング

・バーベルシュラッグ:僧帽筋上部・中部

・ベントオーバーローイング(ワイド):僧帽筋下部・中部

上記2種目で僧帽筋全体を鍛えることができます。時間がない方はデッドリフト一択でOKです。上記2種目はどちらもバーベル種目なので連続でセットを組みやすいです。

ダンベル派の方は

・ダンベルシュラッグ:僧帽筋上部・中部

・ダンベルローイング:僧帽筋下部・中部

で追い込みましょう。

 

3.補助トレーニング

・ワンハンドローイング:広背筋、僧帽筋中部・下部

僧帽筋の筋トレセットメニューは、ほとんどの人は背中や上半身のトレーニングの日に入れると思います。筋トレを行う際は大きな部位から鍛えることがベターです。なので、上記僧帽筋セットメニューを行う場合の流れとしては

【背中の日】

  1. ワンハンドローイング(広背筋・僧帽筋中部〜下部)
  2. ラットプルダウン(広背筋・僧帽筋中部〜下部)
  3. シーテッドローイング(広背筋・僧帽筋中部〜下部)
  4. バーベルシュラッグ(僧帽筋上部〜中部)

【上半身の日】

  1. ベンチプレス(胸)
  2. ラットプルダウン(背中・僧帽筋中部〜下部)
  3. ダンベルショルダープレス(肩)
  4. バーベルシュラッグ(僧帽筋上部)

このようなメニューになります。

 

 

8.効率的に楽しく継続できる筋トレメニューがおすすめ

8-1.ランナーズハイ

筋トレは慣れてくると、負荷自体が辛いということはありません。筋トレに慣れていないうちは、「体中が筋肉痛で痛い」「筋トレ中に力を入れるのが辛い」といったことがあるでしょう。しかし、慣れてくるとむしろ快感になる場合が多く、それはランナーズハイと同じ原理です。

筋トレを繰り返していると、筋トレ時に脳内でドーパミンやエンドルフィンが分泌されるようになります。その結果、筋トレ自体は楽しい、気持ちいいものになります。特に大きい部位に負荷を掛けると全身に気持ちよさがあるので、快感は大きくなります。

マラソンランナーやボディビルダーは周りから見れば辛いトレーニングをしているように見えるかもしれませんが、本人たちは快感を感じながらやっています。むしろ気持ちよさがないとあれほど継続することはできないでしょう。

走るなと言われても走りたい、鍛えるなと言われても鍛えたいくらいに中毒化してくるのです。もちろん行き過ぎると本当に中毒になってしまうので害がありますが、うまく脳内の神経伝達物質の作用を利用すると、楽しく気持ちよく筋トレできます

 

8-2.短時間で効率的に

このように慣れてくると快感に変わる筋トレですが、それでも続かない原因はなんでしょう?もちろん最初の段階では「筋トレがきつい、辛いからもうやりたくない」といったことになる可能性はあります。ただし、継続すれば快感になるので、きついことが筋トレを辞める原因にはあまりなりません

ある程度筋トレを継続していたのに辞めてしまう原因の多くは、「時間がない」「面倒」といった理由でしょう。仕事が忙しかったり、他の趣味があると筋トレがたとえ楽しくても後回しになってしまう可能性があります。

せっかく習慣化して楽しく、気持ちよくなってきた筋トレを辞めてしまうのはもったいないです。そのためには、なるべく時間が掛からず、面倒くさくないメニューの組み方にすることが重要です。

特に、細かい部位の筋トレメニューを単体で入れたりすると一気に面倒くささが増します。また、小さい筋肉に負荷を掛けても快感が少ないので、時間が掛かって、さらに面倒くさくなります。時間節約、面倒くさくない、気持ちいい、といった理由から、なるべく大きい筋肉に負荷を掛け、できれば複数個所に一気に負荷を掛けるとより効率的です。

 

8-3.まずはBIG3から習得を

【肩関節・肩甲骨周辺の筋体積ランキング】

 

  1. 三角筋(前部・中部・後部):792㎠
  2. 大胸筋(上部・中部・下部):676㎠
  3. ローテーターカフ(肩の深層筋):672㎠
  4. 広背筋(単体):550㎠
  5. 僧帽筋(上部・中部・下部):458㎠

僧帽筋は全身でも比較的大きい筋肉ですが、広背筋や大胸筋や三角筋も同等かそれ以上に大きい筋肉になります。そのため、僧帽筋は広背筋や三角筋とセットで鍛えた方が効率的で、なおかつ快感も増します。筋トレは効率良くやればかなり短時間で終わりますし、その結果楽しく継続しやすくなります。

僧帽筋を含めて全身を筋肥大させていく必要があるので、最初のうちはBIG3で広範囲に負荷の掛かる筋トレメニューを選択し、効率良く全身を短時間で鍛えていくことがおすすめです。そうすれば無理なく習慣化して継続できるでしょう。

特に僧帽筋に特化して鍛えるのは、BIG3である程度全身筋肥大させてからでも遅くありません。むしろその方が良いです。最初から特定の部位にこだわるのではなく、最初はとにかく大きい筋肉を中心に全身をバランスよく鍛えることが重要です。

 

 

9.僧帽筋や肩周りのイメージ

僧帽筋が過度に発達すると、独特のなで肩になることがあります。特に、僧帽筋に見合った三角筋や肩回りの筋肉がないと不自然な形になります。ネット上にも僧帽筋ばかりが過度に発達した画像があるので、見てみるとイメージが湧きやすいでしょう。

シュラッグばかりを行っても、目に見えて僧帽筋上部ばかりが過剰に発達するとは限りませんが、少なくとも、三角筋、大胸筋、広背筋、などは同じくらい鍛えた方がバランスは良くなります。一部分の筋肉ばかりが発達すると見た目もバランスが悪いですし、血流や姿勢や関節に通常掛からない負荷が掛かり、体を傷める可能性もあります。

僧帽筋がかなり発達していていも、それに見合った肩回りの筋肉があれば極端ななで肩にはなりません。

 

 

10.まとめ

僧帽筋を鍛える筋トレメニューはいろいろありますが、僧帽筋上部中部下部をバランスよく鍛えられるようにメニューを組むのが基本です。そして、いろいろなメニューをやる手間を省きたいということであれば、なるべく広範囲に負荷の掛かるメニューをいくつか行うと良いです。

広範囲に負荷の掛かるメニューを行えば、時間的にも労力的にもお得で、筋トレしていて快感が大きいというメリットもあります。部位を細かく分けすぎると挫折する原因にもなるので、最初のうちは特にBIG3など部位網羅率の高いメニューを行うと良いです。僧帽筋単体のトレーニングは、ある程度筋トレに慣れて、こだわりができてからでも良いかもしれません。

 

イラスト/ハヤシナオユキ

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