無茶な食事制限は肥満への近道…その理由とは?
ダイエットの際には「摂取カロリー<消費カロリー」の状態が基本です。普段から運動している人は良いのですが、急に運動するのは大変でしょう。また、消費カロリーを増やすよりも摂取カロリーを減らす方が簡単なので、食事制限に特化したダイエットに頼りがちです。食べなければ良いだけなので楽と言えば楽なのですが、実はそこに頼りすぎると思わぬしっぺ返しを食らいます。
1.過度な食事制限でかえって太る理由
食事制限によってかえって太る理由はいくつかあります。それは主に以下のようなものです。
などの理由があります。それぞれについて詳細に解説していきます。
1-1.体が飢餓状態になる
過度な食事制限をすることによって体は飢餓状態となります。人間の遺伝子は原始時代からそれほど変わっていませんが、昔はいつ食事できるかわからない状況でした。狩りではいつ獲物が取れるかわかりませんでしたし、農耕でも不作が続くこともありました。
人間は食料がないときは体を省エネモードに切り替え、脂肪を蓄えることで生き延びてきました。大昔はそれが生命の維持に役立っていたのですが、現代社会のダイエットにおいては残念ながらマイナスに作用してしまいます。
本人の意識としてはダイエットのために食事制限しているのですが、体はそのようには受け取りません。体は食糧難と捉えているので、当然飢餓状態に突入します。せっかく食事を制限しても、脂肪を蓄えてしまいかえって逆効果になるということです。
1-2.ホメオスタシス機能による影響
ホメオスタシスとは、恒常性のことです。一定の状態を保とうとする性質のことで、減量中でいうと、体重が急に変動すると、体はそれに逆らおうとします。体重が急に減ると体が危機感を覚え、元に戻そうとしてしまうのです。これは飢餓の話と同じですが、人間の体が生命維持のために行っていることです。
飢餓状態で体重がどんどん減っていくと生命の危機になるので、ホメオスタシスの機能が働きます。ダイエット時にはマイナスになる機能なので、ホメオスタシスが働かないように制御する必要があります。
1-3.食事制限の反動でドカ食いまたは体調不良になる
食事制限していると単純にお腹が空くので、我慢できずに食べてしまうことがあります。また、一度食べ出すと歯止めが効かなくなり、ついつい食べ過ぎてしまうこともあるでしょう。特に栄養価の低いお菓子などをドカ食いしていまうと、カロリー摂取量が増えるだけでなく栄養バランスも崩れます。
精神的に食事制限を我慢することができても、肉体的に我慢できなくなる可能性があります。肉体的に限界が来ると食事を摂らざるを得ませんが、その際にも一気に食べ過ぎたり、食べたら食べたで吸収し過ぎることがあります。
1-4.必要以上に脂肪を蓄える
飢餓状態やホメオスタシスの機能と連動していますが、食べたときにいつもよりも明らかに脂肪を蓄えるようになります。人間は食糧難の際には体の機能を落としてでも脂肪を蓄えるようになり、それは生命の存続が最優先だからです。
過度な食事制限によるダイエットでは、脳や内臓や肌の機能を一部落として脂肪を蓄えるようになるので、痩せない以外にも体へのデメリットが多くなります。
2.食事制限の負のループ
上述のように、食事制限すると痩せにくくなり、食べるとすぐに脂肪を蓄えるようになります。このときに体が飢餓状態になるとどうなるのか、ホメオスタシス機能がダイエット時のカラダにどのように働くのか、といったことを知らないと厄介です。
こういった知識がないと、より食事制限を強めてしまうようなことにもなりかねません。食事制限しても痩せないということは、もっと食事制限が必要なのか、と思ってしまうのです。当然これは大きな間違いで、ダイエットで停滞したときはむしろしっかり食べる必要があります。
3.ダイエットを効率的に進めるためには
まず食事制限は適度に行うことが重要です。摂取カロリーと消費カロリーの差が500kcal以内になるように調整することで、体が飢餓状態になるのを防げます。このときに栄養バランスを整えることはもちろん必要です。
また、食事制限によるダイエットでは特に1カ月に5kg以上落とさないこともポイントです。これはホメオスタシスの機能が働かないようにするためです。元の体重にもよりますが、1カ月に5kgが目安になります。
そして、食事制限だけでなく運動を行うことももちろん重要です。
4.まとめ
食事制限を過度に行わない、ダイエットは一気に結果を求めない、といったことが重要です。また食事制限だけでなく運動も行うことによって、バランスよく無理なく痩せていくことができます。