暑さに強い体質へ!有酸素運動&半身浴で体温を下げる能力を向上させる
photo by Daniel Foster
暑い夏が来ると、夏バテが心配だという人は少なくありません。同じ体格であっても、暑さに強い人とそうでない人がいます。一体なぜでしょうか?夏バテしやすい人の特徴や有酸素運動&半身浴で暑さに強い体質へと近づける理由を解説します。
1.暑さに負けやすい人の特徴
1-1.汗をかく機会が少ない
夏は冬場に比べると圧倒的に汗をかきやすい季節です。そのため、汗をかく機会が少ないといわれてもピンとこないかもしれませんね。しかし、オフィスでの勤務が多い人であれば、通勤時間以外はほとんどクーラーがかかった部屋にいるという状況は、少なくないはずです。また、こんな状況も考えられます。
外回りで帰ってくるたびにクーラーの冷たい風を浴び、冷たい飲み物を口にするパターンです。水分補給は大切ですが、冷たいものの摂り過ぎは腸から体を冷やし発汗量を減らします。夏場の発汗量が減ると、一体どんなことが起こるのでしょうか?人間の体は、汗をかくことによって体温を調節する機能が備わっています。気温が高いのに汗をかくことができなければ体温を下げることができず、夏バテだけでなく熱中症の危険さえあるのです。
1-2.慢性的な睡眠不足
人間の体が疲労から立ち直るためには、十分な睡眠時間が必要です。なぜなら、睡眠中に分泌される成長ホルモンには運動によって傷ついた筋肉を回復させる役割があるからです。それなのに、眠ることができないとなれば疲労は蓄積していく一方だといえます。睡眠不足に陥る理由と体温は、深い関わりを持っています。人間の体は体温が下がることで入眠しやすくなることが特徴です。体の深部の体温が下がることで副交感神経が刺激されリラックスした状態となって眠くなります。
しかしながら、真冬に寒くて眠れないという経験をしたことがありませんか?眠ろうとするとき体が冷え切っていては逆効果です。暖かいとなんとなく眠くなるという経験をしたことがある人も多いことでしょう。ポカポカと暖かい状態のとき、体は体温を下げようと働きます。つまり、体温を調節しようとして体の深部の体温が下がり始めるのです。これが、睡眠に入っていく際の人体の働きです。
2.半身浴に期待できる効果は?
2-1.発汗を促す
夏場はシャワーだけで入浴を済ませてしまうという人は要注意です。実は、半身浴は全身浴に比べれば発汗しづらいといえます。それでも、シャワーだけで済ませるよりもずっと汗をかきやすいです。また、冬場よりも気温が高い分、湯船に半身が浸かるだけでも発汗しやすいといえます。暑い夏こそ効果的に半身浴ができるチャンスです。
2-2.負担が少なく長時間入浴できる
気温が高い夏場は湯船に浸かりたい気持ちがわきにくいかもしれません。暑さに負けやすい人はとくに、熱い風呂に浸かりたい気持ちがわかないかもしれませんね。しかし、胸から下だけで湯船に浸かる半身浴は全身浴よりも心臓に対する負担が少なく、楽に入浴ができる方法です。そのため、比較的長時間入浴することが可能になります。できるだけ体に負担をかけずに、たっぷりと汗をかくことができるというわけです。
2-3.副交感神経が刺激され入眠しやすい
熱い湯ではなく、ぬるめの湯にゆったりと浸かっていると副交感神経が刺激されリラックスした気持ちになります。そうすると、体は休息しやすい状況へと導かれます。反対に、交感神経が刺激されると興奮状態となり、入眠しづらくなってしまうため注意しましょう。熱い湯が好きだという人は、できるだけ就寝したい時間の2時間以上前に入浴することでリラックスしやすい環境作りを目指せます。ちなみに、人間の体は睡眠中に余剰な脂肪が代謝される仕組みとなっているため、速やかに眠ることができればその分脂肪が付きにくい体を目指せるというメリットもあります。
3.なぜ有酸素運動&半身浴が効果的なのか
有酸素運動と半身浴には、ある共通点があります。それは、血行を促進する効果が期待できる点です。食べ物から体内に取り入れた栄養素は、胃や腸の働きによって消化吸収されます。その後、血流に乗って全身へと運ばれます。つまり、血行を促進することで夏バテを予防するために必要な栄養素が全身に行き届きやすくなる効果が期待できます。
また、有酸素運動は筋力トレーニングに比べると長時間続けやすいことがメリットです。長時間動ける分、汗をたくさんかくことにつながります。運動をして体を動かすことで程よい疲労感が生まれ、眠りにつきやすくなることも大きなメリットだといえます。
手軽にできるおすすめ有酸素運動
- ウォーキング
- なわとび
- 踏み台昇降
- スクワット
スクワットは無酸素運動だと思われがちですが、息が切れない程度のリズムと回数を意識することで有酸素運動の効果を得ることができます。
4.発汗とナトリウムの関係
有酸素運動や半身浴をしてかいた汗の成分はほとんどが水分で、水分に次いで多い成分が塩化ナトリウムです。この塩化ナトリウムとは塩のことで、汗によって排出される塩分は血液がもとになっています。汗を舐めるとしょっぱいため、大量の塩分が流れ出していると思われがちです。しかし、実はそうでもないのです。汗は汗腺から分泌されますが、途中で塩分を再回収する仕組みとなっており、必要以上に体外に塩分を排出しなくてもいいようにコントロールされています。しかし、それでも汗の量が多くなれば再回収が間に合わず体外へ流れ出す塩分量も増えます。そのため、有酸素運動や半身浴後の水分補給の際は、水分と一緒に微量の塩分も補給してあげることが好ましいといえます。
運動後や入浴中後に水分補給をすることも大事ですが、できればのどが渇いたと感じる前に水分摂取を行ないましょう。のどが渇いたと感じたときには、すでに体内の水分量が減少してしまっているためです。