恋人や友人との会話でストレスが緩和するって本当?
人間は原始時代から遺伝子はそれほど変わっていません。もっと言うのであれば、猿の時代からそれほど変わっていません。そして、猿も原始人も集団生活を行っていました。人間は集団でいる状態が普通で、孤独になると不安を感じるようにプログラムされています。その名残で親しい人とコミュニケーションをとることでストレスが解消されると言われています。
ここでは、恋人や友人との会話でストレスが緩和するということについて解説していきたいと思います。
1.近しい人との会話でストレスが緩和するのは人間の本能
1-1.人間はもともと集団で行動する生き物
上述の通り人間はもともと集団で行動する生き物です。そのため、周囲とコミュニケーションを取って生存してきました。周囲に人がいなくて孤立した個体は食料が確保できない、外的にやられる、といった理由で生存できなかったのです。
1-2.恋人や友人とのコミュニケーション
その名残が現代でも残っており、周囲とコミュニケーションが取れないとストレスが溜まるようになっています。逆に、周囲にいる恋人や友人とコミュニケーションを取ると本能的に安心します。「最近不安が多い」「ストレスが溜まっている」といった方は恋人や友人とのコミュニケーションが不足しているケースが多いです。
1-3.周囲とのコミュニケーションでストレス解消
職場やその他のストレスがあっても、恋人や友人とのコミュニケーションがうまくいっていれば、うまくストレス解消してリラックスできている場合が多いです。ストレスが溜まっている人はぜひ周囲とのコミュニケーションを大切にしてみてください。
1-4.ネット上のコミュニケーションだけでは足りない
現代人はコミュニケーション不足の人が多いと指摘されていますが、その結果現代人の幸福度や人生への満足度も下がっています。コンピューターやインターネットが発達しているので必ずしも直接コミュニケーションを取る必要はないのですが、遺伝子レベルで人間の脳の構造を考えると、電子上のコミュニケーションだけでは不足しています。
直接的にコミュニケーションを取ることで脳を満足させることができるので、メールやSNSだけではなく、直接的に会話することがストレス解消に結びつきます。
2.ストレスは脳内の神経伝達物質が原因
2-1.セロトニン
人間は本能的に恋人や友人と会話するものということを説明してきました。そして、それが不足するとストレスを感じ、精神的に不安定になります。この状態は、脳内のセロトニンが不足しています。
セロトニンは幸せホルモンと呼ばれる脳内神経伝達物質で、人間が日々幸福と感じるか、不幸と感じるかはこのセロトニンに大きく影響されています。そして、身近な人とコミュニケーションを取ることによってこのセロトニンを分泌できるのです。
2-2.アドレナリン・ノルアドレナリン
セロトニンの分泌量が減った人間の脳は、その代わりにアドレナリンやノルアドレナリンを多く分泌します。これらの神経伝達物質は興奮したときや、身の危険が迫ったときに多く分泌されるものです。
アドレナリンなどを分泌することによって、自分を奮い立たせて攻撃的な状態を作っているのです。周囲とのコミュニケーションが減っている状態は、原始的には死に近いことを意味します。周囲に人がいないと食糧難や外敵に襲われて死んでしまう可能性が高いので、アドレナリン全開でなんとかその状況を脱しなければならなかったのです。
2-3.適度なストレス
適度なストレスは人間にとって必要不可欠なものと言われますが、このように、ストレスを感じてアドレナリンなどを分泌することで、危機を乗り越える能力が人間には備わっているからです。人が成長するためにはある程度のストレスは必須で、それは肉体も脳も同じです。
周囲とのコミュニケーションが不足した人間は、アドレナリンを出して自分を高めて危機を脱しようとしています。人は大人になると他人とあまりつるまない、とよく言われますが、それは危機を自分の力で乗り越える力を身につけているからです。ただし、孤独はストレスが溜まることでもあるので、周囲の近い人とコミュニケーションを適度に取って、ストレスを解消することも重要です。
3.まとめ
人間にとってコミュニケーション不足はストレスが溜まる状況です。自分で考えて一人で乗り越えることも自己成長につながりますが、過度な孤独はストレス過多の原因にもなります。
適度に恋人や友人とコミュニケーションをとって、リラックスしてストレスをなくすようにしてください。