大食いするなら筋トレ直後!いっぱい食べても太りにくい理由とは?
たくさんご飯を食べれば太るのはあたりまえ。でも実は、大食いしても太りにくい状況があります。それは「筋トレ直後」です。食べても太りにくいなら、ダイエットの大きな助けになりますよね。そこで筋トレ直後に食べると、なぜ太りにくいのか、そのからくりについて調べていきます。
1.インスリンの働き
炭水化物やお菓子などから摂取した糖質は、ブドウ糖に変換され、血液に溶け込みます。ブドウ糖は血流によって体内のすみずみまで循環し、体を動かすエネルギーとなります。
血液に含まれる糖分の量を血糖値といいます。血糖値は高すぎても低すぎても体に悪影響を与えてしまいます。この血糖値をコントロールしているのが「インスリン」です。
食事をして血糖値が上がると、すぐにインスリンが分泌されます。インスリンは、体の各細胞にブドウ糖を吸収させることで、血糖値を下げる働きをします。
また、インスリンはグリコーゲンを合成する働きもしています。グリコーゲンとは、食事で摂取した糖質を体に保存できる形にしたもので、すぐに使えるエネルギー源となります。このグリコーゲンの内、筋肉に蓄えられるのが「筋グリコーゲン」と言われています。
細胞にエネルギーを送り、グリコーゲンの貯蓄をして、それでもまだ糖分があまっているようだと、次にインスリンは糖分を「脂肪」として蓄積します。これが太る原因となります。
2.筋トレ中に体内で起こっている現象

筋トレを始めると、まず筋肉に蓄えられているATP(アデノシン三リン酸)がエネルギーとして消費されます。その後、同じく筋肉に蓄えられているクレアチンリン酸がエネルギーとして使用されます。
筋トレ開始から30秒ほど経過すると、筋グリコーゲンがエネルギーとして使われるようになります。さらに運動を続けた場合は、脂肪を燃焼してエネルギーを産出するようになります。
筋トレは短時間で高負荷を与える運動方法(無酸素運動)です。ですから、主にエネルギーとして使われるのは、脂肪ではなく、筋グリコーゲン(糖質)となります。ここで重要なのは、筋肉に蓄えられる筋グリコーゲンの量が限られているということです。どれほど食事をしても、一定量しかグリコーゲンは増えず、残りは脂肪になってしまいます。
筋トレでどの程度の筋グリコーゲンが消費されるかというデータがあります。それによると、6~20セットの筋トレを15~30分するだけで、筋グリコーゲンが30~40%消費されるとされています。また、タバタ式トレーニングなどを使って高負荷の筋トレを60~90分おこなうと、筋グリコーゲンの消費量は60~75%にもなります。
(参考:Bodybuilding.com)
3.筋トレ直後に食べるとどうなる?
筋トレをした後の30分間は、タンパク質合成が進み筋肉が肥大する「ゴールデンタイム」と呼ばれています。そのため、プロテインなどのタンパク質を摂取するのが良いというのは広く知られたところです。
ゴールデンタイムは関係ないという話もあります↓
しかしこのゴールデンタイムに摂取すべきなのは、タンパク質だけではありません。炭水化物などの糖分も補給すべきなのです。なぜならば、筋トレをすることで筋グリコーゲンが枯渇してしまうからです。
3-1.筋肉の分解を予防する
筋トレの直後は、体が枯渇した筋グリコーゲンを補給しようとしています。この時に食事で炭水化物などを摂取しないと、体は他の方法で糖質を補給しようとしてしまいます。それは「筋肉を分解」して糖質を生み出すという方法です。
せっかく筋トレをしても、筋肉を分解する作用が起こっては、筋重量アップの効果が少なくなってしまいます。ですから、筋トレ後は炭水化物などで糖質を摂る必要があるわけです。
3-2.筋グリコーゲンへ
また筋トレ直後に食事をすると、そのエネルギーは筋グリコーゲンに優先的に使われます。そのため、大食いしても太りにくいという現象が起こるわけです。
4.筋トレ後の炭水化物とインスリン
筋トレ後の食事は、糖質補給という意味がありますが、他にもインスリンの分泌を促すという意味合いもあります。
炭水化物の摂取すると、インスリンが分泌されます。このインスリンは糖分を体に吸収させる働き以外に、アミノ酸を筋肉に吸収させやすくするという効果もあります。
アミノ酸は筋肉の材料となる物質です。その吸収効果が高まれば、さらなる筋肥大が見込めます。
またインスリンは、筋肉内部でのタンパク質合成を促進させるという働きもあります。この事からも、炭水化物摂取によるインスリン分泌が有用だと判断できます。
インスリンは脂肪組織や骨格筋を中心に存在するグルコーストランスポーターの一種であるGLUT4に作用し、そこから血中のグルコースを取り込ませることによって血糖値を下げる重要な役割を持つ。また骨格筋におけるアミノ酸、カリウムの取り込み促進とタンパク質合成の促進、肝臓における糖新生の抑制、グリコーゲンの合成促進・分解抑制、脂肪組織における糖の取り込みと利用促進、脂肪の合成促進・分解抑制などの作用により血糖を抑制し、グリコーゲンや脂肪などの各種貯蔵物質の新生を促進する。
引用:wiki
5.まとめ
筋トレをすると、大量の筋グリコーゲンがエネルギーとして使われます。そして筋グリコーゲンを作るためには、炭水化物などの糖質を摂る必要があります。そのため、筋トレ直後に摂った炭水化物は、筋グリコーゲンとして使われるため脂肪になりません。
このように、筋トレをした後なら、大食いしても太りにくくなっています。ダイエット中に甘いものなどを食べたくなってしまう人は、筋トレ直後を狙ってみるのはどうでしょうか?