夏に走る「夏ラン」の基礎知識アレコレ
真夏のランニングは、注意しないとランナーにとって危険ですし身体を壊してしまう要因になります。ここでは夏ランのメリットや気を付けたい注意点、あるとよいアイテムなど、夏ランの知識をまとめて紹介。夏ランを快適に楽しみたい方は、こちらの記事が参考になります。
1.夏ランのメリット・トレーニング効果とは
うだるような夏の暑さのもとで、ガッツだけで無理に走りこむ – そんな昔ながらのトレーニングは効果があるとは言えません。暑さで身体に必要以上の負荷をかけるのと、適切な運動は必ずしもイコールではないからです。身体を壊してしまっては意味がありませんよね。とはいえ、夏に走る「夏ラン」にメリットがないわけではありません。以下、夏ランのメリットを2つ紹介します。
1-1.健康によい面もあり
メリット
・体温調節機能の向上
・アフターバーン効果
・心肺機能向上
適度に行うことが前提ですが、暑い夏にランニングすることで汗を大量にかくことになり、身体が自分で体温調節する力が向上します。また夏は、ランニングした後も体温が下がりにくいので、高い推移でエネルギー消費が続く(アフター・バーン効果)ことになり、結果的にダイエットにつながります。また他の季節と比較して心拍数が高くなるので、心肺機能が向上するメリットも見逃せません。
1-2.走る力を落とさず向上させる
メリット
・タイムが伸びる
2つ目は、夏の暑い時期に走りこんでおくと、涼しくなった秋や冬に走りやすくなり、タイムが伸びたりして運動効率をあげる可能性があげられます。夏とそれ以外の季節では、走るときの負担が全く違います。夏に走り慣れておけば、他の季節は身体が軽くなったような感じで、楽に走れるようになるでしょう。
また仮に春にきちんと走りこんでいた場合に、それまでせっかく培ってきた走る力を落としたくはないですよね。特にハーフマラソンやフルマラソンなど大きなレースを目標にしているのなら、継続してランニングを続けておくことが必要です。無理はよくありませんが、かといって夏に休んでしまうのもよくありません。
2.夏ランの注意点・アドバイス
暑い気温のなかで走る夏のランニングは、他の季節のランニングとは別物だと思った方がよいでしょう。安全かつ効果的に夏ランを行うにはさまざまな注意点があります。ここではその11つの注意点やアドバイスをまとめて紹介します。
2-1.走るのに適した時間帯は?
最も暑くなる昼間は、走るのを避けた方がよいでしょう。歩くのもだるくなるような猛暑のもとで走れば、そもそもまともに走れないかもしれませんし、身体に余計なダメージを与えてしまう結果にもなります。
そこで比較的気温の低い早朝、もしくは夜間に走るのがおすすめ。いつもより早く起きてランニングをするか、仕事から帰った後に食事をすませてからゆっくり走るのもよいでしょう。昼間に走るよりずっと楽に走れるでしょう。
ちなみに朝と夜に走るのを比較した場合、朝食の前に走れば体脂肪が燃焼しやすくダイエットの効果がより高くなります。朝食前に走ることで、朝食の分の炭水化物がエネルギーとなってもともと身体にあった脂肪が燃焼しにくくなるのを防ぐことが可能です。
たいして夜なら朝よりも楽に走れる上に、日焼けしないというメリットがあります。ただ道が暗くなるので思わぬ転倒や事故などが起こらないよう、朝以上に気を付けることが必要です。自分の生活リズムとも相談しつつ、自分にあった方をえらぶとよいですね。
2-2.走るべき距離やペースは?
他の季節よりも夏に走る方が辛い分、短い時間での負担も高くなります。ですから、他の季節と同じようなペースで同じ距離を走れなくても気にする必要はありません。(むしろ、それが当たり前と割り切りましょう。)
走るべき距離やペースは気にせず、継続して一定時間走ることを心がけるとよいです。走るのが初めての方などは1日に15分程度、慣れている方でも60分程度を目安に走るとよいでしょう。「いつもより遅いペースで距離が短くなっても、無理なく走り続けられるようにする」ことを心がけるとよいでしょう。
2-3.どんなコースを走るとよい?
なるべく日陰を長く走れるコースを見つけておくとよいです。あわせて街中や川沿いのように、舗装された道路は避けることをおすすめします。なぜならアスファルトやコンクリートには日光があたり熱を貯めている可能性が高いからです。その輻射熱(ふくしゃねつ)のせいで、余計あつくなってしまいます。たとえば同じ公園でも、土や芝生の上を走れるコースが理想的です。
2-4.水分補給をしっかり行うこと
体内から2%の水分が失われるとのどが渇くと共に運動能力が低下、それが4~5%に達すると頭痛・めまいといった脱水症状があらわれます。10%以上となると、死にいたることも。そのため夏ランをする際は、適切な水分補給は必須のポイントです。
水分補給の注意点やポイント
・走る前にコップ一杯の水分補給
・15〜30分間隔で一口ずつ
・水よりもスポーツドリンク
・カラダの水分不足はダイエット効果が薄れる
まず走る1~2時間程度前には、コップ1杯分程度の水分を補給しておくことがおすすめ。そして走り始めてからも、「のどが渇いた」と感じる前に水分をとるようにします。のどが渇いているということは、脱水が始まっているということなのです。目安は15分~30分に一口(100ccくらい)ずつ程度ですが、自分の身体に相談しながら「のどが渇く前」のよいタイミングを見つけてください。
なおその際に飲むものですが、水よりもスポーツドリンクの方が良いです。スポーツドリンクでは、汗で失われてしまう電解質も一緒に摂取することができます。身体から電解質が失われると、気分が悪くなる、身体が重くなって動きにくくなるといった症状があらわれます。
ちなみに、身体の中の水分が足りていないと、ダイエットの効果も薄れることも覚えておきましょう。水分が不足することで、脂肪が燃焼しにくくなるためです。つまり安全にランニングを行うためにもダイエットのためにも、水分補給が重要なポイントということです。
2-5.水の飲みすぎにも注意…
ランニングに水分補給は重要、というのは前述の通りですが、何事も「適度に」が基本です。飲みすぎると今度は「水中毒」になってしまいます。水中毒とは、水分の取り過ぎで血液内の塩分濃度が極端に薄まることにより、めまい・頭痛・吐き気といった症状が起きること。特に一度に大量の水を飲んでしまうと、水中毒になることがあります。
繰り返すように、走る前の水分補給はコップ1倍程度、そしてランニング中は間隔をあけて1回1口(100cc)程度にしましょう。また走り終わった後に水分をいっぱい補給したくなる気持ちは分かりますが、1リットル以上を一気に飲み干すようなことは控えてくださいね。それから水中毒を予防するためには、水よりも電解質を含むスポーツドリンクを飲んだり、スーパーなどで売っているような小梅や塩あめなどで塩分を補給したりするのも有効です。
2-6.二日酔いのときは走らない
夏に限ったことではありませんが、特に夏場は二日酔いの状態で走らない方がよいでしょう。体内でお酒のアルコールを分解するために大量の水が必要となり、何もしなくても軽い脱水症状になっている可能性があります。そんな状態で走れば…。運動は避けてゆっくり休んだ方がよいですね。
2-7.紫外線対策も忘れずに
紫外線から身体を守ることで、暑さを避け日焼けを予防することができます。また、紫外線をたくさん浴びて身体が火照ってしまえば、その分、疲労も多く溜まりますよね。紫外線対策は、余計な疲労を避ける意味でも有効なのです。キャップやサングラス、アームカバーなどがおすすめです。
2-8.夏ならウォーミングアップは軽くでよい
ランニングの前に準備運動やストレッチなどを行うと思います。怪我をしないためにも、夏場もしっかり行いたいという人も多いかもしれませんが、夏場は軽い準備運動で大丈夫。他の季節と比較すると、夏の方が筋肉が柔らかくなっているからです。
2-9.長く走りたければ朝と夜にわけて走ることも
夏でもたくさん走りたい! という方は、朝と夜に分けて走るのもよいでしょう。たとえばいつも10km走っているなら、朝と夜に5kmずつ走ってみてはいかがでしょうか。その方が身体に負担をかけることが少ないです。
2-10.室内での筋トレに切り替えるのもおすすめ
がんばって夏にランニングを続けていても、どうしても身体がいうことを聞かない、外に出たくない、ということもあるでしょう。その際は、ランニングを1日休んで、腕立て伏せや腹筋、ランジ、スクワットなどの筋トレに切り替えてみてはいかがでしょうか。ランニングを効率的に行い、長く走っても疲れない身体を作るためにも筋力強化は重要。走る時間を減らす分、夏は室内での筋トレに時間を使う、というのも1つのアイデアです。
2-11.余裕があればときどきあえて暑い時間に走るのも効果的
これはランニングに慣れた方向けのアドバイス。今まで語った注意点と逆になってしまいますが、身体がそれ程疲れていないときなど、余裕があればあえて暑い時間に短い時間走ってみるのもおすすめです。
もちろん脱水症状などで身体を壊してしまっては意味がありませんから、十分気を付けなければいけませんが、体調に十分気を付けて暑い時間に走れば、冒頭で述べた夏ランのメリットをより活かすことができます。自分の身体と相談して、問題なさそうなら、時々は試してみてもよいでしょう。
3.夏ランに最適なおすすめ便利アイテム集6選
夏ランをする際に揃えておきたい便利アイテムを6つご紹介。ここで紹介したアイテムがあるのとないのとでは、ランニングする際の快適さに大きな差が出ます。真夏にたくさん走りこみたい方は、ぜひ参考にしてください。
3-1.機能性Tシャツ
MIZUNO トレーニングウェア バイオギアシャツ
[口コミ]
半袖を着ると赤く日焼けして痛いので、長袖で。
汗をかいてもさっと乾くので涼しく、よく伸びるし、まあまあの耐久性なので
コスパはいいです。締め付けが苦手な方はワンサイズ大き目を選ばれてください。
178cm 82kgでLがほどよい装着感でベストサイズです。
引用:amazon
機能性Tシャツは、一般的なTシャツと比べて吸湿性・速乾性に優れています。真夏にランニングをすれば大量に汗をかくことになりますが、普通のTシャツであると汗でべっとりして不快になる上に、汗で濡れたままだと身体が冷えて風を引く原因にも。
その点、機能性Tシャツは汗をすぐに吸湿する上にすぐに乾くので、たくさん汗をかいても驚くほどさらさらです。真夏に機能性Tシャツを使ってランニングをすると手放せなくなりますよ。
今回紹介したミズノ製のバイオギアシャツは、ストレッチ性も抜群だったり紫外線カットする機能もあったりするので、真夏のランニングには特に適しています。ランナーなら、一着は用意しておきたいおすすめの商品です。
3-2.日よけ付きのランニングキャップ
asics ランニングサンキャップ
引用:amazon
走る際にキャップを被る方も多いかもしれませんが、日よけ付きのキャップがさらにおすすめです。強い日差しから後頭部も守ってくれます。
3-3.スポーツサングラス
RIVBOS(リバッズ)RBK0801 スポーツサングラス
[口コミ]
こちらはジョギング用に。
軽いのと、下にフレームがないので汗や雨など拭きやすいです(^^)
偏光とUVきいてるのが欲しくて買いました。
レンズが色んなバリエーションあるので、その日の天気などで替えられるのもうれしいです。
引用:amazon
ランニング中にサングラスをかける理由は、紫外線から眼を守るため。紫外線が目に入り続けることで疲労し、ストレスの要因になり快適には走れません。紫外線は白内障の原因になることも。また眼から紫外線が入ることで、防御反応としてメラニンが増え、日焼けがすすんでしまうともいわれています。
他にもサングラスをつけるメリットとして、集中力を高めたり、日差しの変化で明るさが変わる中で注意力を維持し転倒などのアクシデントを予防したりといった効果もあげられます。真夏でも頻繁にランニングする場合は、こういったサングラスの購入も検討したいですね。
3-4.冷感タオル
クールコアタオル ブルー
[口コミ]
水分を含んでいる状態で風を受けるとひんやりと気持ちのよい冷え方になります。濡らした時だけ冷たくなる冷感タオルはいくつか使ったことがありますが、この商品は冷感が失われた後もくるくる回して風を当てるとなんででも冷たくなります。この時期に欠かせないものになりました。
引用:amazon
濡らすことにより生じる気化熱によって温度を下げる冷感タオルも、ランニングに限らず夏の運動にはおすすめのグッズ。冷たさは長持ちする上に、水に濡らして振れば何度でも冷感はよみがえります。これがあれば夏場でも涼しい気分で走れそうですね。
3-5.塩飴・塩タブレット
森永製菓 ウイダーinタブレット塩分プラス 80g×6袋
[口コミ]
夏場や山登りで、熱中症予防のために食べていました。
意外に美味しいので、食べたくなります。
引用:amazon
ランニング中は水分だけでなく塩分も失われていきます。水分・塩分どちらが不足しても身体に不調をきたし快適に走れなくなってしまいます。そこで水分と一緒に携帯したいのが塩飴・塩タブレット。紹介した商品は、長距離マラソンの際に摂取するとよいとされるクエン酸・ブドウ糖と一緒に塩分も補給できておすすめです。
3-6.ランニングポーチ
スポーツ用ウエストバッグ
[口コミ]
ランニング用に同じメーカーのサイズが小さいものを初めに購入しましたが、物が入らなすぎてこちらを購入してみました。
デザイン
まぁこれは人それぞれの好みですからね。私的には形、配色共にそこまで好みではありません。材質
普通のポーチといった感じでしょうか。肌触りは良くないですが、ポーチ本体の裏地はメッシュなのでまだ通気性はいいのかなと思います。
やはりベルト硬いのはんーー…走っていると肌に当たって痛い。ソフトカバーみたいなのが付いてると良かったなー。性能
防水?…小降りの雨で走った時はスマホの画面が若干濡れていたような…表は防水でも裏の肌の方からは浸透するのかもしれません。
ランニング用としては私が求めていたくらいの収納力はあり満足。これ以上あってもランニング時はかさばるだけでしょうからね。注文時は気づいていませんでしたが、ボトル収納部が使わない時は収納出来るのはグッド。
腰巻ではまず動きます…まぁ仕方ないのかなー。私は肩に斜めがけで使用。その際はベルトの長さを調整すればほぼ動きません。ただ上にも書きましたがベルトが硬いので首にやや当たります。不快です…コスパ
この値段なら十分なんですかね。
防水面とベルトが改良されたら文句無しですね。
引用:amazon
ランニング中に、ドリンクや飴などを持ち歩くにあると便利なのがランニングポーチ。走りにくくならないように設計されている上に、ランニング中に最低限必要なものはしっかり収納可能です。財布やスマートフォンなどもしまえます。夏にちょっとでも長い時間、長い距離走るのであれば、こういったグッズをそろえておくとよいでしょう。
4.まとめ
ランニングを長く続けるなら、夏だけまるまる休むと効果もあがりにくくなってしまいます。そのためにも、夏の暑さといかにうまく付き合うか、いかに安全快適にランニングするかといった知識も重要です。機能性Tシャツや冷感タオルなど、そのために役立つアイテムもさまざまあるので、気になったものから揃えて夏ランにのぞむとよいでしょう。
イラスト/ハヤシナオユキ