動脈硬化や脳卒中の原因?コレステロールって悪いモノなの?
コレステロールが高くなり、動脈硬化や脳卒中を引き起こすという話を聞くと、おそろしいですよね。しかし、コレステロールは身体になくてはならない大切なモノでもあるのです。なぜ悪いモノという認識が広まってしまうのでしょうか。またLDLとHDLのコレステロールの違いについてもお伝えします。
1.コレステロールは悪いモノ?
コレステロールは、細胞膜を構成する脂質で、身体になくてはならないものです。そのため、コレステロールそのものが、身体に悪いモノという認識は間違いです。イタリアの研究グループの発表による身体にある細胞の数は、37兆個。数えきれないほどの細胞が、身体を作るために存在しているのです。コレステロールが不足すると、身体の機能にも影響を及ぼしそうだということが、イメージできるのではないでしょうか。
ところでなぜ、コレステロールが悪いモノという情報が認知されているのでしょう。ダイエットをするなら、脂を連想させるコレステロールを見直さなきゃと思う人も多いですね。ダイエットとの関連性もみていきたいと思います。
2.コレステロールは増えすぎが問題
コレステロールが身体に悪い影響を及ぼすのは、量が増えすぎた時です。コレステロールが増えると、血液中のコレステロール値が上がります。コレステロールが血管内に多くなると、「ドロドロ血」と呼ばれる脂肪分が多い血液に。さらにドロドロ血は血流の流れも滞らせ、そこから動脈硬化などを引き起こすことが考えられています。コレステロールの量は、血液検査で調べることができます。日本人間ドック学会による、健康診断の総コレステロール値で男性の基準値は151~254mg/dl。たとえば、痩せていてもコレステロールが高いのであれば、肥満でコレステロールが高い人と同じリスクがあるといえます。
健康診断でコレステロール値が基準範囲外になっている人は、何らかの対策をしたほうがよいことになりますね。ところでコレステロールには、LDLやHDLといった聞き慣れない言葉も。そこでそれぞれの意味や働き、上昇時のリスクなども考えていきたいと思います。
3.コレステロールの種類
3-1.LDLコレステロール
悪玉コレステロールと呼ばれているLDLコレステロール。言葉の響きから、身体に悪そうなイメージも受けますが、LDLコレステロールも必要不可欠なモノです。ところでコレステロールは、体内で作られるのが7割、食事からは3割を摂取しています。LDLコレステロールは、肝臓で作られたコレステロールを、各器官に運ぶ働きをしているのです。
しかしLDLが増えすぎると、血液中にコレステロールが残りやすくなり、動脈硬化などの病気を引き起こすリスクがあります。一方、少なすぎると肝硬変などのリスクもあることから、LDLも基準値かどうかが大切になります。日本人間ドック学会によると、LDLコレステロールは60~119mg/dlが正常と診断されています。
3-2.HDLコレステロール
善玉コレステロールと呼ばれ、身体に必要のないコレステロールを回収して、肝臓に戻す役割をしています。ドロドロ血が流れている血管の壁には、不必要なコレステロールが蓄積してしまうおそれもあります。しかし、HDLコレステロールの働きがあれば動脈硬化などのリスクも低くなります。
日本人間ドック学会によるHDLコレステロールの基準値は、40~119mg/dl。基準値を目安にして、ダイエットにも励んでみてはいかがでしょうか。そこで、コレステロールを意識した運動や食事についても考えてみたいと思います。
4.コレステロールを生活習慣から改善しよう
4-1.運動面は有酸素運動がポイント
肥満や運動不足は悪玉コレステロールが多くなり、善玉コレステロールが少なくなってしまいます。つまり、運動をしながらダイエットをすることは、HDLコレステロールをアップさせ、健康的に痩せることができるということに。
コレステロールを下げる運動には、有酸素運動がおすすめ。ウオーキング、ジョギング、スクワット、ヨガ、水泳などがよいでしょう。できれば20分以上は続けてください。また毎日やる必要はなく、1~2日おきでもよいので、無理をせず続けることが大切です。
4-2.食事面ではよい油を選んで
食べ物でも、糖質の高いもの、脂の多い食事を避けるようにし、不必要な油は摂りこまないようにします。ちなみに、油といっても身体によい油もあります。魚に含まれるEPA、亜麻仁油、しそ油などは動脈硬化を抑える働きをします。食事に取り入れるのが難しい場合は、サプリメントで補いましょう。
まとめ
コレステロールが増えすぎると、さまざまな病気につながってしまいます。また肥満の場合は、コレステロール値が高めになることから、病気のリスクも高まりがち。まずはコレステロールが基準値にあるかどうかをチェックしましょう。生活習慣も関係していますので、数か月のスパンでダイエットなどに臨む必要があります。適切な食事や運動を試みてください。