体脂肪率を落としすぎると、風邪を引きやすくなるってホント?
ダイエットをする上で、気になるのは体重だけではありませんよね。やっぱり体脂肪率も落としていきたいと考えている方が多いと思います。けれども、体脂肪率を落とし過ぎると風邪をひきやすくなるという話を聞いたことはありますか?それが本当だとすれば、体脂肪率をどのように管理したら良いのか気になるので調べてみました。
1.体脂肪って何?
1-1.体脂肪は何のために存在しているのか
体脂肪率が高ければ高い程、ダイエットを怠けてしまっているような気になりますよね。そして、スポーツ選手の体脂肪率を見ては自分と比べて溜め息が出てしまうこともしばしば。けれども、そもそも体脂肪とは何のために存在しているのか、ご存知でしょうか?
体脂肪には、食べ物を口にすることが出来ない時のためのエネルギー源となってくれる役割があります。体の非常時になると、体脂肪という倉庫に蓄えられているエネルギーを出してきて使うイメージです。また、外からの衝撃を和らげてくれる働きや、抵抗力が落ちないようにしてくれる役割もあるのです。
1-2.細胞膜の材料
上で紹介したように、エネルギー源やクッション材などの役割が脂肪にはありますが、その中でも最も大切な役割と言えるのが、細胞膜の材料です。人間の体は約37兆個の細胞で形成されています。その一つ一つの細胞の膜は脂肪で作られています。
全身の細胞は絶えず新しく入れ替わっていて、一般的には大体6年周期で全て新しく入れ替わります。この時に、細胞膜の材料である脂質が足りないとカラダに不具合が起こる可能性が高なります。
カラダの組織別 入れ替わり周期
骨:3〜5年
血:4ヶ月
胃:5日
筋肉:2ヶ月
肝臓:2ヶ月
髪:1ヶ月
肌:1ヶ月
小腸:2日
表に出ていて変化がわかりやすい髪や肌は、1ヶ月で細胞が入れ替わるので、体脂肪を落とすために食事から摂る脂質を制限しすぎると、負の効果が顕著に現れます。「髪はパサパサ、肌はカサカサボロボロ」なんてことに、なりかねません。
1-3.脂質を制限しすぎると…。
テレビやyoutubeなどでムキムキのトレーニーがササミやブロッコリーなどを食べている姿を見て、自分もああなりたいから、食事内容をマネするのは危険です。
フィジーカーやビルダーは筋肉量を増やす増量期とカラダを絞る減量期があり、テレビなどでは特にこの減量期の食事風景をテレビ映えも考えて放送しています。
あのような極限まで脂質をカットした食事内容は、1年のうちに大会前2-3ヶ月という限られた期間しか行いませんし、それ以外の期間は筋肉を大きくするために普通の人より高カロリーの食事をしています。
脂質の摂取カロリーが1日に摂る総摂取カロリーの15%以下の場合、テストステロンの合成値が下がるという研究結果が出ていますので、脂質を制限しすぎると様々な弊害が起こります。
1-4.テストステロンの働き
テストステロン(男性ホルモン)は、成長ホルモンに影響を与えて筋肉の合成を促進します。同時にカタボリックホルモンによるコルチゾール分泌(筋肉の分解を促す)を減少させると言われています。テストステロンの量が豊富で、筋肉の再合成のタイミングが合えば、筋肉の肥大はスムーズに運びます。
テストステロンは男性のダイエットには深い関係があって、テストステロンの量が少ない男性は肥満体が多いことも指摘されています。またテストステロンが十分に分泌されることで、ドーパミンという人間のやる気・創造性をつかさどるホルモンも分泌されやすくなります。
筋トレダイエットにおいて、脂質の過剰な制限は逆効果だということです。
1-5.体脂肪率って何?
体脂肪率というのは、体重の中で脂肪はどれだけの割合を占めているか、というのを数値化したものです。ちなみにこの脂肪には皮下脂肪と内臓脂肪の両方が含まれています。体脂肪率は5つに分類されていて、
・痩せ
・標準-(マイナス)
・標準+(プラス)
・軽肥満
・肥満
に分けられます。健康診断結果に書かれることもありますので、見たことが有る方も多いのではないでしょうか。
18歳以上の男性の場合、体脂肪率が
・~10% →「痩せ」
・11~16% →「標準-」
・17~21% →「標準+」
・22~26% →「軽肥満」
・27%~ →「肥満」
ということになります。
2.体脂肪率と免疫力の関係
2-1.体脂肪率が低い場合
保温機能がある体脂肪が少ないと、体温が放出されやすく、体が冷えてしまいます。その結果、体脂肪が標準の人に比べると体温が低くなり、結果として免疫力が低下して、病気にかかりやすくなります。体温と免疫機能は密接に係っていますので、体温低下は免疫力低下にもつながっています。
2-2.女性の低体脂肪率は深刻な問題
下記記事でもあるように、女性の体脂肪率はホルモンバランスや月経周期などに大きく影響する問題で、男性に比べ深刻です。
妊娠率に悪影響 ボーダーラインは15%
18歳以上の女性の場合、20%以下の体脂肪率は、「やせ」区分に属します。ここで「やせ」という言葉をポジティブに受け取ったり、目標値に設定するのはNG。体脂肪率は、高すぎても低すぎても、自然な「妊娠」の妨げになります。
社団法人Luvetelliの『Baby Book』には、妊娠時のBMIが18.5以下で、体脂肪率が17%以下の女性からは、低体重児が生まれやすいとの記述があります。更に、体脂肪率が15%を下回ると、妊娠できる確率は大きくダウンしてしまいます。10%以下になってしまうと、自然に授かることは非常に困難に…。もちろん個人差はありますが、産める身体や正常な月経をキープするための「目安」として、ダイエット時に体脂肪率のボーダーラインを知っておくことは重要だと言えるでしょう。将来出産を予定していない女性も体脂肪率を重視すべき理由
生き方が多様化している現代、将来設計をする上で妊娠や出産は特に考えていない、今のところ予定していないという女性もいるかと思います。けれど、体脂肪率を標準値内にキープすることは、「不調なく生きる」ために、あらゆる女性にとって大切なんです。
オムロンヘルスケア株式会社の「女性のカラダ基礎知識」によると、体脂肪率が18%を切っている女性のうち、排卵が止まってしまう人の割合は半数以上にものぼるそう。生理が数カ月来ていなかったり、周期が極端に短い場合は、排卵が上手にできていない可能性あり。不正出血が頻繁に起こるケースもあります。この時、ホルモンバランスや自律神経は乱れた状態。
2-3.体脂肪率は低いが筋肉量が十分にある場合
体脂肪率は低いが筋肉量が十分にある場合はどうでしょうか。筋肉は熱を発します。筋肉があればあるほど熱源が多くなり、体温が上昇し、冷え症が改善されるといわれています。
ということは、体脂肪率が低くても、筋肉があれば脂肪の保温機能を筋肉の発熱量でカバーできるので、体温低下などのリスクは低くなると言えます。
むしろ筋肉量が十分にある場合は、日頃筋トレなどを習慣化している方かハードな肉体労働者でしょうから、体脂肪率というより仕事やトレーニングによる免疫力低下に注意する必要があります。
具体的な内容は、「5-2.グルタミンとは」の部分で紹介します。
(補足:女性の場合は筋肉量が十分にあっても、体脂肪率がボーダーライン以下だとホルモンバランスなど崩れやすいので注意が必要です。)
2-4.隠れ肥満
また、体脂肪率が低いからと言って、肥満が少ないと言い切ることができないこともあります。たまに体脂肪率が低くて、見た目も太っているように見えない人でも内臓脂肪がついていることで、隠れ肥満になっていることもあります。体重に大きな変化は無いものの、最近ウエストがきつく感じるという人は要注意です。
2-5.体脂肪率が高い場合
免疫力と高い体脂肪率はあまり関係ないようですが、内臓脂肪レベルが高い場合は血圧が高くなったり、糖尿病になったりなど、生活習慣病の危険性が高まります。それらの病気にならないためにも、体脂肪率が標準値になるように運動を心掛けた生活をして、食生活を見直すことが大切です。
男性は女性よりも内臓脂肪が付きやすいので特に注意が必要です。
3.食事制限のみのダイエットは要注意
運動や筋力トレーニングを行わず、食事制限だけで痩せた場合は、十分な筋肉量がなく保温機能があった脂肪のみが取り払われた状態なので、「発熱量も保温機能もない」という最悪の状態です。
この状態はカラダの体温が下がりやすく免疫力ももちろん落ちます。体温が下がるというのは代謝が落ちているということなので、太りやすい体質になっています。ゆえにリバウンドもしやすいです。
3-1.冷える
筋肉量がない状態で、体脂肪率が下がり過ぎて「痩せ」以下の数値になると、体温が下がるので、かなり寒く感じてしまいます。
夏はあまり分からないかもしれませんが、冬の寒い日は今までと違う冷えに驚く人も多いです。もちろん、体脂肪率が標準値に近づけば、体温も正常になり、世間一般の人の体感温度と同じように感じることができるようになります。
3-2.衝撃に弱くなる
また脂肪は体を衝撃から守ってくれる働きもあります。ですから、体脂肪率を落とし過ぎてしまうと、関節を痛めやすくなります。
4.まとめ
4-1.体脂肪率低下→体温低下→免疫力低下
筋肉量が十分にない状態で体脂肪率を落とし過ぎてしまうと体温が下がってしまうので、免疫力が低下して様々な体調不良が出てきてしまいます。これが、「体脂肪率を落としすぎると、風邪をひきやすくなる」と言われている所以です。
4-2.何事も「適度」が大切
自分の「筋肉量による発熱力」と「脂肪量による保温力」を天秤にかけて、体温を下げずに済む体脂肪率を把握する必要があるということですね。
十分な筋肉量がない状態で過度に体脂肪率を落としてしまうと、体温低下で免疫力も落ちて行き、病気になりやすくなります。
また、食事制限や適度な運動で体が爽やかさを感じているのであれば問題ないのですが、必要以上に疲労感を感じている中でダイエットやトレーニングをすると、これも免疫力が落ちる原因になります。
具体的な内容は、「5-2.グルタミンとは」の部分で紹介します。
4-3.楽しく続ける
「健康的に体脂肪率を落とす」ためには楽しく続けることができる運動をすることが大切です。簡単にできるストレッチやヨガをはじめ、一駅手前で電車やバスを降りて歩くようにするだけでも効果は出てきます。
体脂肪率を落とすことだけに注目するのではなく、体脂肪率が適正な値になることを目標にして、免疫力が落ちない工夫をすることもダイエットには必要だと言えます。
5.その他免疫力が落ちるタイミング
筋肉量と脂肪量のバランスも体温も問題がなくても、ダイエットやトレーニングしている方で免疫力が落ちるタイミングがあります。僕はそれで死にかけました。
5-1.僕の傾向と対策
僕は、去年(2017年)の秋から冬にかけて2ヶ月連続で風邪・インフルエンザとひいてしまい死にかけました(笑
この対策として、上の記事でも書いてますが、グルタミンとマルチビタミン&ミネラルのサプリを飲み始めました。その結果、かなりハードなトレーニングをしても体調はバッチリです。
体調ももちろんなんですが、筋肉痛も残りづらくなりました。腕が上がらないほど追い込んでも翌日の筋肉痛がかなり緩和されます。
具体的には、こんな感じでサプリ摂ってます。
トレーニング前
グレープフルーツジュース
ファイナルパンプ(NO系サプリ:粉)
グルタミン(グリコ:粉)
エクストラバーナー(燃焼系サプリ:6錠)
マルチビタミン&ミネラル(1錠)
トレーニング中
BCAAドリンク(XTEND)
トレーニング後
プロテイン(THE WHEY)
グルタミン(グリコ:粉)
糖質ならなんでも
ココに書いてるサプリ類は、下記記事内で色々紹介してるので、読んで頂ければ幸いです。ステマや宣伝とかじゃないので安心して下さい。
5-2.グルタミンとは
photo by amazon
グルタミンは、リンパ球、マクロファージ、好中球と呼ばれる免疫を司る免疫細胞のエネルギー源となるアミノ酸の一種です。体内の全遊離アミノ酸中60%を占めています。
免疫細胞のエネルギー源であるグルタミンが枯渇すると、イコール免疫力が下がるというのは説明せずとも理解できると思います。
風邪を引いた時、疲れが溜まっている時、運動をした時など、体にストレスがかかっている時に大量に消費されます。
消費されたグルタミンが適切に補給されないと、体内のグルタミン量が足りなくなり、筋肉を分解してグルタミンを供給するようになります。これが激しいトレーニング時や、体調が悪くて寝たきりの状態の時に筋肉が失われる理由のひとつです。
いくら筋トレでハードに追い込んでも、その後のケアを怠ると、筋肉が分解されてしまい、本末転倒な結果になるということですね。
グルタミンは体内でも合成されている非必須アミノ酸なので、バランスのとれた食事を摂っていれば基本的に不足することはありません。
しかし、ダイエットを始めた方や日頃から筋トレなどでハードに追い込んでいる方で、「最近、風邪を引きやすいなぁ〜」と感じている方は、偏った食生活かトレーニングによる免疫力低下が原因なので「グルタミン」の摂取をオススメします。
5-3.結論
筋肉量と脂肪量のバランスが問題なくても風邪をひく人は、カラダになんらかのストレスが掛かっていることが考えられます。それは精神的な事かもしれませんし、肉体的なことかもしれません。
きちんと休んで・食べているのに、それでも風邪や体調を崩してしまう方は、体内のグルタミンの供給量が追いついていないのかも。
そんな方は、グルタミンサプリの摂取を、一つの選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。