低GI食品って何?GI値と食べ物の付き合い方
「血糖値」という言葉をテレビや雑誌で見るようになりました。糖質制限ダイエットなどの流行りから、炭水化物や糖質の付き合い方について考える機会が多くなったのが理由かもしれませんね。
血糖値コントロールにおいてGI値という指標があります。では、このGI値とはどういう数値なのか。また、実生活に応用するためにどういったことをしていけばいいのか。これらのことについてみていくことにしましょう。
1.GI値とは?
GI値とは「Glycemic Index」(グリセミック・インデックス)の略で、血糖値上昇の度合いを示します。糖質を含む食材は体内で消化・吸収されたのち、血糖値を上昇させます。
この血糖値の上昇の度合いは食材ごとに異なります。上昇が緩やかな食材もあれば、上昇が急激な食材もあります。GI値が低いほど上昇は緩やかで、反対に高いほど上昇は急激になります。
GI値の基準値としてブドウ糖が用いられます。ブドウ糖を摂取した時の血糖値の上昇の度合いを100として、食材の上昇度をはかります。血糖値をコントロールする上でGI値を意識することは大切なことです。
2.血糖値が上がるメカニズム
血糖値はその名の通り、血液中のブドウ糖の濃度です。例えばご飯などの炭水化物を食べると消化され、ブドウ糖となります。そして吸収され、全身の細胞へ血液に乗って運ばれます。この際、血糖値が上昇します。
その後、血糖値を下げ、細胞にブドウ糖を供給するためにインスリンというホルモンが膵臓から分泌されます。インスリンが分泌されると、血糖値が下がり始め、血糖値は元に戻ります。
私たちの体の中では糖質を食べた後、血液中の血糖値が明確に変化します。ブドウ糖によって血糖値が上昇し、インスリンによって下がる…これが日々行われているのです。
3.血糖値が高いことの弊害
通常であれば血糖値は上昇したのち、インスリンの働きによって正常値に戻されます。しかし、糖質の過剰摂取が日常的になるとインスリンが正常に分泌されなくなり、血糖値が高い状態が維持されてしまうことがあります。これを高血糖といいます。
高血糖の状態はいわばホースの中に水飴を流している状態。血液はネバネバと粘性が高く、ホースの中を通りにくい状態となっています。これは病気のリスクを高めることにつながります。
血管中の血液の流れが悪くなりますから、血管が集中している臓器に深刻な影響を与えるようになります。具体的には目や腎臓といった部位に影響が出るようになります。
また、心臓や脳の病気を招くこともあります。血管が詰まり、血液がうまく巡らなくなることで心筋梗塞や脳梗塞を発病してしまうのですね。命の危険もあり、注意が必要な病気です。
4.低GI食品を意識した血糖値コントロール
健康診断で血糖値が高いと診断された…そういう人が血糖値をコントロールする方法として、低GI食品を意識した食事改善をすることがあげられます。血糖値上昇を緩やかにするのですね。
高血糖の原因は高GI食品を日常的に食べているということが考えられます。血糖値上昇が急激で癖になってしまうと、体もそれに慣れてしまうのです。では、低GI食品にはどういったものがあるのか。具体的には以下の通りです。
炭水化物
・玄米:55
・ライ麦パン:55
・そば:54
・パスタ:50
野菜・きのこ類
・さつまいも:55
・レンコン:38
・ブロッコリー:25
・ほうれん草:15
果実類
・レーズン:57
・バナナ:55
・グレープフルーツ:31
炭水化物は精製されているほど、白い食べ物ほど血糖値のGI値が高くなります。例えば白米では88、食パンでは95、うどんは85です。炭水化物を食べる際にはなるべく色のついたものを食べるようにしましょう。
野菜類であれば、ホクホクとしたものほど糖質量が多く、血糖値が上がりやすいです。ジャガイモなどの芋類、にんじんなどはその代表です。それ以外ならGI値はそれほど気にする必要はないでしょう。
果実類は糖質を含むもののそれほど大きな血糖値上昇は招きません。ただ、ジャムなど砂糖が多く添加されているものには注意が必要です。砂糖も白いもので血糖値を急激にあげるのでなるべくなら避けるようにしましょう。
4-1.炭水化物の低GIランキング
GI値を考える時に最も気になるのは、日本人の主食である、ごはんやパンなどの炭水化物のGI値だと思います。炭水化物のGI値ランキングを下記に紹介しますので、日々の食事の参考にして下さい。
-
- 食パン・・・95
- フランスパン・・・95
- 白米・・・88
- ビーフン・・・88
- もち・・・85
- うどん・・・85
- ロールパン・・・83
- そうめん・・・80
- 赤飯・・・77
- インスタントラーメン・・・73
- ベーグル・・・75
- コーンフレーク・・・75
- パスタ・・・65
- おかゆ(精白米)・・・57
- 玄米・・・55
- ライ麦パン・・・55
- オートミール・・・55
- そば・・・54
- 中華麺・・・50
- 麦・・・50
- 全粒粉パン・・・50
- パスタ(全粒粉)・・・50
- おかゆ(玄米)・・・47
- 春雨・・・32
5.食べ物を取捨選択していく
普段何気なく食べている食べ物のGI値を意識することは少ないかもしれません。白米は日本人のソウルフードですし、麺やパンもどうしても食べたくなるものです。
ただ、それを大量に食べすぎているようであれば、血糖値に関して問題が起こる可能性があるでしょう。毎食ご飯を何杯も食べる。麺やパンを間食で食べてしまう…そういう人は注意が必要です。
私たちの体は食べたものの影響を受けます。健康か不健康でいるかどうかも、普段の食事によって左右されるのです。健康でいたいのであれば、普段食べている食事がどういう影響を与えるのかについて考えてみるといいかもしれません。
6.まとめ
血糖値は体の健康状態を表す1つの指標です。健康診断で高いと医師から言われたのであれば、何かしらを改善する必要があります。特に食事はすぐさま改善する必要があるかもしれませんね。
普段、自分がどんな食べ物を食べているのか。それが体にどういった影響を与えているのか。一度考えてみることで、今後の健康について理解が深まるかもしれません。