人には言えない男の便秘や下痢…原因と対策や解消法を紹介
便秘というと女性特有の悩みのように思われがちですが、便秘で悩んでいる男性は意外にいることが分かっています。また下痢の症状に悩むのは女性より男性の方が多いとされています。便秘や下痢に悩む男性はどの程度いるのでしょうか?
また、腸内環境を整えると言われている食物繊維や乳酸菌にはどれだけの効果があるのでしょうか?これらの疑問への答えと、男性の便秘や下痢の原因や解消方法、予防対策についてまとめましたのでご覧ください。
1.便秘や下痢に悩む男性はどの程度いるのか?
厚生労働省の平成25年国民生活基礎調査によると、便秘の症状があった男性は1,000人に対して26人、下痢の症状があった男性は1,000人に対して19.8人となっています。パーセンテージで表すと便秘は2.6%、下痢は1.98%。男性の便秘の有訴者は女性の有訴者の半数ほど存在することが分かります。また、男性の下痢の有訴者は女性より上回っていることが分かります。(※有訴者:病気やけが等で自覚症状のある者)
2.男性の便秘の原因と対策は?
便秘の症状に苦しむのは女性だけではありません。ここでは男性が便秘になる原因と、予防法や解消法について見ていきましょう。
2-1.男性の便秘の原因
男性の便秘の主な原因は、睡眠不足・生活環境・ストレス・アルコールと言われています。
ここからは、その原因について詳しく説明していきます。
便秘の原因の一つに睡眠不足が挙げられます。日中は交感神経が優位になり、睡眠中は副交感神経が優位に働きます。ですが睡眠不足になると交感神経と副交感神経のバランスが悪くなり自律神経がうまく働かなくなるのです。自律神経の乱れは便秘だけでなく身体にさまざまな不調をもたらします。自律神経を整えるには十分な睡眠が必要なのです。
多くの男性は日中仕事で外に出ていて家でゆっくりすることができません。すっきりとした排便は余裕のあるときにしかできないもの。もし通勤中に便意を感じてもすぐトイレに駆け込めるわけではありません。便意というのは我慢をすると感じにくくなってしまうものであり、そこから便秘体質になるという悪循環が始まるのです。
ストレスが便秘の原因になることもあります。特に男性は仕事によるストレスを受けやすく、女性よりストレス耐性が弱い傾向があります。ストレスは自律神経の働きを低下させ、それに伴い腸の動きも鈍くなってしまうのです。
ストレス解消のためにお酒を飲む男性も多いでしょう。仕事終わりの1杯は身も心も癒してくれます。ですがアルコールには利尿作用があり体の水分量が減らしてしまい、冷たい飲み物は胃腸の働きを弱めてしまいます。またカロリーが高いお酒のおつまみも腸内環境を悪くする原因になります。
2-2.男性の便秘の予防と解消
次は、便秘の予防・解消法を見ていきましょう。
しっかりとした朝食は心地良い排便を促します。ですが朝に余裕が無く食事を摂らないまま出掛けるとその日の排便のタイミングを失うことになります。便秘がちな方が朝に余裕を持つためには今までより30分程度早く起きることをおすすめします。これでは睡眠時間が減ってしまうかと思いがちですが、早起きすることにより自然と就寝時間も早まりますのでご安心ください。
適度なストレスは精神的な強さややる気を引き出してくれるものですが、過度のストレスは自律神経の働きを低下させる原因になります。現代社会に生きていく上でストレスフリーな生活を送るのは困難とも言えますが、便秘がちにならないためにはストレスを上手にコントロールしていく必要があります。休日や一日の終わりのちょっとした時間に自分の好きなことを思いきり出来る時間を作りたいものです。
水分不足も便秘の要因になります。水分が足りていれば便が柔らかく出やすくなります。水分と言っても便秘に効くとされるのはお茶ではなく水です。朝目覚めた時に水を一杯飲むのが良いという話は皆さんご存じなのではないでしょうか。この水は冷蔵庫で冷やしておいたような冷たい水ではなく常温のものがおすすめです。便秘には冷たい水の方が効くとされていますが、腸の働きが悪くなっている人の場合は逆効果になってしまいます。もし水が冷たいと感じたらポットのお湯を足すなどしてぬるめの温度にして飲んでみてください。
3.男性の下痢の原因と対策
女性よりも男性に多い下痢の症状。下痢と便秘を交互に繰り返す方もいるのではないでしょうか。この辛い下痢の原因や予防と解消について見ていきましょう。
3-1.男性の下痢の原因
下痢の原因は一体どんなものなのでしょうか?
主な原因はストレス・アルコール・食生活と言われてます。
下痢の原因は便秘と同じようにストレスからくることがあります。やはり男性は仕事上ストレスを受ける機会が多く、女性よりストレス耐性が弱いので自律神経がうまく整わなくなります。自律神経の働きが悪くなると腸内環境が悪くなり、下痢をして善玉菌まで排泄してしまうという負の連鎖を引き起こします。このことにより腸が過敏になり、便秘と下痢を繰り返す症状が出てしまうことがあります。
男性に下痢の症状が出る理由にアルコールを飲む機会が多いことが挙げられます。アルコールは腸のぜん動運動を促し、腸の動きを活発にします。アルコールにより便秘がちになる男性もいますが、逆に下痢になってしまう男性も多いのです。また冷たい飲み物が腸に刺激を与え、下痢の症状を引き起こすことにもなってしまうのです。
やはりどうしても男性は外食が多くなります。市販の弁当は揚げ物や肉が中心になりがちで野菜もいろどり程度です。和定食などのヘルシーな食べ物を選んでいるつもりでも家での食事より栄養バランスは乱れがちになります。また、ふとカロリー表示を見て恐ろしい数字であることに気付く方もいるのではないでしょうか。高カロリーの食べ物は消化機能を低下させます。胃腸の働きが低下するとやはり腸内環境が悪くなってしまうのです。
3-2.男性の下痢の予防と解消
ここからは、下痢の予防法・解消法をご紹介していきます。
便秘と同じように下痢の場合もストレスをためないことが予防策になります。ですがストレスのない生活などありえないもの。やはり上手にストレスを発散することが解消法となります。職場と家を往復するだけの生活という方も、疲れない程度の趣味を見つけるなどして楽しむ時間や頭を空っぽにする時間を作りましょう。運動もストレスを発散させますが、疲れてしまえば本末転倒です。何事もほどほどにするくらいで良いのではないでしょうか。
アルコールを飲まない方が良いのは当たり前なのですが、それは酷なので飲み方を工夫してお腹をいたわりましょう。冷たい飲み物はほどほどにして、お湯割りや温かいお茶割を飲んでみるのもおすすめです。温かいアルコールは酔いが回るのも早いですが、体から抜けるのも早いと言われています。おつまみも消化の悪いものは避けましょう。
下痢の症状を繰り返すときはアルコールのおつまみ同様、消化の悪い食べ物は控えましょう。またカロリーの高い食べ物や辛い食べ物も下痢の時くらいは我慢しましょう。我慢できずに食べ続けていると下痢が慢性化して痔の症状が出てしまうことにもなりかねません。痔を患っている時に便秘や下痢を繰り返すのはどれだけ苦しいか分かる方も多いのではないでしょうか。
4.男性の腸内環境を整えるには?
便秘や下痢を解消するのに必要なこと。ストレスのない生活、早寝早起き、アルコールを控えて、食生活はカロリーを抑える…。ここまで紹介してきたことがすべてストレスにつながってしまうと思ってしまった方に、ストレスなく腸内環境を整える方法を紹介します。
4-1.食物繊維
便秘や下痢に悩む男性の方におすすめしたいのが食物繊維。食物繊維は腸の善玉菌のエサとなり善玉菌を増やす働きがあります。善玉菌が増えることで腸内環境が良くなり便秘や下痢の症状を改善できます。他にも食物繊維には便を柔らかくする作用があり腸のぜん動運動を助ける効果もあります。また食物繊維はコレステロールの排出も促すので、コレステロール値を下げるといううれしいおまけもついてくるのです。
食物繊維というとサラダなどの生野菜を想像しがちですが、生野菜はかさがありすぎてたくさん食べることはできません。効率的に食物繊維を取りたいときには温野菜やお浸しを食べるのがおすすめです。また寒い季節にはたくさんの野菜が食べられる鍋物が特におすすめです。
4-2.乳酸菌
便秘や下痢を繰り返すときには乳酸菌で腸の善玉菌を増やすという方法もあります。便秘と下痢は全く逆の症状のように思いがちですが、どちらも腸内環境が悪化していることに変わりありません。腸内環境が悪化しているということは腸内に悪玉菌が増えているということになります。ここに乳酸菌を取り入れて善玉菌を増やせば悪玉菌を減らすことにつながります。善玉菌が増えることで腸内環境が改善されれば便秘にも下痢にも効果があるというわけなのです。
乳酸菌を多く含む食べ物としては味噌やヨーグルト、キムチなどの発酵食品が挙げられます。また納豆に含まれる納豆菌は腸の善玉菌を助ける役割を持ちます。乳酸菌や納豆菌が含まれる食品をなかなか口にできない方にはシロタ株が含まれている乳飲料やサプリなどがおすすめです。
5.まとめ
男性の便秘や下痢の原因と、予防と解消について紹介いたしました。仕事のためゆっくり家に居ることもできない男性にとって、便秘や下痢の症状は辛いものです。やれ早起きだ、アルコールを飲むな、カロリーを控えろ、ストレスをためるなと言われても、そう簡単にはいかないことでしょう。
このような悩める男性たちにおすすめしたいのは食物繊維と乳酸菌を積極的に摂取することです。昼はどうしても外食に頼りがちになりますが、朝は納豆と味噌汁、夜はキムチや鍋物を食べて腸内環境をコントロールしましょう。