人が1日で失う水分量は2.5L!? その内訳と水分をこまめにとるメリット
激しい運動をしたり、暑くて大量に汗をかいたりしていなくても、1日で約2.5Lの水分を失っていると言われています。では、どのような内訳で体の水分は失われているのでしょうか?
1.体の中の水分はどんな働きをしている?
1-1.血液として働いている
血液中の水分は約9割を占めています。その血液の働きは酸素や栄養を体中に運ぶと共に、老廃物を腎臓に送る働きも担っています。ですから、体の中の水分が少なくなってしまうと、血液はドロドロになってしまい、脳梗塞などを引き起こす原因になることがあります。
1-2.老廃物を体の外に出す
体の中に溜まった老廃物を尿として体の外に出します。けれども、体の中の水分量が少なくなれば、尿として排出される水分量も少なくなってしまいます。つまり、体の中に溜まった老廃物が体の外に出されにくくなりますので、体内に留まってしまいます。
1-3.体温調節をする
暑いと感じると、体から汗が出てきますよね。これは汗をかくことでその汗が蒸発する時に体の熱を奪うようにするためです。つまり、体が熱くなり過ぎないように体温調節をする役目を担っているのです。もしも、体が熱くなってきて体温を下げなければならないのに、汗として出る水分が足りていないと、体温を下げることができなくなって体調が悪くなってしまうことがあります。
2.人が1日に失う水分量の内訳
2-1.尿として失う水分量
1日に何回も尿を出すようになっていますが、トータルで約1.2Lの水分を出していることになります。もちろん、水分をたくさん摂取する習慣のある人は、もっと多くの量を出していることになりますし、あまり水分を摂らない生活をしている人なら、尿の量は少なくなります。けれども、体の老廃物を外に出すという役割から考えると、1日にだいたい500mlの尿は出した方が良いとされています。
2-2.体から無意識に蒸発して失っている水分量
汗や尿と違い、呼吸と共に排出されている水蒸気や、汗と認識できる程の量では無い、微量の水分が人間の体からは出ています。これらを合わせると1日に約1Lの水分を失っていることになります。
2-3.汗として失っている水分量
汗の量には個人差があります。例えば、激しい運動をしている人、暑い夏に外で仕事をしている人は汗をたくさんかきますし、冷暖房が完備された部屋で過ごすことが多い人は汗をあまりかきません。それでも、4時間座り続けただけでも約200mlの汗をかきますし、お風呂に入るだけでも約400mlの汗をかくと言われています。ただ眠っているだけでも約500mlの汗をかきます。そして、スポーツをすると1Lから2Lの汗をかきます。
3.水分こまめにとるメリットとは
3-1.水分不足で起こる症状
水分をこまめに取ることで、水分不足になることを防ぎます。なぜ水分不足を防がなければならないのかというと、それは体が不調に陥ってしまうからです。水分不足で脱水状態になると、頭が痛くなったり、意識が朦朧としてきたりします。また、水分をしっかりとっていれば心臓病で死亡するリスクが4割減るという研究結果もあります。つまり、水分補給は脱水症状を防ぐだけでなく、心臓病や様々な病気のリスクを下げてくれると言えます。
3-2.運動時のパフォーマンスを上げてくれる
ダイエットのためにトレーニングをしている人にとって、パフォーマンスを上げることはとても大切です。けれども、水分をしっかり補給しておかなければ、結果はついてきません。体が失った水分を補給することで練習の成果を発揮し、健康にスポーツを楽しむことができるようになります。
3-3.ダイエットに役立つ
食事前に水を飲むことで、空腹感を紛らわせ、結果として食事量が減り、ダイエットにも効果があると言われています。水をこまめに取ることで、ジュース等を飲む機会も減りますので、健康的に痩せるのに効果があります。
4.水分はどのタイミングでとれば良い?
4-1.一度に大量の水を飲みすぎない
水が体に良いのであれば、とりあえず水を頻繁に飲もうと考えてしまいがちですが、一度に必要以上の水を飲み過ぎると、尿として排出しきれなった水分は体に溜まって、体を冷やし、血液の流れを悪くしてしまうことがあります。その結果、水毒といって、体に様々な不調が出てきてしまいます。くれぐれも一度に大量の水を飲み過ぎないようにして下さい。
4-2.水を飲むタイミング
・起床後
・就寝前
・外出・運動
・入浴後
・食事
では、どのようなタイミングで水を飲めば良いのでしょうか。眠っている間にも汗をかいていることは上記で説明しましたが、その失った水分を補給するには、起床後に飲むのがベストです。コップ1杯程度の水を飲むことを心掛けましょう。眠る前にもコップ1杯分の水を飲むことで、眠っている間にかく汗の水分を蓄えておくことができます。また、外出したり、少し運動したりしたな、と感じた後に飲むことも大切です。もちろん入浴後は体温も上昇して汗をかきますので、水分補給を忘れないようにして下さい。あとは、食事毎にコップ1杯程度の水を飲むことを意識すると良いでしょう。
5.飲み水には硬水と軟水がある
水には硬水と軟水があることをご存知でしょうか?硬度が120ml以上の水が硬水とされていて、硬度が120ml未満だと軟水とされています。硬水とはカルシウムとマグネシウムが含まれている水のことです。一方、軟水とはカルシウムやマグネシウムがあまり含まれていない水のことです。
5-1.硬水
硬水はダイエットに効果があることで有名ですが、胃腸に負担が掛かりますし、体に合わないと下痢をする人もいます。料理には不向きな水ですので、飲み水として自分の体には合わないと感じても転用することができません。ですから、便秘がちで、味に違和感が無い人には向いているかもしれません。
5-2.軟水
一方、軟水は体への負担が少なく、健康にも良いとされています。もちろん料理に使うことで美味しくできあがるというメリットがあります。ちなみに日本の水道水は軟水です。
6.まとめ
人は毎日の生活の中で、想像以上に水分を体から失っています。ですから、その失われた水分をこまめに補給することが健康には大切であり、ダイエットの効果を左右することもあります。けれども、飲み過ぎると逆に健康を脅かすことにもなりますので、適量を知って水分補給をすることが必要です。水には軟水と硬水があり、ダイエットには硬水が良いと思われている方が多いかもしれませんが、体に負担が掛かり過ぎることもありますので、体調を見ながら自分に合った水を美味しく飲んで下さい。