ランニングにおけるウォーミングアップとクールダウンの基礎
ランナーがついつい怠ってしまうウォーミングアップやクールダウン。ここではそれらの効果やメリットについて説明するとともに、それぞれのメニューの例を紹介しています。ウォーミングアップ・クールダウンの意味や正しいやり方を覚えておくことで、ランニングが今より快適に楽しくなりますよ。
1.ウォーミングアップの効果・メリット
ランニング初心者の方ほど、外へ出たら何の準備もすることなく走ってしまいがち。「ウォーミングアップって面倒」「何の意味があるの?」なんて思っていませんか?いえいえ、楽しくランニングを楽しみ、効果を上げるためにもウォーミングアップは重要なのです。
具体的なウォーミングアップの効果・メリットとして以下があげられます。どれもランニングする際に重要なポイントです。
1-1.スムーズに走りやすくなる
ウォーミングアップでは、適度に身体を温めてほぐします。それによって身体が軽くなって走りやすくなるわけです。
1-2.ケガの予防
ランニングする際に筋肉をやわらかくしておくことで、肉離れやアキレス腱断裂のようなケガを予防することができます。
1-3.リラックスして集中力を高める
軽くウォーミングアップすることにより、心だけでなく身体もリラックスした状態となり、ランニングする際の集中力を高める効果もあります。
1-4.ダイエット効果
身体がほぐれて動きやすくなることで、身体が大きく動くようになり、消費されるカロリーもあがります。つまりウォーミングアップすることによりダイエットの効果もあがるということです。
いかがですか?ウォーミングアップといっても、ランニングする前のちょっとの時間ですみます。それで、これだけの効果があるのです。外へ出たら早速走り始めたくなる気持ちも分かりますが、そこは落ち着いてウォーミングアップから始めるようにしましょう。
2.ウォーミングアップのサンプルメニュー
ウォーミングアップでやることといえば、軽いウォーキングやジョギングとストレッチ。このうちウォーキングやジョギングからはじめて、まず身体を温めておくとよいでしょう。ストレッチする際に、ケガをしにくくなります。ウォーキング・ジョギングは、そんなに速いスピードで行う必要はありません。身体を温めることが目的ですから、普段歩くのと同じか気持ち速い程度で3~5分程度行うとよいでしょう。
次にストレッチです。アキレス腱や大腿部、背中などをゆっくり伸ばします。具体的なストレッチのメニュー例は以下の通りです。
2-1.ランニング前のウォーミングアップストレッチ
2-2.アキレス腱とふくろはぎのストレッチ
正面を向いて、右足を前に出します。両足のかかとは地面にしっかりつけたままにします。この状態で、腰をおとし左足にゆっくりと体重をかけ、無理のないところでとめて2~3秒キープしましょう。終わったら元の体勢に戻り、今度は左足を前に出して同じストレッチを行います。
2-3.ふともものストレッチ
右足の足の甲を右手で持って、ゆっくりと後ろに引き上げます。無理のないところで止めて2~3秒キープ。元の体勢に戻り、今度は左足・左手で同じストレッチを行います。
2-4.腰のストレッチ
足を肩幅に開いて立ち、両手を腰に当てます。ゆっくりと腰を右に回したら、元の体勢に戻してください。今度は腰を左に回します。腰痛に悩んでいる方は、このストレッチが特におすすめです。
2-5.肩のストレッチ
走る際に腕を効果的に降るためにも、肩のストレッチが有効です。右手を身体の前に伸ばした後、左手で右手をつかみゆっくりと身体に引き寄せます。同じことを左手でも行います。
2-6.足首のストレッチ
足を肩幅に開いて立ちます。右足のつま先を地面に立ててゆっくり回しましょう。同じ動作を左足でも行います。
十分にストレッチをし終わったら、改めて軽くウォーキングやジョギングをして、ウォーミングアップは終了。これで走るのに適した身体になっており、気持ちよくランニングできるでしょう。
3.ウォーミングアップ時の注意
初心者の方ほどウォーミングアップを念入りにし過ぎて、走る前に疲れてしまうといったことがあるようです。ウォーミングアップでは、軽く身体を温めること、身体をほぐすことがポイント。長距離を走るほどにウォーミングアップも十分に行った方がよいですが、疲れすぎないように「これで十分だな」というところでとめて、体力を温存するようにしましょう。
4.クールダウンの効果・メリット
ランニングを終えたら座り込んでゆっくり休みたくなるもの。その気持ちは分かりますが、事前にクールダウンをしておくことも重要。具体的には以下のような効果があります。
4-1.疲労をとれやすくする
急に運動するのをやめてしまうと、筋肉中の血液の流れが滞ってしまい、疲労がたまりやすくなります。クールダウンによって、疲労軽減効果があります。
4-2.筋肉痛を予防する
ランニングを終えた後は、筋肉が緊張して固まった状態になっています。ストレッチにより筋肉を十分にほぐすことで、筋肉痛の緩和につながります。
ランニングが終わった後に、すぐに休憩したい気持ちを少しだけおさえましょう。しっかりクールダウンすることでその後が楽になりますよ。
5.クールダウンのサンプルメニュー
ランニング後のクールダウンでは、まずランニングで目標の時間や距離を走り終えたあと、ペースダウンして5分程度ゆっくりジョギングするようにしましょう。急に止まってしまうと、筋肉中の血液の流れが滞ってしまうからです。
一般的なクールダウンは「ジョグ→ウォーク→ストレッチ→マッサージ」という流れです。
そして、ジョグ→ウォークのあとはストレッチです。時間がないようであれば、ウォーミングアップのところで紹介したストレッチをちょっと行うだけでも効果がありますが、できれば気持ち長めに行うようにしましょう。痛みを感じた箇所だけ念入りにストレッチするのとしないのとでは、その後の疲れの取れ方が違います。
ここでは特にクールダウンの際に行うとよいストレッチを紹介します。
5-1.ランニング後のクールダウンストレッチ
これでクールダウンは終了。繰り返しになりますが、クールダウン時のストレッチはウォーミングアップのときより念入りに行うと疲れがとれやすいでしょう。
6.クールダウン時の注意
ストレッチは、運動をして身体が柔らかいうちに行うのがベスト。ゆっくり休憩したい気持ちをおさえて、走り終えてから10分以内には行うようにするとよいでしょう。
なおストレッチを行う時間や強さは、その日の身体の状態と相談しながら無理のない範囲で調整するようにしてください。ストレッチでケガをしてしまっては本末転倒です。本来であれば、紹介したストレッチを2~3セットずつ20~30秒かけてゆっくり行うのが理想ですが、それより短くなっても構いません。
逆に、どんなに時間がなくても、軽く1分だけでも、特に疲れを感じたポイントを中心としてストレッチを行うようにしましょう。疲れを引きづって次の日の仕事に影響したら、それこそ問題ですよね。
あとこれは当然ですが水分補給も忘れずに。冬のランニングでもかなり脱水しているはずです。水分補給を怠ると、筋肉の疲れも取れにくくなりますよ。
7.まとめ
ウォーミングアップ・クールダウンともに、気持ちよく走り次の日に疲れを残さないためにも効果があります。早く走りたい、早く休みたいという気持ちをおさえて、できる限り時間をとって十分に行うようにしましょう。