プロテインって何?種類や効果をわかりやすく解説!
プロテインの成分を細かく考えて摂取している人は少ないのではないでしょうか?案外なんとなく筋肉が付きそうだな、といった感じで摂取している人も多いはずです。
この記事では「プロテインにはどのような種類があるのか、成分は何か、筋トレ時には摂取した方が良いのか」といったことを解説していきます。ぜひ参考にして、プロテインを摂取するかどうかを決めてください。
1.すべてのプロテインのベースとなる成分
1-1.タンパク質
プロテインの主な成分(栄養素)は、もちろんタンパク質です。プロテインを普段から摂取している人はもちろん、そうでない人もプロテインの主な成分はタンパク質だとわかっているでしょう。人間の体は主にタンパク質で構成されており、筋肉もタンパク質で構成されています。
1-2.1日に必要なタンパク質量の目安
一般人のタンパク質目安量
体重(例:60)×1〜2 = 1日に必要なタンパク質量(60g〜120g)
※正確には除脂肪体重×1〜2が正しい
ハードに鍛えてる人のタンパク質目安量
体重(例:60)×2〜3 = 1日に必要なタンパク質量(120g〜180g)
※正確には除脂肪体重×2〜3が正しい
人間が1日に必要なタンパク質量には目安があります。たとえば体重が60kgの人であれば、60g~120gが目安です。体重のkgをgに変えた数値×1~2=1日に必要なタンパク質量という公式になります。(正確には除脂肪体重×1〜2が正しいです。ここでは、わかりやすく体重を基準としています。)
そして筋トレをする人ほどタンパク質が必要です。ハードに鍛えている人は体重のg数×2〜3
くらいの摂取量が良いでしょう。逆にほとんど運動しない人であれば、体重のg数×1程度の摂取量で十分足ります。
1-3.プロテインの摂取基準
実はこの数値はプロテインを摂取すべきかどうか考える際の目安になります。結論を先に書いてしまうと、食事から目安となるタンパク質を摂取できているのであれば、プロテインの摂取は必須ではありません。過剰に摂取しても吸収できませんし、内臓に負担が掛かるだけでしょう。しかし、実際はタンパク質を食事からだけでは必要量摂取できていない人が多いので、プロテインが役立っています。
1-4.タンパク質の含有量
日頃食べている食事メニューに、どれだけのタンパク質が含まれているか、メニュー別でタンパク質含有量を調べてみました。自分の1日のタンパク質摂取量を確認してみてください。
定食 | タンパク質(g) |
---|---|
すき焼き定食 | 35 |
生姜焼き定食 | 22 |
天ぷら定食 | 20 |
ひれカツ定食 | 33 |
あじフライ定食 | 21 |
さば味噌煮定食 | 29 |
ぶり照り焼定食 | 28 |
さんま塩焼定食 | 33 |
あじ塩焼定食 | 37 |
刺身定食 | 22 |
丼物 | タンパク質(g) |
---|---|
カツ丼 | 24 |
天丼 | 23 |
うな重 | 23 |
牛丼 | 20 |
親子丼 | 32 |
鉄火丼 | 28 |
カレー | タンパク質(g) |
---|---|
カツカレー | 26.7 |
ハヤシライス | 28 |
野菜カレー | 10 |
シーフードカレー | 27 |
オムライス | 20 |
オムハヤシ | 31 |
料理名 | タンパク質(g) |
---|---|
てりやきバーガー | 15 |
ダブルチーズバーガー | 27 |
ハンバーガー | 13 |
モス野菜バーガー
|
14 |
エッグマフィン | 20 |
ライスバーガーきんぴら | 5 |
ホットドッグ | 12 |
上記以外の料理メニューのタンパク質量が知りたい場合は、下記サイトで確認するか、もしくはチェーン店であれば公式サイトに行けば、メニュー別の栄養情報が確認できます。コンビニメニューの場合、商品の裏面に記載があると思うので確認してみてください。
2.原料によるプロテインの3分類
上述の通りプロテインの成分はほぼタンパク質です。そのことについてはどのプロテインでも同じなのですが、タンパク質の質がプロテインによって異なります。タンパク質はアミノ酸が集まって構成されているのですが、その構成要素が原料によって異なります。
動物性タンパク質と植物性タンパク質ではもちろんアミノ酸の内容がまったく異なりますし、同じ動物性タンパク質でも原料によって異なります。プロテインを原料で分類すると以下の3種類になるので、それぞれ紹介していきます。
2-1.プロテインの王道!ホエイプロテイン
プロテインと言えば真っ先に挙げられるのがこのホエイプロテインです。普段筋トレしながらなんとなくプロテインを飲んでいる人も多いでしょうが、その場合だいたいはホエイプロテインでしょう。何も考えずにその辺の市販のプロテインを購入すれば、だいたいホエイプロテインに当たるはずです。そのくらい市場での流通量も多く、メジャーなプロテインと言えます。
ホエイプロテインの原料は牛乳で、牛乳からタンパク質を抽出し、消化吸収しやすい状態に分解しています。アミノ酸レベルでは特にロイシンを中心に抽出しています。
ロイシンはタンパク質に含まれるアミノ酸の中でも特に筋肉の成長に有効な成分で、そのためホエイプロテインに豊富に含まれています。筋肥大させたい人は、迷わずホエイプロテインで間違いないでしょう!
2-2.腹持ちが良い!カゼインプロテイン
カゼインプロテインもホエイプロテインと同様に、牛乳に含まれるタンパク質を抽出して凝固したものです。ただし、カゼインプロテインは意図的に成分を不溶性にすることで、早く吸収され過ぎないようにしています。そのため、カゼインプロテインはホエイプロテインよりも腹持ちが良く、体重を増やしたくない場合におすすめです。
2-3.ダイエット向けプロテイン!ソイプロテイン
ソイプロテインはその名の通り、大豆が原料になっています。動物性タンパク質にアレルギーがある人や、ダイエットをしたい人におすすめです。植物性タンパク質はもちろん筋肥大にも効果的ですが、ソイプロテインはビタミンやミネラルを豊富に抽出している商品が多いです。
ちなみに、ホエイプロテイン、カゼインプロテイン、ソイプロテインというのは商品の分類ではなくてプロテインの種類です。それぞれの種類のプロテインに個別に商品があるので、そこは混同しないように注意してください。ソイプロテインの話に戻りますが、植物性タンパク質とビタミン、ミネラルを豊富に含むので、筋肉量をやや増やしながら、美肌やお通じ改善効果を得たい方にぴったりでしょう。いわゆる筋トレダイエットに向いています。
3.目的によるプロテインの3分類
上では成分ごとにプロテインを分類してきましたが、今度は目的別にプロテインを分類していきます。ざっくりと言えば、たとえば筋肥大目的にはホエイプロテインが多い傾向があり、ダイエット目的はソイプロテインが多い傾向があります。しかし、一概に言い切れるわけではなくて、またタンパク質以外の成分も目的別の分類では重要になります。
タンパク質の成分はホエイプロテインだけれども、ビタミンやミネラルや酵素を豊富に含むダイエット向きのプロテインなども存在します。他には、ソイプロテインだけれどもタンパク質の濃度を極限まで高めてあり、胃腸に負担を掛けずに筋肥大することを目的にしたプロテインもあります。そのため、上で行った分類を頭に置きつつも、以下で行う分類とは混同しないようにしてください。
1.筋力アップ
2.とにかく体をでかく
3.ダイエット
4.筋力アップを目指す!
プロテインを摂取したい人の多くは筋肥大が狙いでしょう。脂肪はなるべく増やさずに、筋肉を増やしたいと考えています。その場合には、タンパク質の含有量の多い商品がおすすめです。パッケージに目的が記載されている商品も多いですが、筋力アップが目的のプロテインはタンパク質の含有量が多くなっています。筋肥大させるためにはもちろんタンパク質だけでなく炭水化物や脂質も必須ですが、日本人の食生活ではタンパク質が不足する可能性が高いです。そして、炭水化物や脂質を摂取し過ぎると筋肉だけでなく体脂肪も増えやすくなります。
プロテインは当然食事もきちんと食べていることを前提に栄養バランスが考えられているので、筋力アップ目的のプロテインはタンパク質に特化しています。
5.とにかく体をでかくする!
体を大きくしたい場合には、筋肉はもちろん脂肪も多少身につける必要があります。脂肪を意図的に身につけるわけではないとしても、脂肪が付いても構わないという考えです。また、脂肪が付くことを気にせずに栄養を摂取した方が、筋肉量も増えやすいです。
人間の体は、摂取カロリー>消費カロリー
の状態にすることで筋肉も脂肪も増えやすい状態になりますが、そのため筋肉を増やしながら脂肪を減らすことは難しいのです。
体をとにかく大きくするためのプロテインは、タンパク質だけでなく炭水化物や脂質も含みます。体がエネルギー不足になると脂肪だけでなく筋肉も分解してしまうので、炭水化物は体を大きくするのに必須です。また、脂質はホルモンバランスを整え、また善玉の男性ホルモンであるテストステロンを作り出すのに必須の成分です。テストステロンは筋肉を作るのに必要なホルモンなので、脂質を過度に制限すると筋肉は付きにくくなります。少し話がややこしくなったので、簡単に摂取カロリー、消費カロリーと筋肥大、脂肪燃焼の関係を表にまとめます。
筋肥大 |
脂肪燃焼 |
|
摂取カロリー>消費カロリー |
◎ |
× |
摂取カロリー<消費カロリー |
△ |
◎ |
摂取カロリー=消費カロリー |
〇 |
〇 |
5-1.カロリー収支がプラス
表の内容は直感的にわかるかもしれませんが、一応補足します。摂取カロリーが消費カロリーよりも多い状態、つまりカロリー収支がプラスの状態では筋肥大しやすいですが、同時に脂肪も付いてしまう可能性が高いです。筋肥大と脂肪燃焼はカロリー収支的には相反するので、実は同時に行うのが難しいのですね。
5-2.カロリー収支がマイナス
次に摂取カロリーが消費カロリーよりも少ない場合、つまりカロリー収支がマイナスになる場合は、筋肥大が難しくなります。脂肪燃焼に関しては、足りないカロリーを脂肪で補うので、燃焼されやすい状況になります。カロリー収支がマイナスでも筋肥大が起こる場合がありますが、それは体脂肪がもともと多い場合です。体脂肪が多いとそれを燃料に、筋肥大のメカニズムが発生すると言われています。これは完全に科学的に解明されていないので、△にしました。
5-3.カロリー収支がプラマイゼロ
次に摂取カロリーと消費カロリーが同じ、カロリー収支がゼロの場合です。この場合は、筋肥大も脂肪燃焼もそれなりに可能な状態と言えるでしょう。
ボディビルダーやパワー系のアスリートは増量期と減量期を設けていますが、それにはこの表のような理由があったのですね。カロリー収支ゼロの状態で筋肥大を狙うよりも、いったんオーバーカロリーにして筋肉を増やしてから、余分に付いた脂肪を落とした方が効率的なのです。
6.流行りのプロテインダイエットがしたい!
プロテインダイエットに向いている商品は、タンパク質だけでなくビタミンやミネラルが豊富です。ダイエット中は食事制限を行う場合が多いので、必要な栄養素が不足しがちです。そうすると肌荒れや便秘になる人も多いので、ダイエット向けのプロテインはそれらの対処も考慮されています。
6-1.糖質完全カットは体臭がきつくなる
ダイエット向けのプロテインには炭水化物や脂質はほとんど含まれていませんが、もちろんまったく摂らなくて良いわけではありません。糖質は人間の体や脳のエネルギー源で、不足するとケトン体が発生しますが、この方法は体臭がきつくなりますし、体にデメリットの多い負担の掛かり方があるのでおすすめできません。
6-2.極端に栄養を制限するのはNG
そのため、ダイエット中でもある程度の炭水化物は摂取するようにしてください。また脂質もホルモンバランスを整えるのに重要で、不足すると肌や内臓の機能が低下します。やはり五大栄養素と言われるだけあって、人間の体には必須ということですね。極端に制限するのは辞めましょう。
6-3.極端な食事制限はリバウンドの危険性大!
テレビ番組のダイエット企画やダイエットを売りにしているジムでは極端な食事制限を行っていることも多いです。これは短期間であることと、インパクトを狙っているからこそ行っているのであって、一般人が行うメリットはあまりないでしょう。たしかに一時的には痩せるかもしれませんが、綺麗な痩せ方ではありませんし、その後リバウンドする可能性が高いです。
極端な食事制限を行うと代謝が落ち、体が飢餓状態になります。身体の細胞分裂が滞るので皮膚が余ったりもしますし、飢餓状態になった体は急激に脂肪を蓄えます。それがまさにリバウンドや皮余りの原因と言えるでしょう。こういったことをトータルで考えて、ぜひバランスの良いダイエットや筋トレを心掛けてください。
7.結局プロテインは摂った方が良いのか
こういった事情を鑑みて、結果的に自分にとってタンパク質が足りているのかどうか、がプロテインを摂取するかどうかの判断基準になります。プロテインは筋肉が付く魔法の薬でもなんでもありませんし、ステロイドのようにホルモンバランスを変えるようなものでもありません。単に普通の食品に含まれるようなタンパク質を抽出しているだけです。
7-1.カロリーを抑えつつタンパク質を摂取できる
タンパク質が濃縮されているので、摂取カロリーを抑えつつタンパク質を効率的に摂取することができますし、消化吸収もしやすいように工夫されています。自分が普段食事からどのくらいのタンパク質を摂取しているのか、どのくらいの強度の筋トレを行っているのか、それがプロテインを摂取するかどうかの決め手です。
過剰に摂取しても消化吸収しきれないのでお腹を下したりするだけであまり良くないでしょう。筋トレ初心者かどうかは関係なくて、上述のように自分の状況によります。また、現状の体型と目指している体にもよります。たとえば体をとにかく大きくしたいのであれば、食事もプロテインもどんどん摂取していくと良いです。
他の例としては、ダイエット時に明らかにタンパク質が不足しているのであればプロテインの摂取にメリットがあります。
8.まとめ
プロテインの種類や成分を見てきました。プロテインを摂取するかどうかの判断に筋トレ初心者かどうかはまったく関係なくて、以下のようなことが判断基準になります。
こういった要素をトータルで考えて、自分にとってプロテインが有効だと思えばぜひ積極的に摂取してください。
9.美味しいプロテイン
味が美味いプロテインを知りたい方はコチラの記事をどうぞ
イラスト/オオノマサフミ