デカい胸筋の作り方を徹底解説!分厚い胸板を手に入れろ!
photo by Joss0177
大胸筋は上半身の全面でもっとも大きい筋肉で、また筋トレをするからには厚い胸板を作りたい人が多いでしょう。胸板が薄いと、筋トレの成果が出ていないとも言えます。筋トレダイエットというものもあるのでそれはそれで良いのですが、筋肥大が目的の人はぜひ厚い胸板を手に入れてください。
1.大胸筋の上中下
引用:Muscle Premium(Macアプリ)
1-1.バランスよく鍛える
まだ筋トレを初めてそれほど経っていない人は大胸筋の細かい部位まで気にする必要はありませんが、大胸筋は上中下と細かく筋肉の部位を分けられます。大胸筋をバランスよく発達させるのであれば、大胸筋の上中下のそれぞれを鍛えられる筋トレを行うと良いでしょう。
1-2.どの筋トレメニューが大胸筋のどの部位に効くのか
そこで出てくる疑問は、どの筋トレメニューが大胸筋のどの部分に効くのかということです。
具体的な筋トレメニューは後述しますが、基本的な考え方としては、大胸筋から見て手が体のどの位置にあるときに力が入っているか、によって大胸筋の使われる部位が決まります。
たとえば、ベンチプレスのバーを大胸筋からまっすぐ上に上げると大胸筋の中部が稼働します。またあまりそういったことはしないでしょうが、ベンチプレスの際にバーベルを少し下半身側に向かって上げると大胸筋の下部が稼働します。逆に、ベンチプレスの際にバーベルを頭側に向かって上げると、大胸筋の上部が稼働します。
そのため、大胸筋をベンチプレスで鍛えるのであれば、意図的に上げる角度を変えてみると良いでしょう。
しかし、重いバーベルを上げる際には少しバーベルが上下するので、結果的にベンチプレスで大胸筋の上中下すべてが鍛えられています。
1-3.ベンチプレスは大胸筋の全部位に効く
特に大胸筋の部位を気にせずにベンチプレスをしている人でも大胸筋はバランスよく付いている場合が多いですが、それはベンチプレスが大胸筋の全部位に効くからです。
基本的には大胸筋中部にもっとも負荷が掛かりますが、バーベルを安定させるのに大胸筋の上中下すべてが稼働します。そのためベンチプレスで鍛えている人はそれだけでも良いのですが、その他のダンベルトレーニングなどを行っている人は注意が必要です。
次章ではトレーニングメニューを踏まえつつ注意点を解説していきます。
2.大胸筋上部を鍛える筋トレメニュー
大胸筋上部を鍛える筋トレメニューは、大胸筋よりも上の位置で手を動かす筋トレメニューです。この基本となる考え方を知っていればどの筋トレメニューが大胸筋のどの部位に効くのかがわかるでしょう。
2-1.インクラインベンチプレス
台に角度が付いていることによって、バーベルを上げた際に手が頭の方に来ます。その結果、大胸筋の上部が鍛えられます。大胸筋上部を特に鍛えたいときは、このインクラインベンチプレスが一般的に行われます。普通のベンチプレスだけでも実際十分に大胸筋上部も鍛えられるのですが、さらに上を目指す人はぜひ取り入れてください。台の角度を付け過ぎると、三角筋メインになってしまうので、30〜45度の角度がオススメです。
ちなみに、バーベルでもダンベルでもインクラインベンチプレスはできます。
インクラインベンチプレスのやり方セット数の目安:10レップ×3セット セット間のインターバル1分
- ベンチを30〜45度前後にセットしバーベルを持つ
- 胸を張って肩甲骨を寄せバーベルを下ろす
- 胸を張って肩甲骨を寄せたままバーベルを上げる
・バーベルの持ち方はサムアラウンドグリップ
- ・ハの字なるように握る
- ・「肩甲骨内転+下方回旋」でブリッジをつくる
- ・お尻を浮かせたり胸でバウンドさせると負荷が軽くなる
- ・前腕の角度が垂直になるように
2-2.インクラインダンベルプレス
インクラインダンベルプレスは、インクラインベンチプレスのダンベル版です。これもベンチ台の角度を30〜45度程度に設定して行います。バーベルより大胸筋のストレッチを強くかけることができます。バーベルプレスの7割ほどの重量で行いましょう。大胸筋上部を鍛えることによって形の良い大胸筋を作ることができます。
インクラインダンベルプレスのやり方セット数の目安:10レップ×3セット セット間のインターバル1分
- ベンチを30〜45度前後にセットしダンベルを持つ
- 胸を張って肩甲骨を寄せダンベルを下ろす
- 胸を張って肩甲骨を寄せたままダンベルを上げる
インクラインダンベルプレスのポイント・肘をできるだけ深く下げて大胸筋にストレッチをかける
・「肩甲骨内転+下方回旋」でブリッジをつくる
- ・お尻を浮かせない
- ・前腕の角度が常に垂直になるように
2-3.インクラインダンベルフライ
インクラインダンベルフライも台の角度を付けて行うので、大胸筋上部に負荷が掛かります。台の角度を付け過ぎると、三角筋メインになってしまうので、30〜45度の角度がオススメです。インクラインダンベルフライも必須種目ではありませんが、大胸筋上部を特に鍛えたい場合には取り入れると良いメニューです。
インクラインダンベルフライのやり方セット数の目安:10レップ×3セット セット間のインターバル1分
- ベンチに寝て、ダンベルを持つ
- 肘を伸ばし気味で両腕を横に大きく開き、胸部をストレッチする
- 胸を張って肩甲骨を寄せたまま弧を描くように両腕を閉じる
インクラインダンベルフライのポイント
・肘をできるだけ深く下げて大胸筋にストレッチをかける
・「肩甲骨内転+下方回旋」でブリッジをつくる
- ・お尻を浮かせない
- ・プレスの動きにならないように、自分がコントロールできる範囲の重量で行う
3.大胸筋中部を鍛える筋トレメニュー
3-1.ベンチ台並行で大胸筋中部を鍛える
大胸筋中部を鍛える筋トレメニューはベンチプレス・ダンベルプレス・ダンベルフライです。2.の大胸筋上部を鍛えるトレーニングメニューをベンチ台を並行にして行えば大胸筋中部を鍛えることが出来ます。
環境があるのであれば、ベンチプレスがおすすめですが、自重で行う場合は腕立て伏せでOKです。筋トレの代名詞と言える筋トレメニューで、大胸筋に大きな負荷を掛けることが可能です。
3-2.基本的には大胸筋中部を鍛える
大胸筋は上中下の運動がありますが、基本的には大胸筋中部に負荷を掛けていれば十分です。ベンチプレスの際にはバーベルが少しずれて大胸筋の上下に負荷が掛かります。完全に大胸筋中部にだけ負荷を掛けることはむしろ不可能なので、真っすぐ上げる普通のベンチプレスだけでも大胸筋全体が綺麗に鍛えられます。
筋肉を見せるために特別なこだわりがある人が、大胸筋の上下を意識的に鍛えるイメージです。
3-3.ベンチプレス
ベンチプレスは大胸筋トレーニングの定番メニューで、大胸筋全体に強い負荷が掛かります。大胸筋以外にも三角筋前部、上腕三頭筋などにも負荷が掛かります。ベンチプレスの際にバーベルが多少ぶれることによって、結果的に大胸筋全体を鍛えることができます。
バーベルは上げることも重要ですが、下げる際もしっかり下ろして大胸筋をストレッチさせることも重要です。
ベンチプレスのやり方セット数の目安:10レップ×3セット セット間のインターバル1分
- ベンチに寝て、肩幅の1.5倍程度の手幅でバーベルを持つ
- 胸を張って肩甲骨を寄せバーベルを下ろす
- 胸を張って肩甲骨を寄せたままバーベルを上げる
ベンチプレスのポイント・バーベルの持ち方はサムアラウンドグリップ
- ・ハの字なるように握る
- ・「肩甲骨内転+下方回旋」でブリッジをつくる
- ・お尻を浮かせたり胸でバウンドさせると負荷が軽くなる
- ・前腕の角度が垂直になるように
3-4.ダンベルベンチプレス
バーベルベンチプレスに比べ、あげられる重量は軽くなりますが大胸筋により強いストレッチをかけられるので、筋繊維に与えるダメージが比較的大きくなり筋肥大効果が高まります。
ダンベルベンチプレスのやり方セット数の目安:10レップ×3セット セット間のインターバル1分
- ベンチに寝て、両脇を開いてダンベルを持つ
- 胸を張って肩甲骨を寄せダンベルを下ろす
- 胸を張って肩甲骨を寄せたままダンベルを上げる
ダンベルベンチプレスのポイント
・肘をできるだけ深く下げて大胸筋にストレッチをかける
・「肩甲骨内転+下方回旋」でブリッジをつくる
- ・お尻を浮かせない
- ・前腕の角度が常に垂直になるように
3-5.ダンベルフライ
ダンベルプレスもダンベルフライも動作は肩関節水平内転の動きになるんですが、最大負荷がかかるポジションで違いがあります。ダンベルプレスは可動域の中間で最大の負荷がかかるミッドレンジ種目ですが、ダンベルフライは可動域が最も伸びた時に最大の負荷がかかるストレッチ種目です。他には、可動域がもっとも収縮したときに最大の負荷が掛かるコントラクト種目があり、これらの3種類の種目を取り入れて行う筋トレ法をPOF法と言います。
ダンベルフライのやり方セット数の目安:10レップ×3セット セット間のインターバル1分
- ベンチに寝て、ダンベルを持つ
- 肘を伸ばし気味で両腕を横に大きく開き、胸部をストレッチする
- 胸を張って肩甲骨を寄せたまま弧を描くように両腕を閉じる
ダンベルフライのポイント
・肘をできるだけ深く下げて大胸筋にストレッチをかける
・「肩甲骨内転+下方回旋」でブリッジをつくる
- ・お尻を浮かせない
- ・プレスの動きにならないように、自分がコントロールできる範囲の重量で行う
4.大胸筋下部を鍛える筋トレメニュー
4-1.ディップス
大胸筋下部の筋トレと言って真っ先に出てくるのはディップスで、またかなり効果的なトレーニングメニューです。しかし、やはり自重トレーニングなので負荷が足りなくなる可能性があります。
その場合は、足に重りを付けることで負荷を調整できます。
ディップスのやり方セット数の目安:10レップ×3セット セット間のインターバル:1〜2分
- ディップスバーもしくは椅子に手をつき、上体を持ち上げる
- 体を少し前傾に保ち肘を曲げ、上体を下ろす
ディップスのポイント
- ・前腕が垂直の状態をキープする
- ・上体は前傾をキープする
4-2.デクラインベンチプレス
デクラインベンチプレスは台に角度を付けることで、ベンチプレスのバーベルを上げる方向が下半身側になるように調整します。インクラインベンチプレスは頭が上に来るように角度を付けていましたが、デクラインベンチプレスでは頭が下に来るように角度を付けています。
角度が付くことによって、バーベルを下半身側に上げています。
デクラインベンチプレスのやり方セット数の目安:10レップ×3セット セット間のインターバル1分
- ベンチに両足を乗せ、頭と両肩をつけたままブリッジ
- 肩幅の1.5倍程度の手幅でバーベルを持つ
- 胸を張って肩甲骨を寄せ、みぞおち付近にバーベルを下ろす
- 胸を張って肩甲骨を寄せたままバーベルを持ち上げる
デクラインベンチプレスのポイント
- ・前腕の角度が常に垂直になるように
5.大胸筋トレーニングの注意点
5-1.バランスの悪い大胸筋になることを避ける
大胸筋は上中下があり、それぞれを鍛えるためのメニューを紹介してきました。基本的には大胸筋中部に強い負荷の掛かるベンチプレスを行うことで、バランスよく大胸筋が発達するということでした。
では、なぜ大胸筋上中下を鍛える筋トレメニューを知っておくべきかというと、バランスの悪い大胸筋になることを避けるためです。たとえば、ディップスだけをやっている人は大胸筋下部ばかりが発達することになります。逆に、インクラインベンチプレスばかりをやっている人は大胸筋上部ばかりが発達します。
5-2.偏った筋トレを避ける
大胸筋の筋トレがベンチプレスだけの人は良いのですが、大胸筋下部や上部に偏った筋トレを行っている人が問題なわけです。そうならないためにも、大胸筋には上中下があること、どのような筋トレメニューが大胸筋のどの部位に効くのかを知っておくことが必要なわけです。
いろいろやるのが面倒な人は、なるべく大胸筋中部に負荷が掛かる筋トレメニューを行ってください。自重で腕立て伏せなどを行う際にも、大胸筋から見て腕の位置が下にも上にもずれないように、大胸筋中部に負荷が掛かるようにすると良いです。
6.食事をおろそかにしてはいけない
6-1.オーバーカロリー
大胸筋の部位やそれぞれを鍛える方法、注意点を紹介してきました。しかし、筋トレは食事とセットです。いくら筋トレをしていても、食事をおろそかにすると筋肉は発達しません。特に大きい大胸筋を作るには、摂取カロリー>消費カロリーのオーバーカロリー状態に持っていく必要があります。
6-2.タンパク質だけではダメ!
そして、筋トレをしているからタンパク質をたくさん摂取しよう、と考える人は多いです。もちろん間違いではないのですが、タンパク質の吸収能力には限界があり、またタンパク質だけだと逆に吸収力が落ちます。人間は偏った栄養摂取の仕方をすると胃腸の一部に負担が掛かり、結果的に内臓の機能が落ちてしまうのです。タンパク質だけ過剰に摂取しても無意味ですし、確実に摂取カロリーの絶対値が低くなります。
6-3.バランスの良い食事メニュー
摂取カロリーを増やすためには炭水化物と脂質も重要です。炭水化物は筋肉が働くエネルギー源になり、枯渇すると筋肉は燃焼されてしまいます。また、脂質はテストステロンの生成に重要で、結果的に筋肥大しやすくなります。特に筋トレをしながら糖質制限を行うと筋肥大できなくなるので、炭水化物はむしろ多めに摂取してください。タンパク質よりもむしろ炭水化物が重要で、不足すると大胸筋は大きくなりません。
6-4.まずは筋肥大を最優先に
ボディビルダーなども、減量期は糖質制限を行いますが、増量期は炭水化物を大量に摂取して筋肉を大きくしています。減量期の糖質制限は筋肉量が減ることを覚悟の上で脂肪を削っていますが、それはあくまでもコンテスト時にカットを出すためです。
一般人はカットを出す必要はないので、筋肥大させていけば勝手に脂肪は燃焼されます。筋肥大していくと成長ホルモンの動きや代謝が活発になりますが、その結果脂肪が燃焼されます。
7.まとめ
大胸筋を大きくするためには、大胸筋の上中下を意識し、また摂取カロリーを増やすことが重要です。大胸筋のいろいろな部位に負荷を与えるために筋トレメニューを増やしても良いのですが、面倒ならベンチプレスだけでも良いでしょう。ベンチプレスは大胸筋中部を中心に、上部にも下部にも負荷が掛かるので、やはり大胸筋を鍛えるのに最適な筋トレメニューです。ベンチプレスがこれだけ愛されているのには理由がある、ということですね。
ベンチプレス以外に大胸筋を鍛える筋トレメニューを取り入れる場合には、ぜひ大胸筋の上下に負荷が掛かるメニューを取り入れてください。大胸筋下部か上部にのみ負荷が掛かる筋トレを続けると、どうしてもアンバランスな大胸筋になります。