ダイエットで挫折しないために!折れないココロを育てる「レジリエンス」を調査
レジリエンスという言葉が、徐々に広まっているようです。回復力や復活力などと訳され、主に心理学の中で使われている用語でもあります。様々な分野にも応用され、ダイエットにおいても、役立つことがあるでしょう。ここでは、レジリエンスにスポットを当て、特徴などと共に身につけ方などをお話しています。
1.レジリエンスとは、どういうものか?
1-1.レジリエンスとは
レジリエンスとは、ストレスや重圧が高い状態でも柔軟に対応し、失敗や困難を乗り越えて成功・成長に導く、人と組織の力である。
1-2.レジリエンスによる人の成長曲線
引用:doda
1-3.注目され始めた背景
レジリエンスは、1970年代頃から心理学の中で、研究され始めました。回復力もしくは復活力、さらには、抵抗力など、簡単にいえば、失意のどん底から立ち上がるための精神力にもなるでしょう。しかし、レジリエンスが今日のように注目され出したのは、経済分野からの発信でした。2013年のダボス会議における、正式な研究成果の資料に、レジリエンスという言葉が使われました。ダボス会議とは、世界経済フォーラムのことを意味し、世界各国の経済専門家や政府関係者たちが集まり、地球規模の経済討論などを行う場所です。
2008年のリーマンショック以降、世界経済は全体的な伸び悩みをしているともいえます。環境問題などもあり、いかにして低迷状態を抜け出すのか、というのが、世界経済に課せられたことでもあるでしょう。まさに、回復力や復活力などが問われる時であり、レジリエンスが注目されるのは、必然の時代であるのかもしれません。
1-4.4つの特徴がある
低迷している中から立ち上がるためには、どこかへ向かって行く必要あります。レジリエンスにもまさにそういうものがあり、方向性として、以下のような4つのものを挙げることができるでしょう。
心理学の中では、幼い頃の恵まれなかった経験などを乗り越えることが、例のように語られています。要するに、過去の嫌な記憶を克服することが、打ち勝つと言うキーワードに当てはまることです。
日々の生活の中でストレスなどに負けないことを意味します。人が集まれば、それぞれに考えがあり、しばしば衝突などが起こります。しかし、それを乗り切ってこそ、真の意味での回復や復活などが生まれるのでしょう。
これは、挫折を克服することでもあります。人生を大きく変えるような出来事があれば、心なども沈んでしまうでしょう。しかし、生きているからには、沈んでばかりもいられません。やはり、回復や復活などには立ち直ることが大切でもあります。
英語では、リーチアウトとも言われています。心が沈んでいれば、すべて意味がないものと考えがちです。しかし、レリジエンスによって、新たな目的などができ、意味を持てるようになります。まさに将来に向かって、働きかけることが重要でもあるでしょう。
以上、レリジエンスの4つの特徴ですが、いずれにも共通しているキーワードがあります。それは克服です。打ち勝つことも、乗り切ることも、立ち直ることも、働きかけることも、何かしらの障害など克服することで、新たなものが生まれて来ると言えます。
1-5.トレーニングなどで身につけられる
では、果たしてレジリエンスは、身につけられるのでしょうか?結論から言えば、トレーニングなどを行うことで、誰でもレリジエンスを実現できます。心の問題であるとはいえ、誰しもが可能性を秘めています。もちろん、メンタリティーの弱さは、生まれつきと言えるものもあります。しかし、そうだからと言って、回復や復活などができないということはありません。たとえば、戦争で傷ついた日本国民は、経済に力を入れることで、見事復活を遂げました。
また、日本では、地理的な特徴から自然災害の多い国です。建設しては破壊を繰り返し、今日まで続いています。これはなにより、人々の回復や復活力などにあるでしょう。こういうことから、誰しもにチャンスがあり、潜在的な力を備えられているのが、レリジエンスでもあります。
2.メンタルのあり方でレジリエンスを育てよう!
レジリエンスを育てる三大ポイント!
1.自己肯定
2.柔軟性をもつ
3.信頼・相談できる人間関係をつくる
2-1.自分を肯定する
自分を否定することは、意外に簡単なことかもしれません。現在、勝ち組と負け組という言葉がありますが、極論的に言えば、負け組の方が圧倒的に多いでしょう。したがって、他人と比較すれば、簡単に自己否定できる時代でもあるかもしれません。
しかし、何を以て勝ち組あるいは負け組とするのか、何を基準に成功というのかは、実は相対的なものかもしれません。それを踏まえれば、見方によっては、勝ち組にもなり、また、成功者にもなり得るでしょう。
そうであれば、自分を肯定することも容易となり、前を向くこともできます。実際、レジリエンスの基盤となるのが、この自己肯定です。自分はできるのだ、と思わなければ、目的などに向かって突き進むこともできないでしょう。ダイエットにおいても、同様なことが言えないでしょうか?こんな体型をシェイプアップするなんて、自分ではできない、と思ってしまえば、ジムに行こうとは思わないでしょう。まずは、自分を肯定してみる、ということが、レジリエンス・トレーニングの始まりでもあります。
2-2.柔軟な見方をする
こだわりや一貫性などを持つことは、大切でもあるでしょう。何があっても、ブレないでいることで落ち着きが生まれ、色々なことに対応できます。しかし、こだわりや一貫性などは、時に弊害となることもあります。これをしなければ、と一途になり、問題が継続したままとなります。レジリエンスを育てるには、そういう行き過ぎたこだわりや一貫性を変える必要があります。言い換えれば、柔軟性を持つようにし、自分で自分を痛めつけないようにします。むしろ、こだわりや一貫性などを実現するために、柔軟な見方をし、時に方針転換をすることも大切でしょう。
ダイエットでも、こだわってばかりいると、逆に何も進展しないことがあるでしょう。真の目的のために、たとえば週2回のジム通いを3回にしてみる、あるいは、腹筋回数を増やしてみるなど、臨機応変に対応していくことも、自己実現につながるかもしれません。
2-3.人との関わり方と生活
他人との関係もまた、レジリエンスを育てるために、重要なことです。特に人間関係においては、ストレスを感じやすく、マイナスな気持ちになりやすくなります。しかも、現代においては、孤独になりやすい環境があり、人との衝突は余計に孤独感を増幅させるでしょう。
ならば、どのような対処が必要なのでしょうか?やはり、相談できる友人や知人を持つことでしょう。そうして、行き詰った時などにアドバイスを求めてみるべきでしょう。あるいは、相談まで行かなくても、気軽に付き合える人を持っておけば、ストレス発散などができます。これは、社会との関係にもつながり、孤独感を薄めてくれる可能性があります。
ダイエットにおいても、自分だけでしなければ、と思えば、孤独感を持ちやすくなり、返ってストレスに感じられます。相談はもちろん、良きライバルのようなダイエット仲間がいれば、心も体も健全なまま目標まで突き進むことができるかもしれません。
3.まとめ
以上、レジリエンスの特徴や育て方などについて、お話して来ました。回復あるいは復活力は、決して遠い存在とは言えず、非常に身近なものです。もしかすると、レジリエンスとまでは行かなくても、それに似たようなことは、無意識に毎日のように行っているのかもしれません。しかし、どうしても難しいということであれば、心理カウンセラーなどに相談することも、一つの方法でしょう。
イラスト/村田エリー