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タンパク質を多く摂ると汗をかきやすくなるって本当?

photo by Markus Spiske

タンパク質の過剰摂取が汗の量を増やすことはあります。結論としては以上なのですが、なぜタンパク質の過剰摂取が汗の量を増やすのか、ということを汗腺の種類やタンパク質の分泌の観点から説明します。

1.汗腺には二種類ある

1-1.エクリン腺とアポクリン腺

エクリン腺:体温調節で使われる汗。細菌が発生しにくい。

アポクリン腺:精神状態の影響を受ける。細菌が発生しやすい。

人間の汗腺はエクリン腺とアポクリン腺があります。全身のほとんどにある汗腺はエクリン腺で、さらっとした汗をかきます。汗自体に臭いはなく、細菌も発生しにくいです。体温調整に使われる汗で、運動時にかく汗に多いです。

もう一つはアポクリン腺です。アポクリン腺は脇や耳の中、耳の後ろ、陰部などに集中しています。この汗は精神的な緊張などと深く連動しており、体温調整よりも精神状態の影響を受けます。またアポクリン腺の量は生まれつき決まっており、アポクリン腺の多い体質の人はワキガになりやすいです。アポクリン腺から出る汗も臭いはありませんが、汗に含まれる成分に細菌が発生しやすいです。そのため、アポクリン腺から出る汗は匂いやすいということです。

 

 

2.タンパク質の過剰摂取はアポクリン腺からの汗の量を増やす

アポクリン腺から出る匂いの元の成分はタンパク質から生成されます。そのため、タンパク質を多く摂取するとアポクリン腺から出る汗に細菌が発生しやすくなります。

また、過剰摂取したタンパク質を体外に排出するためにアポクリン腺からの汗の量が多くなります。結果的にタンパク質を過剰摂取すると汗の量が多くなります。また、汗に細菌が湧きやすくなります。筋トレにはタンパク質は必須ですが、過剰摂取はデメリットもあるということですね。また、胃腸の状態が悪くなるので、下痢や便秘になりやすくもなります。栄養はバランスが重要なので一つの成分を過剰摂取してはいけません。

 

 

3.筋肉量を増やしたいなら炭水化物の方が重要

栄養はバランスが重要ですし、またタンパク質は体が吸収できる分量に限度があります。炭水化物に比べて胃腸に負担が掛かり、また摂取できる分量が少ないです。体重や筋肉量を増やしたいのであれば、むしろ炭水化物に着目した方が良いでしょう。

 

3-1.炭水化物が不足すると筋肥大できない

体を構成するのはたしかにタンパク質ですが、食べたタンパク質だけが身になっているわけではありません。草食動物は野菜だけで体を作っているようなものですが、パワーもスピードも高い動物も多いです。もちろん人間は雑食なので草食動物のように体内でタンパク質を生成できません。しかし、タンパク質を多く摂取しなければ筋肉が付かないわけではありません。摂取カロリーを増やすためには炭水化物が最重要で、炭水化物が不足すると筋肥大できません。

 

3-2.タンパク質至上主義的はもう古い

アメリカは筋トレ大国なので日本よりも筋トレの栄養学が進んでいますが、タンパク質至上主義的な考えは見直されてきています。タンパク質を多く摂取して筋肉を付けている人もいますが、炭水化物の重要性が見直されています。ボディビルダーの減量期のように絞り込むならタンパク質に特化したメニューでも良いのですが、そうでない場合は炭水化物で筋肥大させるイメージです。アメリカの格闘技界では特に炭水化物中心でエネルギー保持量の多い使える筋肉を目指す動きが活発です。

 

 

4.タンパク質を過剰摂取してしまう原因

タンパク質を過剰摂取している人の多くは、筋トレをやっていてプロテインを摂取している人でしょう。筋肉を早く付けたいがためにプロテインを過剰摂取したり、なぜかそれでいて糖質を過剰に制限したりしています。

タンパク質過剰摂取&糖質過剰制限=体のあらゆる機能を低下させていく方法

4-1.栄養学の基礎を無視している

筋トレを適切な知識を元に実施している人であれば、このような筋トレと栄養摂取をしている人がいることは信じられないかもしれません。どう考えてもトレーニングや栄養学の基礎を無視しているどころか、デメリットの大きいことをやっているからです。

知っている人にとってはあり得ないことなのですが、残念ながらタンパク質を過剰摂取しながら糖質制限している人もいます。胃腸を荒らしながら消化吸収能力が落ちてたしかに脂肪は燃焼するかもしれませんが、筋肥大はあまり起こらず、体のあらゆる機能を低下させていく筋トレ方法です。

 

4-2.ケトジェニックダイエットのデメリット

高タンパク、低糖質で筋トレをしている人はだいたい干からびたような皮膚をしていますが、それは栄養不足です。ケトン体が生成されている状態ですし、過剰に摂取したタンパク質が汗に含まれて分泌されるので体臭もきつくなります。ケトン体は口臭や体臭につながりますが、さらにタンパク質が汗で染みだして、そこに細菌が繁殖するので臭いとしてはかなり厳しい状態になるでしょう。タンパク質は体にとって必要な栄養素ですが、過剰摂取のデメリットも大きいということですね。また他の栄養素が不足することも問題です。

 

 

5.まとめ

タンパク質を過剰に摂取すれば汗の量が増えることはありますし、その汗に細菌が繁殖しやすくなる、ということでした。またタンパク質を多く摂取する代わりに糖質を制限すると、ケトン体が生成されるので余計に体臭はきつくなります。栄養バランスが重要ということですね。

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