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スーツがビシッと似合う筋肉の作り方

スーツを着こなすためにはある程度筋肉質で引き締まった体がベストです。太りすぎていればスーツの形と体が合わず、痩せすぎているとスーツをハンガーに掛けているようなスカスカ感があります。適度に筋肉を付けることで、スーツの似合う体になります。

1.スーツを着こなすために鍛える部位

スーツに似合う体になるために鍛える部位ははっきりしています。

上から順に

1.僧帽筋:肩から首にかけてのスーツのアウトラインを決める

 

2.三角筋:肩幅が広くなり様になる。

 

3.広背筋:後ろ側に張りを持たせ、スーツが前に垂れるのを防ぐ

 

4.大胸筋:前側に張りを持たせる

 

5.上腕二頭筋:男らしいラインが出る

 

7.腹筋:ポッコリ腹のスーツ姿は残念。お腹の引き締め効果

 

8.脊柱起立筋:背筋が伸び、立ち姿がスマートに

 

9.大臀筋:プリッと上がった尻はスーツ姿のマストポイント

 

11.ハムストリング:猫背歩きの改善。歩き姿がスマートに

だいたいこのような部位が重要になります。基本的な考え方としては、体の中心部の筋肉ほど重要です。体の中心部の大きい筋肉が発達することによって、スーツが適度に筋肉で盛り上がります。あとは、筋肉の発達によって姿勢が良くなるので、それもスーツが似合う条件としては重要です。

 

 

2.体の後ろ側の筋肉が特に重要

2-1.西洋人の体型

スーツを似合わせるための筋肉と聞くと、大胸筋や上腕二頭筋を最初に思い浮かべる人は多いでしょう。もちろんそれは間違いではありません。しかし、実は体の後ろ側の筋肉の方がより重要ですスーツはもともと西洋人の体型に合わせて作られているので、西洋人の筋肉の付き方に近づくとスーツが似合います。

 

2-2.体の後ろ側の筋肉を重点的に鍛える

日本人は体の後ろ側の筋肉が弱いので、スーツを着た際に後ろ側の張りがありません。スーツの後ろ側の張りがないと、スーツが前に垂れてしまっている印象になるのです。そのため、体の後ろ側の筋肉を重点的に鍛えて、スーツの後ろ側に張りを持たせるとスーツがビシッと決まります。

また、体の後ろの筋肉が弱いと猫背になりやすいです。日本人は猫背の人が多いですが、これは体の後ろ側の筋肉が弱いことが影響しています。上半身だけではなくて下半身も後ろ側が弱いので、重心が前に掛かって前のめりになります。下半身の後ろ側を鍛えることは、日本人が姿勢を良くする上で重要です。

 

 

3.具体的な筋トレメニュー

日本人がスーツをビシッと着こなすために必要な筋肉を紹介してきました。上半身の前側の筋肉に注目されがちですが、実際は体の後ろ側の筋肉が重要で、上半身だけではなく下半身も重要ということでした。特に広背筋や肩の後ろ側の筋肉がないとスーツが前に垂れてしまい格好悪いです。そのため、まずは広背筋大殿筋に注目しましょう。

 

3-1.懸垂(チンニング)

鍛えられる筋肉:メイン(広背筋) サブ(僧帽筋下部、大円筋、三角筋後部)

懸垂は腕の力でやるものと思われがちですが、実際は広背筋がメインターゲットです。腕幅を多少広めに取り、肩甲骨を寄せるイメージで懸垂することによって、広背筋に効きます。また広背筋と同時に上腕二頭筋や三角筋、僧帽筋も鍛えられます。上半身後ろ側の上部を満遍なく鍛えられるので、懸垂はスーツを着こなすための筋トレとして最適です。

懸垂のやり方

セット数の目安:10レップ×3セット セット間のインターバル:1〜2分

 

  1. 手幅を肩幅程度にしてバーを握る
  2. 背中を反らし胸を張りながら体を引き上げる

懸垂のポイントや注意点

  • ・肩甲骨を寄せながら体を引き上げる
  • ・パワーグリップやストラップがあれば背中の筋肉に効かせやすくなる

 

3-2.バーベルスクワット

鍛えられる筋肉:メイン(大殿筋下部、脊柱起立筋、内転筋群、大腿四頭筋) サブ(ハムストリング)

スクワットは下半身全体と体幹を鍛えられます。姿勢の維持に役立つので、スーツの着こなしのためには必須の筋肉でしょう。特に下半身の後ろ側に効かせるフォームでのスクワットがおすすめです。足幅を広めにとって深く落とすことで下半身の後ろ側に負荷が掛かります。

逆に、足幅狭めで浅めに落とすスクワットだと太ももの前側の大殿四頭筋に負荷が掛かります。大殿四頭筋を鍛えることも重要ですが、欧米人に体型を近づけるためには下半身の後ろ側を鍛えることが重要で、また下半身の後ろ側を鍛えた方がボディーバランスが良くなります。日本人は足の前側の筋肉を使って歩く癖があるので、下半身の後ろの筋肉を鍛えることで歩き方もバランスよくきれいになります。

足の前側の筋肉を使って歩くと前のめりで猫背になりやすいですが、下半身の後ろ側の筋肉を使えば背筋が伸びて歩幅が広くなります。スーツの着こなしという点でも筋肉を付けると見栄えが良くなりますが、筋肉を付けることによって歩く姿勢、立ち姿勢も良くなります。

猫背だったり歩き方が変だとスーツは似合わないので、動きも含めてスーツの似合う筋肉を付けると良いでしょう。

ハイバースクワットバーが僧帽筋上部・肩に来るように持ちます。これによって、大殿四頭筋メインに大殿筋やハムストリングにも負荷が掛かります。ジムで見ていると、ハイバーで行っている人が多いですね。

ローバースクワットバーを肩甲骨の上あたりに乗せます。これによって前傾気味になるので、大殿筋に負荷が掛かりやすくなります。

自重スクワットのところでも前傾姿勢だと大殿筋に負荷が掛かりやすいと説明しましたが、加重する場合はバーの位置で姿勢をコントロールします。自重の場合自分で意識しなければなりませんが、加重する場合バーの位置さえ固定すれば勝手にそのフォームになるので、ある意味姿勢は作りやすいかもしれませんね。

フロントスクワットこれは大腿四頭筋がメインターゲットです。バーを胸のあたりに持ってくることで、後傾姿勢になります。ハイバースクワットよりもさらに後傾になるので、大腿四頭筋に負荷が掛かります。

ローバースクワットでスタンス広め、深めに落とすと大殿筋に効くスクワットになります。

バーベルスクワットのやり方

セット数の目安:10レップ×3セット セット間のインターバル:1〜2分

 

  1. 足幅を肩幅よりやや広めにとり、つま先を外側に向ける
  2. バーベルを担ぎ、肩甲骨を寄せて背筋を伸ばす(手幅は多めにとる)
  3. 膝を曲げながらゆっくり腰を落とし、元に戻す

バーベルスクワットのポイント

  • ・胸を張り背筋が丸まらないようにする
  • ・足を肩幅程度に開き、より負荷をかけたいときには広くする
  • ・つま先は少し外側に向け、膝も同じ方向に向けて曲げる
  • ・曲げた膝をつま先よりも前に出さない(出すと膝を痛める原因になる)
  • ・最後に膝を伸ばしきらない(ノンロック)

 

3-3.ベンチプレス

鍛えられる筋肉:メイン(大胸筋) サブ(三角筋前部、上腕三頭筋)

ベンチプレスは大胸筋をターゲットにしています。大胸筋の発達はスーツの似合う体に必須でしょう。胸板が厚い方がスーツがスカスカにならなくて格好良く着こなせます。

ただし、大胸筋が発達し過ぎるとスーツが入らなくなります胸囲に合わせるとスーツが長くなったり、お腹の部分がスカスカになる場合もあります。オーダーメイドで自分の体型に合ったものを作れば良いのですが、毎回作るのはお金も手間も掛かります。そのため、自分の身長や骨格にあった自然な程度の筋肉に留めた方が良いでしょう。

人によって体格が異なるのであくまでも目安ですが、ベンチプレス100kg程度だとちょうど良いです。わりとがっしりしている、といったちょうど良い体型だとだいたいベンチプレスは100kg程度なので、それくらいが目安になります。

100~150kgの間でやっている人はいわゆるゴリマッチョ体系の人が多いです。体重を増やしながら本格的に体を大きくしている人が多いので、そこまでになるとスーツの似合う体型からはむしろ離れていくでしょう。スーツよりもふんどしやビキニパンツの似合う体型になっていきます。

ベンチプレスのやり方セット数の目安:10レップ×3セット  セット間のインターバル1分

 

  1. ベンチに寝て、肩幅の1.5倍程度の手幅でバーベルを持つ
  2. 胸を張って肩甲骨を寄せバーベルを下ろす
  3. 胸を張って肩甲骨を寄せたままバーベルを上げる

ベンチプレスのポイント・バーベルの持ち方はサムアラウンドグリップ

  • ・ハの字なるように握る
  • ・「肩甲骨内転+下方回旋」でブリッジをつくる
  • ・お尻を浮かせたり胸でバウンドさせると負荷が軽くなる
  • ・前腕の角度が垂直になるように

 

3-4.クランチ(腹筋運動)

鍛えられる筋肉:腹直筋上部

腹筋は鍛えなくてもベンチプレスやスクワットで補助的に使用されます。そのため、筋トレを継続していれば腹筋は勝手についてくるでしょう。そのため、腹筋運動を単体でおこなう必要はあまりないと言えます。腹筋は補助的に使われるだけでも十分に発達しますし、腹筋だけを鍛えるのはいまいち効率が良くありません。なぜなら腹筋はそれほど大きい筋肉ではないからです。

ポッコリお腹を改善したい場合は、脂肪燃焼が必須です。全身の有酸素運動が必要で、ランニングや負荷を軽くした回数の多いスクワットが有効です。腹筋を鍛える目的は、お腹の脂肪を落とすことではなく、お腹の引き締め力強化がメインになります。

クランチのやり方セット数の目安:15レップ×3セット セット間のインターバル:40秒

 

  1. 仰向けになり、膝を90度に曲げ、足を持ち上げる
  2. 両手を耳にあて、脇をひろげる
  3. おへそを覗き込むイメージで背中を丸める

クランチのポイント

  • ・手の位置によって負荷を変えられる
  • 胸の前で組む < 頭の後ろに組み、脇を締める < 耳の横に当て、脇を開く

 

3-5.プランク(フロントブリッジ)

鍛えられる筋肉:腹直筋、腹横筋、腸腰筋、大腿直筋

プランクは、ドローインをキープした状態で行い、主に体の前面に刺激が入るトレーニングメニューです。体幹トレーニングの代表的な種目で、少し前に「30日プランクチャレンジ」なるものも流行りました。体幹は、鍛えることで姿勢が良くなったり、ポッコリお腹が解消したり、肩こりや腰痛の予防・改善効果もあるコスパ最強のトレーニング部位になります。

また体全体の安定性が向上するので、スポーツ全般や日常生活、その他筋トレ効果の底上げも期待できる、まさに体の土台となる部位なのでぜひ日々のトレーニングメニューに組み込みたい内容です。

プランクのやり方セット数の目安:20〜60秒キープ×3セット セット間のインターバル:1分

 

  1. 床に対してうつ伏せの状態で、肘と足先だけで体を支える
  2. 頭からかかとまでが一直線になるように姿勢をキープ

プランクのポイント

  • ・休むときはチャイルドポーズや猫のポーズでリラックス
  • ・プランク中はお腹を凹ませ、ドローインの状態をつくる

 

 

4.まとめ

スーツをビシッと着こなすためには、筋肉を付けて体型を変え、それと同時に姿勢や歩き方を改善することが重要です。筋肉を付けすぎるとスーツがパツパツになりますが、そこまでのレベルになるのは逆に難しいです。筋肉隆々の欧米人はスーツを着こなしているので、その程度の筋肉なら問題なく、スーツが格好良くなるということですね。ボディビルダークラスになると筋肉が付きすぎてスーツが合わなくなります。

筋肉を付ける際の注意点としては、体の大きい筋肉を鍛える、体後ろ側の筋肉を鍛えるように意識する、ということでした。後ろに張った体はスーツが適度に上がって格好良くなりますが、どうしても体の前ばかりを意識してしまう人が多いです。スーツを着こなすためには大胸筋も重要ですが、それよりも広背筋の方が重要、ということですね。

他の筋肉部位の鍛え方に関しても、興味があれば筋肉図からチェックしてみてください。

 

イラスト/ハヤシナオユキ

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