インターバル走の基礎知識と効果やメリット
同じペースでジョギングを続けるだけのトレーニングに限界を感じていませんか? ここではフルマラソンやハーフマラソンのタイムアップにつなげられるインターバル走とはどういうもの紹介や、その具体的な効果、実践する際のセット例を紹介します。インターバル走によって、これまでのトレーニングにメリハリがつきます。
1.インターバル走とは?
速いスピードでのジョギングとゆっくりとしたスピードのジョギングを交互に繰り返すトレーニング。フルマラソンで完走だけでなくタイムの向上を狙いたい中級・上級のランナーが使うトレーニング法です。
2.インターバル走の効果・メリット
2-1.心肺機能の向上
これが最も大きなメリットです。速いスピードのジョギング・緩やかなスピードのジョギングを繰り返すことにより、単純なジョギングより心肺機能に大きな負荷をかけることができます。これにより心肺機能が鍛えられ、フルマラソンのような長いレースでも、以前より楽に走れるようになるでしょう。
2-2.最大酸素摂取量の向上
最大酸素摂取量とは、その名の通り身体が酸素を摂取できる最大量のこと。もう少し学術的に説明すると、運動をしている際、単位時間あたりに身体へ取り込める酸素の最大値です。最大酸素摂取量がアップすることによって、心肺機能を向上させるのと同様に、長い距離走っても苦しくなりづらい身体づくりができます。
2-3.乳酸がたまりにくい身体づくり
長い距離を走っていると身体には乳酸がたまっていきます。乳酸とは、糖質がエネルギーにかわる過程で生み出される代謝物質で、乳酸が身体にたまることによって筋肉が動きづらくなります。結果、マラソンをしているときに、身体が動きにくくなって失速してしまう原因にも。乳酸はエネルギーに再利用されるという面もあるので、必ずしも悪者ではないのですが、この性質のせいで「疲労物質」なんて悪い呼び方をされることもあります。
インターバル走では、この乳酸をエネルギーとして再利用する身体の力を向上させることが可能。これにより、乳酸が身体にたまりにくくなるわけです。
2-4.脚力の向上
フルマラソンで完走だけを目指してトレーニングを続けている場合には、速いスピードで走る機会は少ないのではないでしょうか。インターバル走では、普通にジョギングしているときよりも速いスピードで走るトレーニングを頻繁に行うので、結果的に脚力が向上し、スピードアップにつなげることも可能です。
ただし、純粋にスピードアップを狙いたいのであれば、より効率的に「いつもより速いスピードでいつもと同じ距離を走り切る」といったトレーニングもあります。インターバル走でのスピードアップは、他のメリットのおまけでついてくる効果ぐらいに捉えてください。
2-5.メンタルの強化
インターバル走は、一般的なジョギングよりも身体に大きな負担がかかるものです。疲労した状態で、全力で走ることも求められます。その結果、そこで諦めず力を出しきるメンタル部分の強化にもつながるわけです。以前より速いスピードで完走するためには、メンタルも重要なポイント。インターバル走で、メンタルをきたえるのもよいでしょう。
3.【注意点】インターバル走は身体への負担が大きい
上でも少し書きましたが、インターバル走は効果が高い一方で、身体への負担が大きなトレーニングです。マラソン初心者の方が、いきなり取り入れるのには適していません。
まずは走るのに慣れてフルマラソンの完走を目指せるぐらいのレベルになってから、インターバル走のトレーニングを行うとよいでしょう。また頻繁に行う必要はなく、週に1回、多くても2回までにとどめます。それから本番のレースの直前は、身体を疲弊させないためにも避けた方がよいでしょう。
4.インターバル走のセットの組み方例
インターバル走の基本は、前述した通り、速いスピードとゆっくりとしたスピードのランニングを繰り返すことです。ですから「これだけが正解!」というわけではありません。最終的には自分自身でセットを組み立ててもらえばよいと思いますが、ここでは参考までに、セットの組み方例を紹介します。
800mの疾走で仮に全て5分で走れれば、フルマラソンでも5分/kmで走れると言われています。そのためフルマラソンに挑戦する際の、ペースの目安を知れたりペースアップにつなげたりできますね。なおこの本数や距離がきつければ、最初は距離を半分にしてもよいでしょう。
前の例と比較して疾走の距離が長く、緩走の距離が短くなっています。その分、前の例より1本あたりの負担が高いです。1kmの疾走では走り切る頃には辛いと感じるほどのペースを保ち(全力の8割ほどが目安)、200mの緩走で呼吸を整えます。
5.まとめ
インターバル走は、フルマラソンやハーフマラソンにチャレンジする際に効果的なトレーニングです。完走だけで物足りなくなった際は、ぜひ取り入れてくださいね。インターバル走を続ければ、その効果がタイムにきちんと反映されるでしょう。