鶏肉vs豚肉!筋肉に良いのはどっち?成分や効果、レシピも合わせて紹介します
鶏肉と豚肉、どちらを食べるメリットの方が筋トレーニーやダイエッターにとって魅力的でしょうか。ここでは、それぞれの食材が含む成分などから、摂取することで得られる効果をまとめています。筋トレやダイエットなどをされている場合は、日々の食事の参考にもなります。
1.鶏肉を食べるメリットは?
1-1.鶏肉は低カロリー・高タンパクの代表選手
お肉の中でもボディビルダーが好んで食べるのは鶏肉です。鶏肉はささみを筆頭に低カロリー・高タンパクな食材の代表選手。筋肥大を狙うなら、肉の中でも最も適しています。カロリーが低いので、ダイエットの際にお肉を食べるなら鶏肉が最も好まれます。
1-2.タンパク質が重要な理由
鶏ささみなどが「低カロリー・高タンパク」とはよく言われることですが、タンパク質がカラダの中でなぜ重要か知っていましたか? ここではその理由を振り返っておきましょう。
タンパク質は、内臓や爪・皮膚・骨などカラダのあらゆる部分を形成する主成分。細胞の成分のうち70%が水、そしてその次に多いのが全体の約15%をしめるタンパク質です。もちろん、筋肉もタンパク質によって形成されています。
筋トレの効果を出すためにもタンパク質の摂取は必要不可欠です。筋トレによって、体の中で筋肉は意図的に傷つけられています。そしてカラダがより頑丈に回復しようとするときに、タンパク質が必要になるわけです。ちなみに、ビルダーがよく摂取するプロテインもタンパク質で出来ています。(プロテインを日本語に訳すと「タンパク質」です。)
筋肥大を目指すにはタンパク質の摂取が必要です。そして、ささみを代表に、鶏肉は低カロリーでたくさんのタンパク質を摂取できる食材といえます。
1-3.値段が安いのも鶏肉の魅力
年々高くなる食材の価格。そんな中でも、牛肉や豚肉と比較してお安く手に入るのが鶏肉です。これも他のお肉と比較した場合の、鶏肉の大きなメリットといえますね。鶏肉なら財布をいためず、たくさん食べることができます。
1-4.鶏肉に含まれる主な栄養素は具体的にどのくらい?
それでは、鶏肉にはどのくらいの栄養素が含まれるか見ていきましょう。
カロリー(kcal) |
タンパク質(g) |
脂質(g) |
|
胸肉(皮付き) |
244 |
19.5 |
17.2 |
胸肉(皮なし) |
121 |
24.4 |
1.9 |
もも肉(皮付き) |
253 |
17.3 |
19.1 |
もも肉(皮なし) |
138 |
22.0 |
4.8 |
ささみ |
114 |
24.6 |
1.1 |
手羽 |
195 |
23.0 |
10.4 |
ビタミンA(ug) |
ビタミンB2(mg) |
ビタミンB6(mg) |
ビタミン B12(ug) |
|
胸肉(皮付き) |
72 |
0.08 |
0.35 |
0.3 |
胸肉(皮なし) |
50 |
0.1 |
0.47 |
0.2 |
もも肉(皮付き) |
47 |
0.23 |
0.17 |
0.5 |
もも肉(皮なし) |
17 |
0.31 |
0.22 |
0.6 |
ささみ |
9 |
0.12 |
0.66 |
0.1 |
手羽 |
60 |
0.11 |
0.2 |
0.7 |
※成鶏肉の場合で表示
たとえば豚バラ肉では、100gあたり395kcalで含まれるタンパク質は14.4g、脂質は35.4gですから、比較してみると鶏肉がいかに低カロリー・高タンパクかがわかりますね。ささみの1.1gを筆頭として脂質も少ないです。
1-5.鶏肉の部位ごとのメリット
上記表をみてもわかるように、一口に鶏肉と言っても部位ごとに含まれる成分には差があります。ここでは、鶏肉のそれぞれの部位にどんな特徴があるかまとめて記載します。
胸肉のより内側にあるお肉で、ササの葉に似ているため「ささみ」と呼ばれています。繰り返すように、鶏肉の中でも最も低カロリー・高タンパク。脂質も低く筋肥大を目指すボディビルダーやダイエット中の人にも最適です。味は最も淡泊で、調理次第では物足りなく感じる人もいるかもしれません。
鳥のももの部分の肉です。ビタミンB2や鉄分が多く含まれており、動脈硬化のような生活習慣病の予防にも効果があります。鶏肉の中では脂質も多く、ジューシーで食べ応えがあります。
鳥の胸部の肉で、もも肉と比較して脂質は少ないです。タンパク質を体内で吸収するのに必要で、筋肥大を目指すのに必須のビタミンB6を多く含んでいます。またささみに次いで脂質が低く、ダイエットにも有効。ビタミンAやナイアシンも多く含み、風邪の予防にも効果があります。
2.豚肉を食べるメリットは?
2-1.疲れを取るビタミンB1を多く含む
豚肉の大きなメリットは「疲労回復のビタミン」とも呼ばれるビタミンB1を多く含むことです。ビタミンB1は、カラダの中に乳酸がたまるのを防いでくれます。
余談
乳酸は、以前は疲労の原因物質であると言われていましたが、それは間違いで乳酸もエネルギー源になっているという事が最近の研究でわかってきました。
しかしココに問題があります。詳しく説明すると、その内容で1記事まるまる出来るほどの説明量になってしまうので割愛しますが、グルコース(血糖)をエネルギー化する過程でビタミンB1や酸素が足りない状態だと乳酸が生成され、溜まっていきます。
そうなると、カラダはどうするかというと、たまった乳酸をもう一度グルコース(血糖)に戻して、エネルギー生成のスタート地点に返します。
この乳酸をグルコースに戻す過程でエネルギーを大量に使ってしまうので、間接的に疲れやすくなってしまうという事です。
またビタミンB1には酵素の働きを助ける役割もあります。不足すると、酵素が糖質をエネルギーに変えられなくなり、疲れやすくなったり手足がしびれたりといった症状もあらわれます。ちなみにビタミンB1の量で他の肉と比較すると、鶏肉の約6倍、牛肉の約8倍にもなります。
2-2.鶏肉と比べると多い量を食べやすい
豚肉は鶏肉と比較すると脂質が多く含まれ味も淡泊ではありません。ささみなどは多く食べると飽きてしまいますが、豚肉ならそんなことはないですよね。そのためより頻繁に多く摂取するなら鶏肉より豚肉の方が適しています。この点も豚肉のメリットといえるでしょう。
2-3.豚肉に含まれる主な栄養素は具体的にどのくらい?
さて、それでは豚肉に含まれる栄養素はどのくらいでしょうか。鶏肉と同じように豚肉の部位ごとの栄養素がどのくらい含まれているかみてみましょう。
カロリー(kcal) |
タンパク質(g) |
脂質(g) |
|
肩肉 |
216 |
18.5 |
14.6 |
ロース肉 |
263 |
19.3 |
19.2 |
バラ肉 |
395 |
14.4 |
35.4 |
もも肉 |
183 |
20.5 |
10.2 |
ヒレ肉 |
130 |
22.2 |
3.7 |
ビタミンB1(mg) |
ビタミンA(ug) |
ナイアシン(mg) |
|
肩肉 |
0.66 |
5 |
4.9 |
ロース肉 |
0.69 |
6 |
7.3 |
バラ肉 |
0.51 |
11 |
4.7 |
もも肉 |
0.90 |
4 |
6.2 |
ヒレ肉 |
1.32 |
3 |
6.9 |
※大型種肉・脂身つきの場合で表示
ビタミンB1に関しては、鶏肉ではどの部位もおおよそ100gあたり0.1mg以下なので、上の表と比較するとどれだけ豚肉に多く含まれているかわかりますね。こうやって比べてみても、疲れをとるなら豚肉が適切といえるでしょう。
2-4.部位ごとの特長
豚肉もその部位ごとに含まれる成分に差があります。ここでは、部位ごとの特長を解説します。
肩ロースと腕をあわせた部分です。豚肉の中でも比較的脂質が多く体力強化に効果があります。よく動く部分なので肉質は硬めで食べ応えがあります。
背中の中でも肩とももの間にあたる部分の肉。やわらかくて豚肉の中でもうま味を強く感じられる部分です。脂質もバラ肉について多くなっています。また豚肉の中でもナイアシンを多く含んでおり、皮膚炎や口内炎の予防にも効果的です。
腹の中でも肩とももの間にあたる部分の肉です。豚肉の中でも脂質が多い上にビタミンAを多く含み体力強化や美肌に効果があります。赤身と脂身が重なるようになっているため、三枚肉とも呼ばれています。脂のうま味が濃厚で、肉じゃが・角煮などさまざまな料理に使われます。
足のももにあたる部分の肉です。ヒレ肉についで豚肉の中でもビタミンB1を多く含みます。豚肉の中では脂質が少なめでさっぱり食べられます。
ロースの内側にある肉。豚肉の中でも脂質が少なくタンパク質が多い部位なので、筋トレやダイエットの際には適しています。さらに、上記表をみてわかるとおり、豚肉の中でもビタミンB1を多く含んでいます。
3.鶏肉を使ったおすすめレシピの紹介
3-1.鶏肉のささみを使ったおすすめレシピ
ともすれば淡泊な味わいでたくさん食べられないささみも、こんな風に調理すれば飽きずに食べられそうですね。
クックパッド:鶏ささみの焼き鳥風
紹介したレシピはレンジを使って簡単に作れるのが特長。このまま食べてもよいですし、サラダに入れてもよいですね。調味料も少ないのでヘルシーなのも魅力です。
クックパッド:レンジで簡単!鳥ささみの酒蒸し
にんにくや生姜をふんだんに使った塩ダレがかかった丼で、ささみといえども満足感は高いレシピではないでしょうか。ダイエット中なら、これならひもじい思いをしなくてよさそうですね。
クックパッド:簡単ささみのがっつり♪塩ダレ丼♪
3-2.鶏の胸肉を使ったおすすめレシピ
たった5分で仕上げられる鶏の胸肉を使ったチャーシュー。胸肉が苦手な方でも、これならぱさぱさしないでおいしくいただけそうです。お酒のおつまみにすれば、他のおつまみよりヘルシーですし、丼にするのもおすすめです。
クックパッド:5分で簡単!胸肉やわらか鶏チャーシュー
こちらは鶏肉をさっぱりといただけるレシピ。作り方も簡単。サンドイッチの具材にしたり、一品足りないときのおかずにしたりしてもよさそうですね。
クックパッド:簡単すぎる☆しっとり鶏胸肉ハム
甘酢あんを使ったメニューで、飽きずに食べられます。レシピ名にある通り、お弁当用などに重宝しそう。小腹がへったときに何か食べるにしても、これならヘルシーです。
クックパッド:お弁当用に冷凍保存!鶏むね肉のさっぱり煮
4.豚肉を使ったおすすめレシピの紹介
4-1.豚ヒレを使ったおすすめレシピ
使うのは豚バラではありませんが、豚ヒレでヘルシーに。角煮のように多少時間のかかるレシピではありますが、豚ヒレを使っているので比較そうなメニューです。
クックパッド:豚肉とキャベツの簡単ハーブ煮
4-2.豚のもも肉を使ったおすすめレシピ
やわらかいローストポークを炊飯器の保温機能で簡単に作れるレシピです。簡単ですが豪華な一品になりそう。もも肉でなくロース肉で作ってもよいようです。
クックパッド:炊飯器で簡単ローストポーク
トマトを使って食欲をそそってくれるレシピです。夏バテで食欲がないときなどでも、これならいただけそうですね。
クックパッド:♪簡単♪豚もも肉と夏野菜のトマト煮
4-3.豚の肩肉を使ったおすすめレシピ
安価な豚肩肉を使って簡単に仕上げられるレシピ。おつまみにしてもご飯のおかずにしてもよさそうですね。
クックパッド:豚肩肉のビール煮込み
ポトフなら野菜もたくさん食べられてヘルシー。寒い時期にはカラダが温まるので特に活躍しそうです。
クックパッド:豚肩肉のポトフ
5.まとめ
高タンパク・低カロリーで筋肥大やダイエットにもってこいの鶏肉と、ビタミンB1を多く含み疲労回復にきく豚肉。両者を比較して一概に「どちらがよい」とは言えません。個々の希望や状況に応じて、その時々で適切な方をバランスよく摂取するのがよいのではないでしょうか。いずれもメジャーな食材なので、ここで紹介したようにレシピは豊富。バランスよく取り入れることで、味に飽きることなく、継続して摂取し続けられるでしょう。